枕の臭い対策は?考えられる原因と対処法、おすすめの枕カバー・消臭スプレーも紹介
枕が臭く、快眠が得られないと感じている人も多いのではないでしょうか。特に、30~40代になると、枕は臭いやすくなる傾向にあるといわれます。臭いの原因として考えられることを理解し、効果的な対策を施しましょう。
枕が臭う?臭いと感じる原因とは
枕が臭くなる原因は、雑菌・皮脂・カビなどが考えられます。それぞれについて、詳しく見てみましょう。
汗やよだれが原因の雑菌
夏の暑い時期には、頭からも発汗します。枕の中にしみ込んだ汗の水分は、そのままにしておくと湿気としてこもり続けます。
汗自体は基本的に無臭であるため、臭いの直接的な原因にはならないと考えられます。しかし、頭皮や肌に存在する雑菌も汗と一緒に枕へ移り、湿気などの影響で増殖し、臭いを放つことがあるようです。
また、口が開いた状態で寝ていると、外から雑菌が入ってきやすいため、口を開けて寝ている間に垂れやすいよだれも、雑菌を多く含みやすい状態となっています。
皮脂や加齢臭も原因のひとつ
頭皮の皮脂は、雑菌のエサになりやすいほか、皮脂自体が酸化することによっても臭いの原因になり得ます。
枕に付着した皮脂は、一晩で酸化が始まるともいわれており、酸化した皮脂は不快な臭いを放ち始めます。
男女問わず30代以降になると発生しやすくなるといわれる加齢臭も、枕が臭う原因になりやすいでしょう。
加齢臭の明確な原因は人それぞれ断定できないものの、ストレスをため続けることで体内に発生するアンモニアが、汗と混ざり体外へ放出される際の臭いではないかという一説もあります。
なお、ストレスの増加は皮脂の分泌量を増やすともされているため、日頃からストレスをためやすい人は、皮脂と加齢臭で枕が臭いやすくなるとも考えられるでしょう。
知らないうちに発生したカビも
枕が臭う原因の1つとしては、いつの間にか発生したカビも挙げられます。湿気がたまりやすい枕の中は、カビが繁殖するのに適した環境です。
寝ている間に頭を乗せていることで、枕の中の温度が上がると、湿度も上昇します。さらにカビが繁殖しやすい状態になり、知らないうちにカビだらけになることもあるでしょう。
頭皮から付いた汗や皮脂も、カビが発生する原因になりやすい要素の1つです。女性の場合は、メイクの汚れもカビの原因になります。
枕が臭うときの対処法について
枕ができるだけ臭わないようにするためには、枕のカバーや本体を洗ったり、髪の毛をしっかりと乾かしたりすることが重要です。それぞれの対処法を詳しく解説します。
基本の方法は、枕カバーを洗濯する
枕カバーには、頭から出る汗・皮脂・フケなどから、枕本体を守る役目があります。枕が臭わないようにするためには、枕カバーをこまめに洗うことが大事です。
臭い始めてから洗うと、臭いが落ちにくくなります。2~3日に1回を目安に洗うようにすれば、臭いが取れやすくなるでしょう。
枕カバーを選ぶ際は、こまめな洗濯に耐えられる、強度の優れた素材の商品がおすすめです。枕の側生地も、取り外せるなら週に1回程度は洗濯しましょう。
洗濯をしない日でも、朝にカバーを取り外して干しておけば、雑菌の繁殖を抑えられます。時間に余裕があれば、出勤前に干して出かけることをおすすめします。
枕本体を干して乾燥させる
枕カバーだけでなく、枕本体のケアも重要です。枕カバーから浸透した汗の湿気をできるだけ取り除くために、週1回を目安に干して乾燥させましょう。
中材がウレタン素材の場合は、多くの商品が側生地からウレタンを取り出せます。昼間の日陰干しで乾燥させましょう。
羽毛枕など、中材が取り出せない枕は、干す前にもみほぐすことで内部の通気がよくなります。日陰干しともみほぐしを何度か繰り返せば、効率よく乾燥させられるでしょう。
このように、日陰干しで乾燥させて枕本体の湿気を取ることで、枕内部の雑菌が繁殖するのを抑えられます。
眠る前に髪の毛をしっかり乾かす
髪の毛が濡れたまま寝ると、枕のカバーや本体が湿気をより多く含み、雑菌が繁殖しやすくなります。
また、髪の毛を生乾きの状態にしていると、頭皮にも雑菌が増えやすくなります。髪の毛は臭いを吸収しやすいため、そのまま寝ると枕にも臭いが移りやすくなるでしょう。
特に、入浴後すぐに就寝するようなケースでは、しっかりと髪の毛を乾かしてから寝ることが重要です。
入浴後はできるだけ早めに乾いたタオルで髪の毛の水分を吸収し、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。頭皮に雑菌が繁殖することを抑えられます。
枕を丸洗いして臭い対策
枕本体を丸洗いできれば、臭い対策としてとても有効です。洗濯機・手洗いそれぞれの洗濯方法を紹介します。
洗える枕かチェック
枕の中には、丸洗いできるものがあります。洗濯機で洗えるものと、手洗いのみ可能なものがあり、枕に付いている洗濯表示で確認できます。
洗濯可能な素材は、ポリエステルの綿・ビーズ・パイプ・ダウンなどです。これらの素材には洗えないものもあるため、素材だけで判断しないようにしましょう。
洗濯できない素材は、低反発ウレタンやそばがらなどが挙げられます。誤って洗濯してしまうと、素材本来の機能を失う恐れがあるため注意が必要です。
本体の丸洗いは、枕の臭い対策に大きな効果が期待できます。自分の枕がどのような素材かを確認し、洗えるようならこまめな洗濯を心がけましょう。
枕の洗濯方法 洗濯機編
枕カバーを外し、枕本体を洗濯ネットに入れます。目立つ汚れがある場合は、洗剤をこすり付けて汚れを浮かせておきましょう。
洗濯機には水を張っておき、枕を入れる前に洗剤をよく溶かします。粉末洗剤は溶け残りが枕に付着する恐れがあるため、液体洗剤の使用がおすすめです。
手洗いモードやドライモードなど、優しく洗えるコースを選択して洗いましょう。脱水後に枕を取り出し、中身が偏っている場合は外側から手で軽く叩くように整えます。
乾かす際は、天日干しまたは陰干しで乾かします。枕は乾くのに時間がかかるため、時々上下を逆にするなどして、全体にまんべんなく陽があたるようにするのがポイントです。
枕の洗濯方法 手洗い編
洗濯機が使用不可の場合や、洗濯機で洗うのが不安な場合は、手洗いで洗うのがおすすめです。
手洗いの場合は、枕が入るサイズの桶や洗面器などを用意します。枕カバーを外し、目立つ汚れには洗剤をこすり付けておきましょう。
容器にぬるま湯を張り、洗剤を溶かしたら、枕をぬるま湯に入れます。洗剤が枕の内部までしっかりと浸透するように、端の方からゆっくりともみほぐします。
洗い終わったら、枕から洗剤が泡立たなくなるまで、水を数回入れ替えながらよくすすぎましょう。脱水の際は、バスタオルで水分を取れば、乾くまでの時間を短縮できます。
日常からできる予防法とは
枕の臭いが気になる場合は、日頃から行える対策も取り入れてみましょう。誰でも実践しやすい予防法を、以下に3つ紹介します。
健康的な生活習慣を心がける
枕の臭いは、体から出る臭いが大きな原因の1つです。生活習慣を見直せば体質改善につながり、臭いの元となる汗や皮脂の分泌量を抑えることが期待できます。
皮脂が出やすくなる脂っぽい食事は、できるだけ控えることが大切です。体温が上がり汗をかきやすくなる、肉類中心の食事も見直してみると改善がみられるかもしれません。
魚に含まれる油は、サラサラの汗になりやすいといわれています。積極的に魚を食べれば、臭いが少ない健康的な汗をかけるようになる可能性もあります。
適度な運動も心がけながら、健康的な生活を意識すれば、体から出る臭いが改善され、枕の臭い対策にもつながります。
シャンプーなど加齢臭対策をする
枕が臭う原因としては、体から出る加齢臭が枕に移ってしまうことも挙げられます。ある程度の年齢に達していれば、加齢臭対策をすることも重要です。
入浴の際に、頭と髪の毛をシャンプーなどでしっかりと洗い、余分な汗や皮脂が残らないようにしましょう。
ただし、皮脂には雑菌の繁殖を抑える役目もあるといわれているため、洗い過ぎは逆効果になる恐れがあります。髪の2度洗いなどはしないほうが無難です。
近年は、加齢臭に対応したデオドラント商品も、数多く販売されています。自宅用・外出用と使い分けながら、頭と髪のケアに努めましょう。
枕パッドで予防する
枕カバーは枕本体を守るためのものですが、一般的な枕カバーは汗などの湿気を吸収してしまうため、臭いを防ぎきれません。
そこでおすすめなのが、枕カバーの上からかぶせて使用する枕パッドです。汗だけでなく、臭いの原因となる物質を吸収する商品も数多く販売されています。
枕パッドは丸洗いできるため、数枚常備しておけば毎日きれいな状態で使えます。臭いがしない枕で毎晩眠りにつきたい人は、枕パッドの購入も検討してみましょう。
洗濯だけでは取れない臭いはどうする?
枕カバーについた臭いは、洗濯だけでは取り除けないこともあります。なかなか落ちない臭いに対し、試す価値のある方法を知っておきましょう。
酵素系漂白剤を使う
枕の臭いや汚れがなかなか落ちない場合は、酸素系漂白剤を使用してみましょう。一般的な洗剤売り場で入手できます。
取れにくい臭いや汚れも、酸素系漂白剤を使えば、ある程度は落とせる可能性があります。酸素系漂白剤は塩素系と異なり、色落ちしにくいことも特徴です。
容器に記載されている分量や使用方法を正しく守り、洗濯機を使い通常通りの方法で洗濯しましょう。
浸け置き洗いも有効
通常の洗濯で臭いが取れなかったり、洗濯を繰り返すことで臭いが落ちにくくなったりした場合は、浸け置き洗いも試してみましょう。
洗面器などに枕カバーが浸る分量のぬるま湯を入れ、洗濯1回分の洗剤と酸素系漂白剤を溶かします。酸素系漂白剤は、溶けやすい液体タイプがおすすめです。
枕カバーを浸したら、約1~2時間浸け置きします。濃い色を使用した枕カバーは、漂白剤により色落ちする恐れがあるため、目立たない部分で事前に色落ちの確認をしておきましょう。
時間が経ったら、浸け置きした枕カバーと浸しておいた液を、そのまま一緒に洗濯機へ入れます。その後、通常通りに洗濯すれば完了です。
手軽に臭い対策 おすすめ枕カバー3選
水洗い可能なおすすめ枕カバーを3点紹介します。それぞれの特徴や魅力をチェックし、商品選びの参考にしましょう。
AYO 枕カバー
吸水性・発散性・通気性に優れた、綿100%の枕カバーです。生地には色あせしにくい活性染色技術が利用されているほか、抗菌防臭加工や防ダニ加工も施されています。
洗濯機で丸洗いできるため、臭い対策もしやすいでしょう。常に清潔な状態をキープできます。
素材には高品質の綿を厳選し、高密度に編み込まれているため、優しい肌触りを実現していることも特徴です。香りなどの刺激も少なく、健康的な素材を探している人に向きます。
構造はシンプルな封筒式を採用しているため、日頃の洗濯や手入れに便利です。3種類のサイズと、15色のカラーから、気に入ったものを選べます。
トゥルースリーパー セブンスピロー オリジナルカバー
通販番組で人気を集めている低反発枕『トゥルースリーパー セブンスピロー』の専用カバーです。特徴的な形に設計されているセブンスピローにピッタリはまります。
使用されている生地は、汗を吸いやすいパイル地です。抗菌防臭加工が施されており、洗濯できるため洗い替え用にもおすすめできます。
ゴムが入っており、かぶせるだけで取り付け・取り外しが可能です。洗濯する際も楽に扱えるでしょう。
サイズはシングル・セミダブル・ダブルの3種類から、カラーもリラックスブルー・クラシックアイボリー・ハピネスピンクの3色から選べます。
タオル工場ぷかぷか タオル地の快眠枕カバー
心地良いタオルの感触が得られる枕カバーです。コットン100%の厚手タオル地を使用しています。
一般的なタオルでは裏表両面に出ているパイルを、表面のみに出しているため、約2倍の密度により肌触りのよさと持続力が増しています。
高い吸湿性を発揮しやすいことも、高密度パイルの特徴です。寝汗だけでなく、よだれや皮脂など臭いの原因になるものも吸収します。
着脱はかんたんで便利なボタン式で、洗濯もしやすいでしょう。製織から縫製まで、全工程を日本国内で行っていることも、安心できるポイントです。
時間がないときに おすすめ消臭スプレー
枕を洗う暇がない場合は、手軽に臭い対策ができる消臭スプレーの使用が便利です。おすすめの商品を、以下に3点紹介します。
ライオン トップ SUPER NANOX 除菌・消臭スプレー
除菌や消臭だけでなく、抗菌・抗カビ・ウイルス除去にも効果を期待できる、衣類・布製品用の除菌・消臭スプレーです。
複数のウイルス種で除去試験を実施した結果、高い効果を得られることが確認されています。除菌・消臭・防カビ効果は、枕の臭い対策に有効です。
ほのかなミンティーグリーンの香りが含まれていますが、香りは残りにくいタイプです。100%天然ハーブ『ティーツリーオイル』も配合されています。
枕の臭い予防だけでなく、カーテン・カーペットなどの布製品や、車内のマット・シートなどへの使用もおすすめです。洗濯物に使えば、乾くまでの菌の増殖抑制にも役立ちます。
小林製薬 無香空間 空気と布の消臭ミスト
空気と布の臭い対策に効果を期待できる、無香タイプの消臭ミストです。除菌成分の塩化ベンゼルコニウムを配合しているため、高い除菌効果が期待できそうです。
布にしみ込んだ臭いには、直接スプレーすることで、臭いの元に分解・除去作用が働きます。空気中の臭いには、マイクロミストが素早く広がり消臭効果を発揮するでしょう。
枕をはじめ、ソファーや衣類などの布製品に使用すると効果的です。内容量は約400ml、約770回スプレーできます。
- 商品名:無香空間 空気と布の消臭ミスト
- Amazon:商品ページ
花王 リセッシュ 除菌EX プラス
天然緑茶消臭成分を配合し、香りが残らないタイプの除菌ミストです。衣類・布製品の除菌、空間にただよう臭いの消臭などに効果を期待できます。
2020年3月にリニューアルし、皮脂臭予防効果がさらに高まっています。中和消臭技術と皮脂酸化ブロック技術により、汗や皮脂の臭いをダブル防臭してくれることが魅力です。
枕・布団・マットレスに使用する場合は、約20回のスプレーで消臭・除菌効果が得られるでしょう。衣類やスポーツ用品に使用する場合は、約15回のスプレーが目安です。
タバコや焼肉などの臭いの原因物質に対する特許消臭技術『デオドライザーZ』も採用しています。内容量は約360ml、約420回スプレーできます。
まとめ
枕が臭く臭う原因は、雑菌やカビなどが挙げられます。寝ている間に体から移る汗・皮脂・加齢臭も、臭いの原因となる大きな要素です。
臭い対策として、枕のカバーや本体を洗ったり、生活習慣の見直し・加齢臭対策を行ったりするとよいでしょう。枕パッドでの予防も効果的です。
水洗いできる枕カバーや、手軽に消臭・除菌できるスプレーなどの購入も検討しながら、ライフスタイルに合った臭い対策を実践しましょう。