枕を乾燥機にかけるのは危険?正しい洗濯方法と汚れを防ぐコツを紹介
枕が乾燥機にかけられるかどうかは、基本的に枕の素材が『洗えるもの』か『洗えないもの』かによって変わります。たとえ乾燥機にかけられる枕でも慎重に洗濯した方がよいケースもあります。枕の洗濯方法の違いや汚れを防ぐコツを見ていきましょう。
半年に1度は枕を洗って清潔に
日々の眠りに欠かせない存在ともいえる枕ですが、洗濯の頻度は人によって違いがあります。また枕カバーは頻繁に洗濯しているものの、枕本体のお手入れをしていないという人も珍しくありません。
枕のお手入れは『半年に1度』を目安に行うとよいとされます。枕のお手入れに関する基本的な知識を解説します。
枕は思った以上に汚れている
枕は睡眠時に顔や頭部が直接触れるため、無意識のうちに汚れてゆくものです。主な汚れに寝汗・皮脂・フケなどがあります。
汚れを放置すると黄ばみやシミ汚れが残りやすくなるだけでなく、カビやダニなどが発生する原因となる可能性もあります。
さらに、汚れた枕を毎日使用し続けることで、頭皮や顔の皮膚トラブル・不快感などを引き起こすこともあるようです。
枕本体は半年に1回、枕カバーは週に1回は洗うようにしましょう。洗えない素材の枕の場合は、天日干しや陰干し、クリーニングなど、それぞれ適切な方法でお手入れすることで清潔な状態を保ちましょう。
洗濯機は使わない方がベター
枕を洗うときは洗濯機の使用はできるだけ避ける方がよいでしょう。
枕に使用される素材のなかには、水を吸うことで枕本体が非常に重くなるものがあります。また誤って洗濯機で洗ってしまうことで洗濯機が異常振動を起こす・脱水が止まる可能性もあるのです。
洗濯機によっては枕の洗濯をNG指定しているものもあります。洗濯機で洗える枕を除き、基本的には洗濯機ではなく手洗いによるお手入れがベターです。
枕は安心な手洗いがおすすめ
枕のお手入れは自分の手で直接洗う『手洗い』がおすすめです。枕を手洗いするときのチェックポイントを見ていきましょう。
手洗いできる素材かどうか確認
まずは手洗いできる素材の枕かどうか確認することが大切です。種類によっては手洗いのみならず水洗いができないものもあります。
一般的には手洗いできるといわれる素材を使っていても、販売元によっては枕の機能やデザイン、水洗い不可の素材が合わせて使用されているなどの理由で、手洗い不可の枕もあります。手洗いなら大丈夫と思い込むのではなく、しっかりチェックしましょう。
さらに、同じ手洗い可能な素材であっても、手洗いの方法に制限があるケースもあるので注意しましょう。たとえば「40℃まで・弱い手洗いがよい」など温度や洗うときの強弱に気をつけないといけない場合があるのです。
枕をダメにしないためにも、手洗い前に『洗濯タグ』や『取り扱い説明書』をチェックしておきましょう。
枕全体を揉むようにして洗う
枕を手洗いするときの基本的な流れは『水(お湯)の用意』『揉み洗い』『すすぎ・脱水』『干す』の4ステップです。
まず洗面台や浴槽に水(表示に応じて適温のお湯)をはり、中性洗剤を適量入れます。洗剤で手荒れをすることもあるため、気になる人はゴム手袋を着用するとよいでしょう。
枕本体を入れてよく浸します。枕を手洗いするときのポイントは『揉むようにして洗う』ことです。押したり揉んだりを繰り返し、内部の汚れをしっかりと揉みだしましょう。
洗剤が残らないようにしっかりとすすぎます。最後に脱水して干せば手洗い完了です。
洗濯機で枕を洗うなら
枕の素材によっては洗濯機の使用がOKなものもあります。洗濯機で枕を洗うときは、どのようなことに注意するとよいのでしょうか?具体的なポイントを解説します。
まず洗濯機OKの素材かどうか確認
基本的に『ポリエステル綿』『パイプ』『ビーズ』などは、洗濯機で洗えるものが多いです。
枕の種類によっては水洗い・洗濯機の使用を推奨していないものもあるため、洗濯前に必ず洗濯タグをチェックします。
反対に『羽毛』『そばがら』『高反発・低反発ウレタン』が使われている枕は、洗えないケースが多いです。
なお、枕を洗濯機で洗うことによって、洗濯機が故障するリスクが少なからずあります。洗濯可能な枕であっても、枕のサイズが大きく、洗濯機に合わないと予想される場合は避けることが賢明です。洗濯機で洗濯する際はリスクを理解した上、自己責任で洗いましょう。
必ずネットに入れて洗う
枕を洗濯機で洗うときは、必ず『洗濯ネット』に入れて洗うようにしましょう。
そのままの状態で洗濯すると、洗濯機内にファスナーや生地がひっかかり、枕の劣化などを引き起こす可能性もあります。枕だけでなく洗濯機が故障するというケースもあります。
ネットに入れて洗濯した場合でも、異音や大きな音が聞こえたら洗濯機を一度止めましょう。洗濯ネットから枕が飛び出し、洗濯機に何らかの影響を及ぼしている可能性があります。
乾燥機OKの表示もチェック
枕によっては乾燥機にかけられないものもあります。
乾燥可能なものでも『高温80℃まで』と『低温60℃まで』と2通りの表示があるため、家庭の洗濯機の取扱説明書や乾燥運転時の温度表示を確認することが望ましいです。
乾いた温風で衣類を乾燥させる『ヒートポンプ』は約60℃、低音風で乾燥させる『低音風』は約15℃、湿気を含んだ温風を除湿する『ヒーター乾燥』は約80℃です。
乾燥機だけなら使っても大丈夫?
枕を洗ったものの乾きが甘い・陰干しだけだと乾かした感じがしないことが気になる人もいるでしょう。そんなときに「乾燥機だけなら使っていいの?」と思う人もいるかもしれません。
ここでは枕を乾燥機にかけていいのかチェックしていきましょう。
乾燥だけなら比較的リスクが少ない可能性も
洗濯タグに乾燥機OKの表示があるものであれば、水で洗わずに乾燥機だけかけるのは比較的リスクが少ない可能性があります。
ただし、枕の状態が悪いと乾燥時にダメージを負う可能性があるため、枕の状態によっては乾燥機にかけないことが賢明です。
枕を洗濯機にかけることを推奨されていないのは、枕を洗濯すると吸水して重くなってしまうことが関係しているそうです。
枕素材のなかでもウレタンフォームのような吸水しやすい素材は、水を吸うと重くなり、自重でボロボロと崩れてしまうことがあるといわれています。
このように重くなってしまう枕を洗濯機にかけてしまうと、洗濯・脱水時に重さで洗濯機が故障する危険性が考えられるのです。
ダニ退治に必要な乾燥時間は何分?
枕にダニが発生してしまうこともあります。ダニ退治するためには『50℃以上で20分は乾燥・加熱』するとよいそうです。
乾燥機は50℃以上ものが一般的なため、乾燥機にかけることでダニ退治効果が期待できるといわれています。
ダニ退治のために乾燥機にかけるときは、表面だけでなく中心まで乾燥させるためにも『1時間を目安』に乾燥させましょう。
なお、乾燥機によって設定温度は異なります。取扱説明書や選択表示を確認して、乾燥温度をチェックしておくとよいです。
乾燥中に枕が燃えることがあるって本当?
「乾燥機にかけたものが燃えてしまうことがある」という話をご存知でしょうか?初めて聞いた人は「大丈夫なのか?」と不安に感じたかもしれません。
必ず起きうることではないものの、可能性としては乾燥機で発火が起こる原因として『油がしみこんだ洗濯物の乾燥』が考えられるそうです。
たとえばサラダ油や機械油がきちんと落としきれなかった洗濯物を乾燥機にかけてしまったとします。油が酸化することで発熱し、乾燥による熱が加わることで発火してしまう可能性もゼロではないそうです。
少しでも不安を感じるのであれば、天日干し・陰干しなど自然乾燥を選択するとよいでしょう。
洗えない枕のお手入れ方法は?
洗える枕は洗濯機にかける・手洗いするなどお手入れ方法がありますが、洗えない枕の場合は「どうやってお手入れしたらいいの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
ここでは洗えない枕のお手入れ方法を解説します。定期的にお手入れをして、清潔な状態をキープできるようにしましょう。
水洗いできない素材をチェック
『羽毛』『そばがら』『高反発・低反発ウレタン』『ラテックス』を使用している枕は、洗えないものが多いです。
高反発ウレタンや羽毛の一部は水洗いできるものもあります。そばがら・低反発ウレタン・ラテックスなどを水洗いしてしまうと、素材がダメージを受けてしまうそうです。
寝心地が悪くなるだけならまだしも、最悪の場合枕がダメになってしまう可能性があることも頭に入れておきましょう。
万が一洗えない枕を洗ってしまった場合は、しっかり乾燥させる・カバーをつけて型崩れを防ぐなど、素材に合わせて対処する必要があります。
誤って洗ってしまうことがないように、枕の取扱説明書や洗濯タグを確認しておきましょう。
こまめに干すのがポイント
洗えない枕の基本的なお手入れ方法は、天日干し・陰干しなど『自然乾燥』させることです。
定期的に干すことで湿気・嫌な臭いを取り除けるといわれています。とくに湿気が取り除かれると、ダニやカビの発生を抑制することにも繋がるそうです。
理想は毎日干すことですが、天候やライフスタイルによっては難しいでしょう。最低でも週に1回は干すことを目安にするとよいです。
低反発ウレタン・羽毛・ラテックスなど洗えない枕の素材は、陰干しが適しているといわれています。洗えない枕のなかでもそばがらは、天日干しすることで素材をしっかり乾燥させるとよいそうです。
枕が汚れるのを防ぐ工夫も大切
洗えない枕は汚れがついたときに『洗って落とす』という方法をとれません。そのため、あらかじめ枕に汚れがつかないように工夫することも大切です。
『枕カバー』や『枕プロテクト』をつければ、枕が汚れることを防いでくれます。洗うことができるため、定期的に洗うことで綺麗な状態を保てるでしょう。
枕カバーは通気性や吸水性に優れており、肌触りがよいものも多いです。枕プロテクトは防水性があり、汚れを内部に通しにくいという特徴があります。
まとめ
枕のお手入れとして洗濯機・乾燥機を使用することは、故障のリスクもあることは留意しておきましょう。
例え洗える素材や乾燥機にかけられる素材であったとしても、枕が吸水して重くなることで洗濯機や乾燥機の異常振動・故障などが発生する可能性もゼロではありません。
洗濯タグや洗濯機・乾燥機の表示を確認した上で、利用を検討するようにしましょう。