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高反発枕の魅力を紹介。選び方からおすすめ商品・お手入れ方法まで

高反発枕は寝ているときに正しい姿勢を保ちやすいことから、首や肩がこる人や寝違えやすい人に人気です。ただし素材や形状によって特徴が大きく異なり、寝心地も変わってきます。高反発枕の選び方とおすすめ商品、長持ちさせるポイントを紹介します。

目次

眠りやすい環境づくりは枕から

枕は、眠りやすい環境をつくるために欠かせない寝具の一つです。マットレスや布団も大切ですが、枕の使い方が間違っている状態では『よい睡眠環境』とはいえないでしょう。正しい姿勢から選び方まで、枕にまつわる基礎知識を解説します。

正しい寝姿勢を意識

立っているときや座っているときと同様、寝ているときにも『正しい寝姿勢』があります。自然な姿勢を保てていないときは体に余計な力が入り、首や肩、腰など一部に負担をかけやすい状態です。枕を選ぶ際は、正しい寝姿勢を取れるように、硬さや高さを調整する必要があります。

仰向きの場合、肩口から頭頂までの傾斜が水平から『10~15°』になるように枕の高さを調節しましょう。そこから、あごを『0~5°』引いた形が正しい寝姿勢です。

5°以上引いてしまうと、気道が圧迫されて息苦しくなります。また、肩口から頭頂までの傾斜が10°以下になると、頭が心臓より低くなるため頭に血が上りやすい状態です。

横向きの場合は『頚椎(けいつい)がマットレスと平行になっている状態』に保てるように枕の高さを調節します。仰向きと横向き、どちらの体勢になっても正しい寝姿勢になっているかどうかを意識しましょう。

マットレスと首との間に隙間を作らない

枕は頭を乗せるだけではなく、マットレスや敷布団と首との間にできる『隙間』を埋めるようにして使うのが正解です。頭を支える頚椎は、横から見るとゆるくカーブを描いています。

枕なしで仰向きに寝ると、首とマットレスの間に空間ができている状態です。このままでは、頭の重みが首や肩などの一部分に集中してかかり、筋肉の緊張状態が続きます。長時間同じ体勢でいると、肩こりや寝違え、頭痛につながるかもしれません。

頭の重さは『体重に対して約10%』といわれており、50kgの人は約5kgです。それだけの重さが体の一部にかかり続ければ、負担が生じます。枕を使って敷布団と首の隙間を埋めることで『頭圧』を広範囲へ分散させ、首や肩にかかる負担をやわらげましょう。

高反発枕と低反発枕の違いは反発弾性

高反発枕と低反発枕の違いはどこにあるのでしょうか?『反発』という言葉のイメージに引っ張られて、なんとなくわかったつもりになっている人も多いようです。実は、両者の違いは『反発弾性』にあります。

反発弾性とは、一定の高さからおもりを落としたときに物体が跳ね返ってくる高さの割合のことです。『日本工業規格(JIS)』では、反発弾性が15.0%未満のものを低反発、50.0%以上のものを高反発としています。

枕の反発弾性の違いは、寝心地や寝返りのうちやすさなどに関係してきます。高反発枕と低反発枕のどちらがよいかは個人の好みや体調によって変わるため、一概には決められません。

また、同じ高反発や低反発の枕でも製品によって使っている素材や柔らかさが異なります。店頭などで実際に感触を確かめ、悩みに合ったものを選ぶようにしましょう。

通気性も重視して熱を溜めない

朝まで快適に眠るためには、寝具の通気性も重要です。寝ている間、人の体は汗をかいて体に溜まった熱を放出します。深部体温や脳温を下げて深い眠りを維持しようとしているのです。

成人の場合、ひと晩で200ml程度の汗をかくともいわれています。頭部も汗をかく場所の一つで、枕はひと晩中頭から出る熱や汗を吸収しているのです。

枕の『通気性』や『放湿性』が悪いために熱や湿気がこもったままでは、暑くて寝苦しさを感じるでしょう。また、枕に溜まった湿気が翌日以降も残っていると、ダニやカビが発生する可能性もでてきます。枕を選ぶときは熱や湿気がこもらないような設計や機能にも注目しましょう。

高反発枕のメリット

高反発枕 メリット

高反発枕を使うことで、睡眠中にどのようなメリットが得られるのでしょうか。低反発枕と比べながら、具体的に見ていきましょう。

寝返りがうちやすい

長時間同じ姿勢で寝ていると、一部が圧迫されて血行が悪くなったり、布団に熱がこもって寝苦しさを感じたりします。適度に寝返りうをうつことは、睡眠中の体にとって必要な動きです。

高反発枕は、反発弾性により頭が必要以上に沈み込みません。低反発枕に比べると頭や首を動かしやすく、寝返りをうつのを楽に感じる人も多いでしょう。

体から出る熱や汗も寝返りをうつことですぐに発散でき、敷布団や枕の中にため込まずに済みます。寝返りがうちやすいと特性は、高反発枕の大きなメリットです。

首や肩に負担がかかりにくい

低反発枕や柔らかい枕は包み込むような肌あたりが魅力です。一方で、長時間寝ていると頭が沈み込んでしまうことがあります。その点、高反発枕は、重い頭を乗せても適度な反発弾性で高さをキープすることが可能です。

それだけではなく、頭より軽い頚椎部分は枕によって押し上げられることになります。頚椎は『体の前側にカーブしている(前わん)状態』が自然な形です。

高反発枕を使えば頭が下がりすぎないうえ、頚椎が枕により押し上げられることで理想的なカーブを描いたままの状態で眠りやすくなるでしょう。頭の位置や頚椎のカーブが正しければ首や肩に余計な負荷がかからず、こりや寝違えが少なくなるかもしれません。

高反発枕を選ぶポイント

高反発枕 選ぶポイント

ひと口に高反発枕といっても、さまざまな素材や形状のものが販売されています。使われている素材によって硬さやお手入れ方法が異なるうえ、枕の高さや形状も体型によって向き不向きがあるでしょう。

他人が使ってみてよいと感じたものが、自分も合うとは限りません。後悔しないための枕選びのポイントを見ていきましょう。


硬さで選ぶ

『高反発枕は他の枕に比べると硬めのものが多い』という印象をもっている人も多いでしょう。ただ、硬ければ硬いほどよいというものではありません。硬すぎる枕は首の隙間にフィットしにくく、隙間を十分埋められません。

枕が体にフィットしなければ頭の重みを体外へうまく分散できず、首や肩に負がかかります。正しい寝姿勢ができなくなるばかりか、寝返りもうちにくくなり、高反発枕のメリットを生かせないでしょう。

高反発枕の中には『ジェル』や柔らかめの『ウレタン』を使った商品もたくさんあります。実際に試してみて、自分の頭にしっかりとフィットする硬さのものを選ぶようにしましょう。

体型に合う形を選ぶ

高反発枕は、頭の重みで大きく変形することがありません。最初は少し高めでも、寝ているうちにつぶれてなじんでくる可能性は低いでしょう。

枕が高過ぎても低過ぎても、正しい寝姿勢はとれません。枕の高さはマットレスと体が水平な状態を保てる位置で、あらかじめしっかりと調整しておきましょう。

高さの目安は、頸椎のカーブのすき間がしっかり埋まっている状態で、標準的な体型で『6cm』・小柄で華奢な人は『5cm』・体格がよい人は『8cm』程度です。

枕の高さには、敷布団の硬さも影響します。柔らかい敷布団を使っていると体が沈み込むため、頭の位置が高くなってしまうのです。敷き布団が柔らかめの人は『1~2cm低め』、硬めの人は『1~2cm高め』を設定しておくとよいでしょう。

なお、高反発枕にはフィット感を高めるために首や肩の部分にカッティングを施したものや、高さ調節用のシートが付いているものもあります。同じ高さの枕でも形が変わるとフィット感も変わるため、いろいろなタイプの枕を試してみましょう。

お手入れのしやすさで選ぶ

毎日かつ長時間、頭や顔を密着させている枕には『汗』や『皮脂汚れ』が蓄積します。そのままにしておくと、ダニやカビ、雑菌が増殖して臭いや肌荒れを引き起こすかもしれません。

こまめなお手入れできるかどうかも、購入前にチェックしましょう。衛生面が気になる人は、『水洗い』ができる素材や『抗菌作用』の高い素材を選ぶのがおすすめです。

水洗いできない素材を選ぶ場合は、枕カバーや『枕パッド』を付けて使用します。カバーやパッドをかければ枕の中材の汚れを軽減できるうえ、定期的に洗えば清潔感を保てます。

高反発枕の素材別の特徴とは?

高反発枕 素材 特徴

高反発枕の素材は、『ウレタン』『ファイバー』『ラテックス』の3種類です。それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。

高反発ウレタン

『ウレタン』は、低反発枕にも使用されている素材です。『高反発ウレタン』は、高い弾力性と低反発枕特有のしっとりとした柔らかさを兼ね備えています。

耐久性が高く型崩れも起こしにくいため、長く使えるでしょう。加工が容易なことから、人間工学に基づいて設計したり、異素材と組み合わせたりしやすく独特なデザインのものも多く販売されています。

バリエーションが豊富にあるため、好みに合う枕が見つかりやすいのもポイントです。ただし、ウレタン素材は、一部の商品を除いて水洗いができません。枕を洗濯したい人は『洗えるウレタン』やほかの素材を探しましょう。

高反発ファイバー

『高反発ファイバー』の枕は、太い糸状の素材を組み合わせて作ります。糸と糸の間に隙間がたくさんできるため、通気性がよく熱や湿気がこもりにくいのが特徴です。水洗いも可能で、衛生面を気にする人に人気があります。

高反発ウレタン同様型崩れを起こしにくい上に成形がしやすいことから、頭や首によくフィットするように工夫された商品がたくさん作られています。原料にポリエチレンなどの化学繊維を使っているため、質感は硬めです。

ラテックス

ラテックスの高反発枕には天然ゴムに特有の弾力と、程よい柔らかさがあります。水洗いや天日干しはできませんが、通気性がよく、抗菌・防ダニ作用もあるため衛生的に使えます

ただし、ゴムアレルギーのある人は使用できません。ゴムの匂いが苦手な人も、使用は避ける方がよいでしょう。

使い勝手のよい高反発枕3選

高反発枕 おすすめ

その日の体調や気分によって、枕の高さや硬さを変えたい人も多いのではないでしょうか?また、旅先などでは「自分の枕がないと眠れない」という人も珍しくありません。さまざまな使い方ができる便利な高反発枕を紹介します。

高さの微調整が可能「モットン 高反発まくら」

上下で高低差があり、低い方は3~8cm・高い方は6~11cmとなっています。付属の『高さ調整用シート』を使えば、全部で50パターンもの高さ調整が可能です。上下を反対向きにすることもできます。

敷布団の硬さや頚椎の角度に合わせて細かく調整できるため、体型や使う寝具が変わっても長く使えるでしょう。硬さも『やわらかめ』と『かため』の2種類から選べます。

低反発としても「フランスベッド リバーシブル枕」

『フランスベッド』が開発した『Hotel’s select』シリーズの枕です。高反発と低反発のウレタンを半面ずつ組み合わせたリバーシブルタイプで、気分に合わせて使い分けができます。

すのこのような凸凹とした形状が特徴です。特殊なカッティングにより、ウレタンの柔らかな質感を損なわずに枕の通気性を確保しています。暑い夜も、頭に熱がこもらず、快適な眠りへつなげられるでしょう。

付属の枕カバーの内側には消臭効果が期待できるシートが縫製されており、汗などの臭い対策もできます。カバーは洗濯も可能で、清潔な状態を保ちやすいでしょう。

旅先でも使える「マニフレックス ピロー グランデ」

独自の素材『エリオセル・マインドフォーム(R)』により、どのような体型にもぴったりとフィットするように作られた枕です。500個以上の空気穴を作ることで蒸れにくく軽いうえ、耐久性にも優れています。3年間の長期保証が付いているのは、品質への自信の表れといえるでしょう。

幅45cm×長さ70cmと大きめのサイズにもかかわらず、くるくると丸めて付属の袋にコンパクトに収納できます。スーツケースやボストンバッグに入れやすく、旅行や出張に自分の枕を持って行きたい人に最適です。

タオル地にも使われる『シンカーパイル』素材を使用した、なめらかなベロア生地の専用カバーも付いています。

清潔感を保ちやすい高反発枕3選

高反発枕 清潔感

いつも清潔な枕を使いたい人には通気性のよい素材のものや、簡単に洗濯できるものがおすすめです。清潔を保ちやすい高反発枕を紹介します。

独自素材で湿気を逃がす「エアウィーヴ ピロー S-LINE」

『エアウィーヴ』が開発した独自素材『エアファイバー』を使用した枕です。エアファイバーは90%が空気でできており、非常に軽く通気性にれています。

汗による湿気がこもらず、カビや臭いの心配もありません。汚れが気になるときは、丸ごと水洗いもできます。薄い『エアファイバーシート』が2枚入っており、出し入れすることで好きな高さに調整できるのもポイントです。

通気性抜群の立体構造「西川 エアー3D ピロー」

中央と両サイドに大きさの異なる空気穴を設けた、通気性の高い枕です。中央部分がくぼんでいるため頭が枕に包まれるように安定し、首筋にもぴったりとフィットします。

反対に両サイドは高くなっているため、横を向いたときにも頭部が左右からしっかり安定しやすい形状です。頚椎のラインが敷布団と平行になりやすく、どんな体勢で寝ても首や肩への負担を軽減します。

高さは11cmと13cmの2種類から選べ、高さ調節用のウレタンシートを出し入れすることで、最大3cmまで調節可能です。シートは『全体用(1cm)』と『首・後頭部用(2cm)』で、後者は前後で分割しています。首側だけ下げたいときは、前側のみ下げるなどの微調整ができる点も便利です。

吸放湿に優れたウレタン素材「昭和西川 ムアツ まくらMP8100」

西川で人気の『ムアツシリーズ』で、『本能が選ぶ。』がキャッチコピーです。ムアツと呼ばれる本体部分と、高さ調節用の各1cm・2cmのウレタンシートが付いています。

ムアツ特有の3層構造で、体を『点』で支える構造が特徴です。突起のような凸形状の最上部と凹みにあたる中間層の凸凹が、頸椎のカーブにしっかりフィットします。最下層が体圧を受け止めて分散する仕組みです。

特殊ウレタン素材を使用しており、湿気を吸収して素早く放出します。さらに上2層の凹凸の形状が空気の流れを閉じ込めないため、蒸れにくいのもメリットです。嫌な臭いを発生させる菌にアプローチできる『ポリジン』を素材に加工しています。

高反発枕の寿命を延ばすお手入れ方法

高反発枕 寿命

こだわって選んだ高反発枕は、できるだけ長く愛用したいものです。枕は素材によって洗えるものと洗えないものがあります。『洗濯表示』をしっかりと確認して、適切な方法でお手入れしましょう。枕の寿命を延ばすお手入れのコツを紹介します。

洗濯ができる場合

高反発ファイバーの枕は、基本的に水洗いが可能です。元々通気性がよく汚れにくい素材で、水をかけるだけでも十分きれいになります。

目立つ汚れが付いたときは、少量の中性洗剤を混ぜたぬるま湯や水で、流し洗いをしましょう。揉み洗いや押し洗いをすると変形・変質のおそれがあるため注意が必要です。洗い終えたら水気を切って、風通しのよい日陰で乾かします。

ラテックスの枕にも、一部水洗いが可能な商品があります。ただし、ひんぱんに洗うと変質を早める可能性があるため、汚れが気になるときだけ洗うようにしましょう。

洗い方はファイバー素材とほぼ同じです。中性洗剤を混ぜた水をかけ、汚れのひどい部分のみ優しく押し洗いします。よくすすいだらバスタオルなどで水分を拭き取り、陰干しをしましょう。

洗濯ができない場合

高反発ウレタンは水や熱に弱いため、洗濯や天日干しはできません。枕カバーをこまめに交換し、週に1度程度は風通しのよい日陰で干すと、清潔に使えます。

水洗い不可のラテックス枕が汚れた場合は、固く絞った濡れタオルで汚れを優しく拭き取ります。しつこい汚れは、中性洗剤を薄めた水を布に浸して、固く絞ってから拭いてみましょう。

ただし、本来、ラテックスに洗剤は使えません。どうしても気になるときだけ、試してみることをおすすめします。市販の衣類用洗剤は弱アルカリ性のものも多いため、中性洗剤かどうかも忘れずに確認しましょう。

基本的に、洗濯ができない枕を清潔に保つには『陰干し』が有効です。干すことで枕の内部にこもった湿気を追い出し、しなかったときよりもダニやカビの発生を抑制できます。『枕専用のネット』などを活用し、こまめに干すことを心がけましょう。

まとめ

高反発枕は寝返りがうちやすく、寝ている間に首や肩に負担がかかり続ける状態を減らすサポートをしてくれるでしょう。

反発時の弾力性が高く形が変わらないため、寝ている間に頭が沈み込みません。常に正しい寝姿勢を保てるのも大きなメリットです。

素材や通気性、お手入れのしやすさなどを吟味して、自分にぴったりの高反発枕を見つけましょう。

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