腰痛持ちにおすすめの敷布団5選。選び方のポイントまとめ
「最近、腰痛が気になる」と感じているなら、敷布団の買い替えを検討するとよいかもしれません。寝返りがしやすいタイプや、寝姿勢を保ちやすいタイプを意識して、自分に合うものを探してみましょう。腰痛対策におすすめの敷布団も紹介します。
敷布団が体に与える影響
毎日使用する敷布団は、良質な睡眠に欠かせないものです。体に合わない敷布団を使い続けていると、どのような影響があるのでしょうか。
全身を支える敷布団
敷布団には、眠っている間に『体を支える役割』があります。全身をサポートする寝具だからこそ、快適に眠るためには、自分に合った敷布団を選ぶことが大切です。
自分の体形に合わない敷布団や、古くなった敷布団を使い続けていると、体を正しく支えられない可能性があります。その結果、睡眠の質が低下することも考えられるのです。
例えば、不快感により途中で目覚めてしまったり、眠りが浅くなったり、無理な姿勢で痛みが出たりすることもあります。
睡眠の質は体調にも影響する
体に合わない敷布団を使い続けていると、『ぐっすり眠れない状態』になって睡眠の質が低下しやすいです。睡眠不足が続けば集中力も低下しますし、体調にも影響を及ぼしかねません。
腰痛をはじめ、体に不調を感じるなら、今使っている敷布団を見直しましょう。敷布団を変えて睡眠の質を改善できれば、体調の変化も期待できます。
理想の寝姿勢とは
ぐっすり質のよい睡眠をとるためには、理想の寝姿勢をキープすることが大切です。では、理想の寝姿勢とはどのような姿勢なのでしょうか?
正しい立ち姿勢が理想
立ったときに耳・肩・腰・膝・くるぶしが一直線になる状態を、『正常立位姿勢』といいます。そして、正常立位姿勢をそのまま横にして寝かせた状態が、理想の寝姿勢です。
理想の寝姿勢を保ったまま眠ると、全身の緊張が和らぐといわれています。体の負担が最小限になり、ストレスを感じにくい状態で眠れるそうです。
そのため、快適に眠りたいと考えているなら、理想の寝姿勢を崩さずに横になれる敷布団が役立ちます。
背骨のS字カーブを保つ
正常立位姿勢では、背骨が自然にS字カーブを描きます。このS字カーブを仰向きでキープした状態が、理想の寝姿勢だといえるでしょう。
横向き寝の場合には、背骨と床が真っすぐ並行になる状態が理想といわれています。頭を適切な高さで支え、背骨が真っすぐになる状態です。
このような姿勢を保てると、特定の箇所への負担がかかりにくくなります。就寝時の体の痛みや不快感が軽減し、ぐっすり眠りやすくなるでしょう。
こんな敷布団はNG
睡眠の質を改善するためには、理想の寝姿勢をキープすることが大切だと分かりました。では、理想の寝姿勢をキープできない敷布団には、どのような特徴があるのでしょうか?
自分の敷布団に同じ特徴がある場合には、買い替えを検討した方がよいかもしれません。
硬過ぎる、または柔らか過ぎる敷布団
リラックスした状態で体を休めるには、敷布団に適度な硬さが必要です。硬過ぎても柔らか過ぎても、楽な姿勢を維持しにくいでしょう。
硬過ぎる敷布団は、背中やお尻など特定の箇所に負担がかかりやすくなります。体重による圧力が集中することで、痛みを感じることもあるのです。
一方、柔らか過ぎる敷布団は、体重のかかる背中やお尻が沈み込みやすくなり、寝返りがうちにくくなります。腰も沈みやすいため、負担がかかりやすい姿勢になるでしょう。
くたびれた敷布団
長年使い続け、くたびれた敷布団を使っている場合、理想の寝姿勢をキープできない可能性があります。体重のかかりやすい部分がへたることで、背骨のS字カーブがきれいに保たれないことがあるからです。
その状態で敷布団を使い続けていると、腰への負担が大きくなりやすいといわれています。「腰に痛みを感じるのは、決まって起きたときだ」という場合には、敷布団のへたりが原因かもしれません。
敷布団選びのポイント
敷布団の状態によっては、睡眠中によい姿勢がキープできず、体の痛みにつながる可能性があります。では、どのような敷布団を選ぶと、快適な睡眠がとりやすいのでしょうか?
体圧分散に優れている
圧力のかかりやすい頭・肩・腰などの部分が深く沈み込むと、全身が敷布団に密着するような状態になります。それを緩和する敷布団の第一の条件は、『体圧分散性が高い』ことです。
体圧分散の高い敷布団で眠ると、敷布団全体にまんべんなく圧力がかかる状態を作れます。そうすると、体の特定の箇所にだけかかる負担を軽減できるでしょう。
体圧分散性が不十分で、特定の箇所にだけ負担がかかりやすいと、その部分が痛くなることがあります。体圧分散性が高い敷布団は、負担を軽減することで、痛みや不調になりにくいのです。
一般的には、柔らかい素材でできている敷布団の方が、体圧分散性に優れているといわれています。
腰が沈み込まない
理想の寝姿勢では、背骨がS字カーブを描きます。そのため、腰は沈み込みません。快適に眠りやすくするためにも、『腰の沈み込まない』敷布団を選びましょう。
腰が沈んだままの姿勢では寝返りがうちにくく、寝ている間も腰や背中に負担がかかり続けます。これでは、快適な睡眠とはいえません。
一方、腰が沈み込まず、背骨がS字カーブになる敷布団では、体をしっかり休められます。たかが寝姿勢と思われるかもしれませんが、とても大切なことです。
寝返りがうちやすい
快適に眠るためには、一晩に約20~30回の寝返りが必要だといわれています。適度に動くことで、体に負荷がかかりにくくなるからです。
それを踏まえて、敷布団には『寝返りがうちやすい』ものを選びましょう。高反発で体をしっかり支えるタイプは、寝返りがうちやすくぴったりです。
スムーズに寝返りがうてる敷布団は、睡眠の質も上げてくれます。ただし、慣れないうちは寝心地が硬く感じるかもしれません。
重視するのは反発力
腰の痛みが気になる人の敷布団選びでは、反発力を重視しましょう。硬めと感じる程度の敷布団が、実はちょうどよいということもあります。
適度な反発力の硬めを選ぶ
敷布団選びでは『反発力』が大切ですが、強ければよいというわけでありません。反発力が強過ぎる敷布団は、特定の箇所に体圧が集中し過ぎてしまいます。
選び方のポイントは、『自分にとって適度な反発力』のある敷布団を選ぶことです。適度な反発力であれば、寝返りのうちやすさと体圧分散性が両立します。迷ったときは、実際に寝てみて『少し硬め』に感じるものを選ぶとよいでしょう。
寝たときの気持ちよさだけに注視すると、柔らかめの敷布団を選びたくなるかもしれません。しかしそれでは、腰が沈み過ぎて寝返りがうちにくくなってしまいます。特に、腰に痛みを感じやすい人には向いていません。
寝返りが多い人は低反発もアリ
適度な寝返りは、快適な睡眠にとって大切な要素です。しかし、寝返りが多い人の場合は、高反発の敷布団が向いていないケースもあります。多過ぎる寝返りは、睡眠を妨げるからです。
寝返りが原因で眠りが浅い人や、家族から寝返りの多さを指摘される人は、適度に体が沈み込む低反発の敷布団を選ぶのもよいでしょう。体にしっかりフィットする低反発の敷布団によって、余計な寝返りを減らせるかもしれません。
厚みがあるものがおすすめ
就寝中に正しい姿勢をキープするには、ある程度の厚みがあり、全身を支えられる敷布団がおすすめです。
薄過ぎる敷布団は床つき感があり、肩甲骨や腰などが圧迫されることがあります。そのまま使用し続けると、腰の痛みが悪化することもあるかもしれません。
全身をしっかりサポートする敷布団を選ぶには、『約7cm以上』の厚みがあるタイプが向いています。
腰痛持ちにぴったりの敷布団5選
日頃から腰痛が気になっている人は、具体的にどのような敷布団を選ぶとよいのでしょうか?さまざまなアイテムがある中から、特におすすめの5アイテムを紹介します。
アプロディーテ 寧々敷き布団 超ボリューム 極厚タイプ シングル
厚さ約10cmの敷布団が、体をしっかり支えます。十分な厚みにより床つき感が気になりにくいため、正しい寝姿勢をキープしやすいでしょう。
約3kgの固綿と、固綿を包み込む約2kgの中綿による3層構造も、バランスのよい適度な硬さを実現している理由です。
寝心地のよさはもちろん、清潔さにこだわった中綿を使用している点も魅力といえます。
例えば、吸汗・速乾性に優れている性質により、眠っているときにかく汗をしっかり吸収し、起床後はスムーズに乾燥できるため、湿気によるカビやダメージの予防が可能です。
防ダニ加工によりダニが繁殖しにくい環境も整っています。さらに、気になる臭い対策として『抗菌防臭加工』も施されているのが特徴です。
アイリスオーヤマ エアリー敷き布団 シングル ASF-S グレー
3次元スプリング構造のエアロキューブにより、理想の寝姿勢をキープしやすい敷布団です。高いクッション性がありながら、体圧分散性も優れているため、腰に負担が集中するのを防げます。
高反発の素材のため、沈み込みをさまざまな方向からサポートするのもポイントです。しっかり支えられるため、スムーズに寝返りをうちやすいでしょう。
耐久性の高さも、このアイテムのメリットです。長く使い続けていてもへたりにくいため、いつまでも理想の寝姿勢や寝返りのしやすさを保ち続けます。約7cmの厚みも、十分体を支えてくれるでしょう。
お手入れのしやすさも魅力です。シャワーで洗える敷布団のため、自宅で汚れを落とせます。
マニフレックス イタリアンフトンII シングル
独自開発の高反発フォーム『エリオセル』を中芯として使用している敷布団です。背中・腰・お尻にかけてのカーブに寄り添いつつ、適度な反発力もあるため、腰が沈み込み過ぎることがありません。
体が触れる表面部分には、エリオセル・ソフトを使用しています。中芯のエリオセルよりもふんわりとした質感で、優しく包み込むような寝心地です。
この寝心地はいつでも変わらず、横になった瞬間に感じられます。エリオセルの硬さは、温度に影響されないため、1年中安定して体に寄り添うのです。
また、エリオセルの体圧分散性を発揮しやすいように、側生地はストレッチ性のあるダイヤモンド・ウェーブ・キルトという仕上げで行われています。
ニトリ 点で支える体圧分散 敷布団 シングル
凹凸の構造になっているこの敷布団には、『約1500個の点』があります。この点が体をサポートすることで、腰にかかりやすい体圧を全体に分散する仕組みです。
程よいクッション性と復元性を併せ持つ、硬さ285Nの高硬度ウレタンを使用していることも大きな特徴です。これが、快適な寝姿勢の保ちやすさにつながっています。
ウレタンは頭部・腰部・脚部の3分割です。場所によってウレタンへの負担のかかり方が違うため、定期的に入れ替えましょう。負担のかかりやすい場所だけへたることを防ぎ、長く使いやすくなります。
敷布団は3分割になっているので、起床後に立てかけておくのにも便利です。W字の形に折り曲げ、立てておくだけで湿気を逃がしやすくなります。
雲のやすらぎプレミアム マットレス シングル
高反発スプリングマットを凹凸アルファマットで包み込む『クロスクラウド製法』により、高い体圧分散性を実現したアイテムです。さらに、厚さ約17cmの極厚敷布団が、優しく体全体をサポートします。
腰に負担のかかりにくい構造で、ふんわり浮かんでいるような寝心地のよさを感じられるでしょう。
快適さが長く続くのも魅力です。内側の高反発スプリングマットにより、敷布団全体がへたりにくくなっているため、心地よさが長続きします。
温かなウールの面は秋冬に、防ダニや防臭加工で清潔をキープしやすいポリエステル素材の面は春夏にと、季節によって使い分けられる点も魅力です。季節に合わせた素材で、より快適に眠りやすいでしょう。
敷布団以外でも快眠対策を
理想の寝姿勢をキープして、快適に眠りやすい状態を整えるためには、敷布団以外にも対策をするとよいかもしれません。
敷布団と同時に他の寝具も見直すことや、寝心地を改善するアイテムをプラスすることも、検討してみてはいかがでしょうか。
枕も買い替える
さらに快適に眠りやすい姿勢を整えるためには、枕の買い替えを検討する必要があるかもしれません。首のカーブをちょうどよく支える枕を使うと、背骨の自然なS字カーブをキープできるからです。
横になると、首と敷布団の間には隙間があきます。枕は、この隙間をぴったり埋める高さのものを選ぶとよいでしょう。目安は、男性は約2~5cm、女性は約1~3cmほどの高さを快適と感じやすいそうです。
ただし、目安の高さが参考になるのは、仰向きで寝る人に限られます。横向きで寝る人の場合は、首の骨と床が並行になる高さの枕を選びましょう。
大きさは使い心地を参考にして、好みで選びます。広々使いたい人や、寝相が悪い人は大きめサイズが使いやすいでしょう。
腰の下にタオルを敷く
敷布団に横になったときに、腰と敷布団の間に隙間があいていると、理想の寝姿勢が崩れやすくなります。そのようなときには、バスタオルがあると解決できるかもしれません。
特に、お尻が背中よりも出ている体形の人に向いている対策です。
まず、腰部分の隙間がちょうど埋まる厚さになるよう、バスタオルを細長く折ります。そして、敷布団に敷き、この上で眠るのが理想です。背骨が正常立位姿勢の状態に近づき、違和感を感じにくくなります。
寝返りがスムーズにうちやすくなる点もメリットです。適度な寝返りがうてるようになり、腰への負担が軽減されやすくなるでしょう。
トッパーを使い厚みを出す
敷布団が薄過ぎる場合や、硬さやサポート力が合わないと感じている場合には、トッパーを使用するとよいでしょう。今使っている敷布団の寝心地を改善できます。
薄過ぎる敷布団の床つき感を軽減したいなら、厚さ約5cmのトッパーがぴったりです。程よい厚みが出ることで、体全体を支えられます。
硬めのトッパーを選ぶとサポート力が高まり、柔らかめのトッパーを選ぶと体圧分散性を改善できます。今使っている敷布団の寝心地に合わせて、自分に合うタイプを選びましょう。
まとめ
腰痛対策で大切なことは、寝ているときに理想の姿勢をキープすることです。立っているときの正しい姿勢と同じ状態を、寝ているときにも作れるような敷布団を選びましょう。
ポイントは、背骨のS字カーブをキープするための体圧分散性と、スムーズな寝返りのための程よい硬さです。寝たときに少し硬めに感じることを基準に、自分にとってベストの敷布団を見つけましょう。
枕を見直すことや、トッパーをプラスするのもよい方法です。さらに手軽な対策として、バスタオルを使う方法もあります。自分に合う寝具やアイテムで、つらい痛みを改善しましょう。