枕の選び方や使い方で腰痛を改善!高さ・素材・面積など選ぶポイントを紹介
枕は快適な睡眠に欠かせません。自分に合わない枕を使っていると、身体にさまざまな不調を引き起こす原因となります。なかでも長年辛い「腰痛」に悩まされている人は多いのではないでしょうか。寝起きに腰痛に襲われたり、寝ているときに腰痛で目が覚めたりする人もいます。ここにたどり着いたということはあなたも腰痛で悩んでいるのではないでしょうか。
辛い腰痛の原因、実は枕にあるかもしれません。枕と腰痛にはどんな関係があるのか、また腰痛を防ぐためにはどんな枕を使ったらいいのか、わかりやすく解説していきます。
腰痛と枕の関係とは
腰痛というと漢字からもわかるように“腰”に起こっている不調で、枕は首の下に置くものなので一見関係ないと思っている人も多いのではないでしょうか。
人間の中心部にある“背骨”は首から腰まで一本で繋がっています。そのため背骨のどこかに歪みが出てしまうと、それが腰の不調に繋がってしまうことがあります。腰は人間の身体のなかでも特に負担のかかりやすい部位でもあります。例えば歩いているときも座っているときも、立っているときも多くの場面で腰を使いますよね。
また枕が合わないものを使っていると、睡眠時の寝返りができなくなってしまいます。人間は寝ている間に約20回の寝返りを打っています。人間の睡眠は約90分の周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。レム睡眠は一部が休んでいる浅い眠りの状態です。ノンレム睡眠は脳が休んでいる状態になります。睡眠時の75%がノンレム睡眠になり、25%がレム睡眠になります。寝返りはノンレム睡眠のとき、つまり深い睡眠のときに打っているといわれており、眠りが浅いままだと寝返りが打てなくなってしまいます。
寝返りが少ないと長時間、一点の場所に体重がかかり負荷がかかってしまっていることになります。寝返りをきちんとできていると、体重を支える身体の位置が自然と変わるので、一箇所に負荷がかかる心配がありません。寝返りが打てない状況だと腰に重点がかかってしまうので腰痛の原因になります。寝返りを打たないで同じ姿勢のままでいると、腰周辺の筋肉も固くなり凝った状態になってしまいます。枕と腰痛には密接な関係があることもわかっていただけたのではないでしょうか。
実は腰痛に悩む人は女性に多い
腰痛というと高齢の方に多いものだと思われがちですが、実際は20代の若い世代にも腰痛で悩む人が増えています。そして、腰痛に悩んでいる人は男性よりも女性に多いといわれています。女性のほうが筋肉量が少ないため腰痛の症状を感じやすいためです。猫背になっていたり、特に日中長時間同じ姿勢を取っているデスクワークで運動不足になっていたりと、さまざまな原因で腰痛になってしまうこともあります。
腰痛の原因がはっきりとわからないことも多く、日常的に痛みを抱えている人もいれば、定期的に痛みが来る人、たまにしか腰痛がない人などさまざまです。また腰痛には精神的なストレスが原因に関係していることもあり、日常的にストレス過多の環境にいると腰痛などの痛みを強く感じやすくなるともいいます。
腰痛を改善したいなら枕を見直そう
腰痛の症状を改善したいのであれば、枕を見直すことが大切です。なかでも重要なのは「枕の高さ」です。枕の高さを見直すだけでも腰痛が改善されることもあります。
理想的な枕の高さにするためのコツを紹介する前に、人によってその高さが違うことを忘れてはいけません。布団から5cm前後がちょうどいいと感じる人もいれば、3cmといった低めの枕がいいと感じる人もいます。市販の枕では枕の高さを調整できないので、万人に合う枕とはいえません。自分にあった理想的な高さの枕を見つけることが大切です。
では3つの観点から枕を見直してみましょう。
1. 枕の「素材」を見直す
枕の高さはもちろん、素材についても見直す必要があります。例えばウレタンやそば殻、羽毛、ポリエステルなど素材によっても寝心地が大きく変わります。
ウレタン製の枕は「低反発枕」として販売されているものが多く、触った瞬間に手のひらの形が残るぐらいのものというとわかりやすいのではないでしょうか。頭の形や重さに合わせてフィットするので寝心地の良さに定評があります。
ただ腰痛で悩んでいる人の場合はウレタン製は避けたほうが無難です。高い枕の状態から低い枕に調整するのは難しく、合わなかったときに使えなくなってしまいます。逆に低い枕であればタオルなどを使って高さを調整するのは簡単です。高い枕だとこの調整ができなくなってしまうこともあり、ウレタン製は避けるべきといわれているのです。
2. 「面積が広め」の枕にする
安定して寝返りを打つためには、枕の面積にも注目してみてください。枕の幅が狭いと寝返りをするたびに、頭が枕から落ちてしまいます。無意識のうちに落ちないようにして肩や首周辺に力が入ってしまうこともあります。
枕から頭が落ちてしまうと、横向きの体勢で寝続けてしまうことも多く、腰に負担がかかります。寝返りをしたときに頭が落ちないようにするためには、幅の広い枕を選ぶようにしてくださいね。目安の幅として頭3つ分ぐらいの大きさの枕が理想的です。
朝起きたときに枕から頭が落ちている人や、幅の狭い小さな枕で寝ている人は面積の広いものを見直してみてもいいかもしれません。
3. 性別によっても理想の枕の高さが違う
枕の幅の高さは1cm程度のものから6cm程度の高さまで、さまざま用意されています。性別や体型、その人の体格によっても、理想の枕の高さは異なります。
例えば女性の場合は平均3cm程度の枕の高さを好む人が多いのですが、男性の場合は平均4cm程度の枕の高さを希望する人が多いです。体重が重い人はその分頭部や肩に重みもあるので枕が沈み込みやすくなりますので、少し高めの枕のほうが相性がいいこともあります。猫背気味の人は背中に丸みがあるので1cm程度高い枕のほうが寝やすい場合も。枕は人それぞれ違うからこそ、枕を探すのはとても大変です。
理想的な枕の高さを見つけるコツ
枕の高さが大切とは言いつつも、自分にあった高さを探すのはなかなか大変です。以下の手順で、理想の枕を探してみてください。
- 理想的な枕の高さを知るために、まずはベッドに寝転がり、枕ではなくタオルを折りたたんで頭の下に置きます。
- 目線がまっすぐ上ではなく少し下になっているのを確認してみてください。目線が上すぎても下すぎても、枕の正しい高さとはいえません。真正面よりも若干下を向いている状態がベストです。これが枕の理想の高さになります。
- タオルを抜き出してその高さと同等の枕を探してみましょう。
実際に寝てみて理想の枕の高さを見つけることが大切です。
枕の正しい「使い方」で腰痛の悩みを解消する
枕の選び方はもちろん、正しい使い方によっても腰痛の改善に繋がることもあります。
そもそも枕の正しい使い方はどういうものでしょうか?大抵の人は、枕のうえに頭を置いて使うと思っているのではないでしょうか。頭の下に置くものだと思っている人も多いと思います。一見間違えているようには見えない方法なのですが、この状態では首の下に隙間ができ、枕によって首の部分を支えられておらず、肩と首を緊張させた状態になり、負荷がかかってしまいます。
枕の高さがあっている枕を使っていても、使い方が間違っていれば、腰痛の原因になってしまうことは十分に考えられます。
正しい枕の使い方は、布団と首のカーブにある隙間を枕がしっかりと埋めてサポートしている状態が最も理想的だといわれています。寝ているときの身体の安定もしますし、肩や首などに余計な力が入らない分、疲れにくく睡眠をサポートしてくれます。仰向けの状態はもちろん、横向きのときにも同じで枕が隙間を埋めている状態が理想的です。
寝ているときの姿勢によっても腰痛は起こる
枕で腰痛が起こるのはもちろんですが、寝ているときの姿勢によっても腰痛などの症状が出てしまうこともあります。なかでも一番良くないといわれているのが「うつぶせ寝」です。
無意識のうちにうつ伏せで寝ていて朝起きたときに腰が痛かった…なんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。うつぶせ寝は、腰だけでなく首周辺にも負担をかけてしまい歪みの原因になります。うつぶせ寝は早めに改善する必要があります。
腰に負担をかけずに寝る姿勢として、仰向けのまま膝の下に枕などを置いて寝る方法や横向きで寝る姿勢は腰に負担がかかりにくいのでおすすめです。横向きに寝る場合、抱き枕やクッションなどを使うと、上側の足の膝を前に出すことによってバランスが取れるので、腰にかかる負担が少なくなります。
寝ているときの姿勢のポイントは、背骨が本来あるべき正しい位置にあることです。引っ張られるような状態だと腰に負荷がかかります。枕と一緒に寝ているときの姿勢も改善していきましょう。また腰の部分にバスタオルを使って敷き布団との間を埋める方法もおすすめです。筋肉が頑張ることなく腰の反りを維持できるようになるので、自然に背中の筋肉を緩めることに繋がります。
まとめ
腰痛で悩んでいる人はとても多く、その原因がはっきりとわからないことも少なくありません。枕や寝具などを見直すことで腰痛の症状が緩和され楽になることも十分に考えられます。
合わない枕を使っている人は、高さや硬さ、面積なども含め、一度見直してみてはいかがでしょうか。睡眠の質の向上にも繋がり、朝起きたときにすっきりと目覚められるはずですよ。
辛い腰痛でずっと悩み続けるよりも、少しでも改善して毎日の睡眠を高めていきましょう。そのためにも枕選びはとても重要です。