ストレートネックの人におすすめの枕は?タオルで手軽な対策も可能
ストレートネックは、スマホの使用頻度が高い人、うつむく姿勢が続く人に多くみられます。放置すると体に不調が出てくることもあるため、自分に合う枕を見つけて改善しましょう。すぐに実践できるバスタオル枕の作り方や使い方、おすすめの枕を紹介します。
ストレートネックとは?
現代人の多くが抱えるようになった悩みの一つがストレートネックです。日常的にとりがちな姿勢や睡眠時の状態などが原因となり、気づかぬうちにストレートネックをつくりあげています。
ストレートネックを長らく放置していると、健康を損ねてしまうこともあります。早期に対処するためにも、ストレートネックについて正しい知識を手に入れましょう。
首の骨がまっすぐになった状態
ストレートネックとは、本来首はくの字を描くようにゆるやかに湾曲している状態が望ましいものの、日々の生活習慣や姿勢のクセの蓄積によって正常な首のカーブが徐々に失われ、首の骨がまっすぐになっている状態です。
成人の頭の重さは、体重の約10%といわれます。個人差はあるものの、50kgの体重の人であれば、約5kgもの重さを支える首に歪みが生じれば、本来は負荷のかからない箇所に余計な力が加わります。そのまま放置し続けると、さまざまなトラブルを引き起こすことになるでしょう。
うつむいた姿勢を続けると発生しやすい
ストレートネックを引き起こす大きな原因は、日常的にうつむいた姿勢を長時間続けていることです。
デスクワークでパソコン作業を行っていたり、スマホを操作したりしている時間はほとんどの人が画面をのぞき込む姿勢をとっているでしょう。うつむいた姿勢が首に負荷をかけ、正常な首のカーブを失わせることになります。
ストレートネックの症状は大人だけではなく子供にも見られ、もはや一つの現代病ともいえるほどポピュラーなものになりつつあります。パソコンやスマホが日常に浸透している人ほど、ストレートネックになりやすい状態といえるでしょう。
高い枕が原因になる場合も
自分の体に合わない枕を使っている場合もストレートネックを引き起こしやすい状態です。高すぎる枕を使っていると、首の自然なカーブと逆方向の力が加わり、睡眠中に首まわりへ負荷をかけることで、自分でも気が付かないうちにストレートネックが定着してしまうことがあります。
セルフチェックの方法
ストレートネックであるかどうかを判断するためには、病院でのレントゲン撮影が確実です。しかし、わざわざ病院に通えないという人でも簡単なセルフチェックで判断できる場合があります。
壁に背とお尻をつけてまっすぐ立ち、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが自然な状態で壁に触れるようであれば、ストレートネックの可能性は低いです。後頭部が壁から離れ、顎が前に突き出るような状態になればストレートネックの可能性があります。
このほか、首を逸らしたり天井を見上げたりすると痛みを感じたり、慢性的な肩・首のこりに悩まされていたりといった症状がみられる場合は、特に注意が必要です。強い痛みやしびれがあらわれるなど、明らかな異常がみられる場合は専門家に相談しましょう。
ストレートネックを放置するのはNG
ストレートネックは本来の首とは異なる不自然な形であるため、放置しておくとさまざまなトラブルを招くことになるでしょう。
ストレートネックというと肩こりや頭痛など、首周りの症状を連想しがちですが、耳鳴りやめまいなどの神経に関するトラブルのほか、腰周りの症状を引き起こす可能性もあります。
ストレートネックを放置することでどのような問題が生じるのかを解説します。症状に心当たりがある人は要注意です。
首や肩周りの負担が増加
正常な首に見られる自然な湾曲は、頭の重さを支え、衝撃を吸収する重要な役割を担っています。
ストレートネックになることで、首のカーブで分散されていた頭の重みが首・肩周りにダイレクトにのしかかります。首の筋肉が重さに耐えようと緊張することで、付近の神経や血管を圧迫し、さらに連鎖的に体のあちこちにトラブルを引き起こすのです。
さまざまな症状の原因に
首や肩に負担がかかり続けることで慢性的な肩・首こりが、神経と血管が圧迫されることによる頭痛やめまい、耳鳴りのほか、自律神経失調症があらわれるケースもあるでしょう。さらに重症化すれば、手の痛みやしびれが症状としてあらわれます。
頭の重さを支えるために猫背の癖がつき、腰への負担が大きくなることで腰痛となるケースもあるでしょう。進行すれば背骨の変形からヘルニアに発展する可能性もあります。
自分に合った枕を選ぶメリット
ストレートネックを改善するための一歩として、普段睡眠をとるときに使っている枕を見直すことがあげられます。睡眠は毎日の生活習慣であり長時間に及ぶため、枕で睡眠中の姿勢を変えることは効果的な改善方法です。
自分に合った枕を選ぶことで体にどのようなメリットがあるかを解説します。
睡眠中もいい姿勢をキープできる
自分に合った枕を選ぶことは、睡眠中に理想的な姿勢をキープできるメリットがあります。体をリラックスさせ、筋肉に負担をかけない状態を保つことができます。
自分に合った枕とは、寝心地・使い心地がよいものや長年使い慣れたものとは限りません。正しい姿勢で立った状態を睡眠中にも保てる枕が自分に合っていると判断できるのです。
睡眠は数時間にわたるため、枕を丁度よいものに変えれば、一定時間首まわりをストレッチできるため、寝ている間にも首が本来の自然なカーブを取り戻すための手助けとなり、健やかな状態を目指すことができます。
首への負荷を軽減
自分の体に合った枕は首や肩の筋肉にかかる負担を軽減します。首の頚椎のカーブに沿った枕は、首の頚椎のカーブを緩やかに保つため体にストレスをかけません。
逆に高さ・硬さ・形の合わない枕を使い続けていると、ストレートネックを悪化させることはもちろん、首の筋肉に力が入り過ぎて体に痛みが生じるでしょう。
ストレートネックを枕で対策
ストレートネックを改善するためには、眠っている間に首に負担がかからない高さの枕を選ぶことがポイントです。しかし、自分に合う枕を客観的に判断して選ぶということはなかなか難しいという人も多いでしょう。
ストレートネック対策で枕を選ぶのであればどのようなポイントに着目すればよいかを紹介します。
首への負担は枕の高さで変わる
人によって体格や骨格には個人差があるため、理想的な枕の高さはそれぞれ異なります。自分に合わない高さの枕を使っていると首に負担がかかり、睡眠中の息苦しさや起床したときの肩・首の痛みなどに悩まされるでしょう。
枕が高すぎる状態では、顎を持ち上げた状態になるため、気道を狭めて呼吸がしにくくなり、頭痛やいびき、寝不足などを引き起すばかりでなく、腰とお尻に体重が集中するため寝返りがうてず、腰痛になりやすい場合があります。
枕が低すぎる状態では、首を反らしながら眠ることになるため頭の重さと首の湾曲を支えられません。肩に負担がかかり寝違えや肩こりを引き起こしやすくなります。
自分に合った枕の選び方
正しい枕を選ぼうとしても、自分に合った高さというのはなかなか分からないものです。実際に使ってみて、首を反らし過ぎず、持ち上がり過ぎない状態をキープできるかどうかを判断基準にするとよいでしょう。
仰向けに寝るときには、うなじとベッドに生じるすき間を枕がぴったり埋めるかどうかを確認します。同時に、頭の重さを枕がしっかり受け止めているか、首や肩に力が入っていないかをチェックしましょう。
寝返りを打ったときのため、横向きの姿勢でも確認が必要です。まっすぐ立っているときのように、首と背筋が一直線にキープできていれば丁度よい高さの枕といえます。肩を丸めたり、首が傾いたりしないかチェックしましょう。
最初は違和感を覚える場合が多い
どんなに自分の体に合った枕であっても、慣れるまでは違和感を覚える場合が多いです。しばらくは眠りにつくまでに時間がかかったり、使い心地が悪く感じたりするでしょう。
だからといって、今まで使い慣れてきた枕の方が合っている、というわけではありません。数日程度で判断せず、まずは1~2週間試しに使ってみましょう。
いきなり枕の高さが大きく変わるとそれだけ違和感も大きくなります。今まで使っていた枕に合わせ、新しい枕の上にタオルを敷くなどして高さを調整しましょう。慣れていけば、タオルの枚数を調節して枕を高くしたり低くしたりすればよいのです。
最終的には、自分の体にぴったり合う枕の高さに調整できるでしょう。
バスタオル枕で手軽に対策
ストレートネックを改善する枕を手に入れたいと思っても、数ある中から自分に合った枕を見つけることは難しいことです。体格や首の形によって個人差が大きいため、ぴったりのものを見つけるためには何度か試しに使い、調整する必要があるでしょう。
自分の手元にあるバスタオルで作ることができるバスタオル枕であれば、すぐに手に入る上に使いながら細かい調節をしていくことが可能です。作り方も簡単で誰でもすぐに作ることができます。
バスタオル枕の作り方と正しい使い方、さらにメリット・デメリットを見ていきましょう。
バスタオル枕の作り方
まずは肝心のバスタオル枕の作り方を覚えましょう。バスタオルを四つ折りしたら、うなじに当たる部分を8~10cm折り、畳んだタオルのすき間に入れ込み、頭を乗せたとき、首と枕の間にすき間ができないようにします。
実際に使ってみて、低いと感じたらバスタオル枕の下に折り畳んだ枕を敷き、高さを調節します。丁度よい高さになったら、バスタオル枕の両サイドにロール状に丸めたタオルを1本ずつ置きましょう。寝返りを打って横向きになったときに丁度良い枕になります。
使っている間に形が崩れそうであれば、カバー変わりに上から1枚バスタオルをかけることもおすすめです。
首に負担をかけない使い方
バスタオル枕の効果をしっかり実感するため、正しい使い方を把握しておきましょう。
バスタオル枕を作るときに、首に当たる8~10cmの部分を高く調整しました。この部分にきちんと首を乗せるようにしましょう。頚椎のカーブに緩やかに沿ってフィットするため、首への負担が軽減します。
バスタオル枕の先端が肩部分にくるように、深く頭を乗せるようにすれば首周りをきちんとサポートできるでしょう。頭の重さによる負担が後頭部や首など全体に分散するため、首のみにかかる負担が軽減します。
バスタオル枕のメリットとデメリット
ストレートネックの改善に効果が期待できるバスタオル枕ですが、メリットだけでなくデメリットも知っておくことが大切です。
バスタオル枕は手元にあるタオルで手軽にできるうえ、丸洗いできて衛生的に使えます。自分で高さを自在に調節できる点もメリットです。
しかし、バスタオルで作っているため一般的な枕に比べ反発力は弱いです。使っているうちにヘタってきて固くなり、高さが変わってくるところがデメリットです。
さらに、せっかく形を整えたバスタオル枕が睡眠中に崩れてしまうことも多く、そのたびに作り直さなければならない手間もあります。バスタオルがごわついていれば肌触りも悪く、寝心地も悪くなるでしょう。
こまめにメンテナンスすることに抵抗感がない人や、清潔感を重視する人にはおすすめです。
長く使うならオーダーメイド枕がおすすめ
既製品の枕の中から選ぶことが難しければ、自分だけのオーダーメイド枕を作ってみてはいかがでしょうか。自分の体を計測し、数値に合った枕を作れるため、自分にぴったりフィットする枕が手に入ります。
定期メンテナンスを受けたり、自宅で適切な管理をしたりすれば長期間使用できるため、一つの枕を長く愛用したい人にはおすすめです。
オーダーメイド枕と既製品の違い
オーダーメイド枕は、自分の体のパーツの高さ・大きさをきちんと測ったうえで、自分だけにぴったり合うように作られた枕です。後頭部や頚椎のカーブにしっかりフィットした枕ができるため、ストレートネックの改善に大いに役立つでしょう。
立った状態・あお向けになった状態・寝返りをうって横になった状態など、さまざまな角度から専門家が判断してオーダーメイド枕を作ります。さらに、多くのオーダーメイド枕は定期的なメンテナンスを行っており、高さの微調整が可能です。
一方で既製品は、個人の体に合わせた調節は行われていません。自分1人でぴったりの枕を見つけることは時間がかかるうえ、失敗する可能性も高いでしょう。
好みの柔らかさや素材を選べる
枕の高さだけでなく、素材や質感まで好みに合わせられるところもオーダーメイド枕の特徴です。
包み込むような柔らかい枕が好みであれば、弾力性に富んでおり、吸湿・通気性のある羽根素材や、フィット感の高いウレタンフォームの素材がよいでしょう。
固い枕が好みであれば、馴染みのあるパイプ素材やそばがら、頭をしっかり支える安定感のあるマルコビーンズなどがおすすめです。
季節に合わせて素材を考えると、オーダーメイド枕はより快適になります。夏は通気性の高いパイプ素材、冬は吸湿性と放湿性があり乾燥に強い羽根素材がおすすめです。
適切なメンテナンスをすれば長期間使える
どんなに丁寧に調節した枕でも、使い続けていけばぴったりの枕ではなくなります。枕そのものがヘタってしまうこともあれば、使う人の体格や体調が変化することもあるでしょう。
オーダーメイド枕の多くは購入後も長期メンテナンスを行っています。高さの微調整のほか、中材や生地などのパーツ交換も可能です。
自宅でできるメンテナンスもこまめに行えば長持ちします。枕によって管理方法は異なりますが、洗剤で手洗いしたり、洗濯機に入れて洗ったりすることで清潔感を保てるでしょう。
枕の素材によっては、洗剤の種類や洗い方、乾かし方に指示があります。きちんと守ってメンテナンスすれば、年単位で使えるでしょう。
おすすめのストレートネック専用枕 3選
既製品の中にも、ストレートネックを改善する効果が期待できる枕はたくさんあります。自分の体の大きさや好みになるべく近いものを選べば、快適に使用できるでしょう。
おすすめのストレートネック専用枕を三つ紹介します。
ニトリ 首をしっかり支える枕(首フィット)
肩・首・背中の負担を和らげるようにデザインされた枕であり、ストレートネックに悩む人におすすめです。首に当たる部分は調節が可能なため、自分に合った高さに変更できます。手洗いが可能なため、常に清潔な状態をキープすることが可能です。
価格も手ごろなため、気軽に試せるところもメリットといえます。
MyeFoam 低反発枕
人間工学に基づいて作られた枕であり、独特なデザインが特徴です。後頭部を支え、頚椎のカーブにしっかりフィットするなだらかな形状が、首の負担を軽減します。
あお向けだけでなく、寝返りを打ったときの姿勢も想定して作られているところもポイントです。横向きになっても肩が圧迫されないため、肩を丸めずリラックスして眠れるでしょう。フィット感を高める低反発ウレタン素材を使用しています。
AYO 安眠枕
カバー生地には100%の綿素材、詰め物にはポリエステルを使用した枕は通気性が高く快適です。弾力性と復元力に富んでおり、頭の重量をしっかり支えるため首の負担を軽減でき、首・肩コリに悩む人におすすめできます。
洗濯機で丸洗いできるため、家庭でのメンテナンスが簡単である点もポイントです。
まとめ
自分に合った枕を見つけることは、ストレートネックを改善するための大きなカギになります。手軽にできるバスタオル枕や長期的に使えるオーダーメイド枕、優れた既製品の枕から、自分に合ったものを見つけましょう。