腰痛持ちに合うマットレスは硬め?柔らかめ?選び方のポイントとおすすめ商品8選
腰痛に悩んでいると「寝苦しい」と感じる夜もあるかもしれません。腰痛の原因には個人差があるものの、マットレスなどの寝具を一新することで悩みが軽減される可能性もあります。腰痛持ちの人がマットレスを選ぶときのポイントをチェックしましょう。
腰に負担をかけるマットレスとは?
腰痛に悩む人は多いものです。原因は1つに断定できませんが、『マットレスが身体に合っていないこと』が関係している可能性もあります。
腰のS字カーブが保てない
自分の身体にフィットしないマットレスを漫然と使い続けることで、適切な寝姿勢を保ちにくくなり、腰に負担をかけやすくなる可能性もあると考えられるそうです。
人の身体を横から見ると背骨(脊柱)が『S字カーブ』を描いています。頭から胸まで、胸から腰にかけてと2つのS字カーブがあることで重さのある頭や上半身を支えることができ、なおかつ自然な立ち姿=リラックスした状態を保てるといわれているのです。
マットレスが身体をしっかり支えられないと、腰周辺のカーブやバランスが崩れてしまい、体の重さを支えられないことで腰や周辺筋肉に負担をかけてしまうこともあるといわれています。
体重が特定の部位に集中する
マットレスの硬さが合わないと、身体の重みがうまく分散されず一定のポイントに集中することがあるようです。
硬すぎると、比較的重みのある腰・背中などの一定ポイントに体重が集中して圧迫したり、腰のくびれ部分に隙間ができたりして負担がかかってしまうといわれています。
柔らかすぎると、腰・背中が深く沈みやすく眠るときの姿勢が乱れて『くの字型』になることで圧迫してしまう可能性があるそうです。
圧迫された部位が血行不良を起こし、痛みやこりを発生させてしまうこともあると考えられています。
寝返りが打ちにくい
マットレスが身体に合わなかったり状態が悪かったりすると、快適な寝返りを妨げてしまう可能性があるといわれています。
寝返りが打ちにくいマットレスとして考えられるものは、柔らかすぎる・硬すぎる・へたっているなどがあげられるでしょう。
人は一晩で約20回は寝返りを打つそうです。寝返りの主な役割は同じ部位に体圧がかかるのを避け、血液循環の滞りを防ぐ・体温の調整・寝具内の温度を保つ・熱や水分の発散の調整などがあるといわれており、快適な睡眠に欠かせない動作といえます。
仮に寝返りを打てないまま就寝時間を過ごすと、同じ部位が圧迫され続けることで痛みや違和感などを覚えることもあるそうです。
寝返りは、睡眠中に同じ体の部位が圧迫され続けることで、その部位の血液循環が滞ることを防ぎ、体の負担を和らげるために生理的におこなわれる体の動きなのです。そのほか寝返りには体温を調節する・寝床内の温度を保つ・熱や水分の発散を調節するといったはたらきがあります。
寝具と寝相、寝返りの関係|厚生労働省
身体に負担が少ないマットレスの特徴
自分に合ったマットレスを使用しないと身体に不要な負担をかけてしまう可能性があるため、マットレス選びは慎重に行いましょう。
身体の負担が少なく、自然と心地よく過ごせるマットレスを選ぶポイントを紹介します。
寝姿勢をキープできる
背骨のカーブには個人差はあるものの、一般的にS字状のカーブを描いています。睡眠時もこのS字カーブを保てるマットレスを選ぶとよいといわれています。これは『理想の寝姿勢』としばしば例えられているものです。
仰向きで寝る人は立っているときと近い姿勢、横向きで寝る人は背骨と床が平行になるような姿勢をイメージして保つとよいでしょう。
寝姿勢をキープすることで身体に負担がかかりにくくなり、腰痛を引き起こす可能性も軽減するといわれています。常に理想の寝姿勢を保つことは難しいものの、快適に眠るためにも可能な範囲で取り組むとよいでしょう。
体圧分散ができる
一般的に『体圧分散』ができるマットレスは体に負担がかかりにくいといわれています。体圧分散とは身体にかかった圧力を分散させる機能のことをいいます。
人の身体は頭や背骨、腰などの部位が突出していることで凹凸があります。マットレスに横になったときに、突出している部位は他の部位と比べると体圧がかかりやすいことがわかっています。
体圧分散に優れているマットレスは、突出している部分にフィットして体圧が身体全体にかかるようにしてくれるそうです。これにより身体への負担がかかりにくいと考えられています。
腰痛持ちは硬め・柔らかめ、どっちがおすすめ?
腰痛持ちの人は腰の痛みが気になって眠れない夜もあるでしょう。自分に合うマットレスを探す際に悩みがちなのが『マットレスの硬さ』ではないでしょうか。
人によってベストな硬さは異なりますが、自分に合うマットレスの硬さを選ぶポイントを紹介します。
寝返りを打ちやすいのは「硬め」「高反発」
人は眠るときに寝返りを何度も打つことがわかっています。腰痛があると寝返りを打ちにくいと感じる人も多く、余分な力をかけずに寝返りを打てるマットレスを選ぶことは重要なポイントといえるでしょう。
柔らかいマットレスと比べると、硬めや高反発のマットレスのほうが寝返りを打ちやすいといわれています。
特に高反発マットレスは反発力が強く、身体の重みや動きを受けたときにはね返してスムーズな寝返りをサポートしてくれるそうです。
硬めのマットレスは硬さによる反発力があることで、身体をしっかり支えてくれます。体重がかかりやすい部位の沈みも控えめで、寝姿勢を保ちやすいこともメリットといえるでしょう。
柔らかめは身体への負担が少ない?
一般的に『低反発ウレタン』のような柔らかめのマットレスは体圧分散がよいものが多く、身体への負担が少ないと考えられています。
柔らかいマットレスは身体の形に沿うように形を変えるため、ふんわり身体を包みこむような特徴があります。そのため腰・背中など一定のポイントに負担をかけにくいと考えられているのです。
ただし、硬めのマットレスと比較すると反発力が低めで、特定の部位が沈んだり寝返りが打ちにくかったりすることもあることは知っておくとよいでしょう。
体重に合わせたマットレス選びも重要
マットレスを選ぶときには体の重さを考慮しておくとよいでしょう。ここでは体重とマットレスの関係や選び方のポイントを見ていきましょう。
体重によって沈み具合が変わる
同じマットレスを使用したときに体重が重い人と軽い人では、重い人のほうがマットレスの沈みが深くなることはイメージできるのではないでしょうか?
体重が重めの人が柔らかいマットレスを使用すると、身体が沈みすぎてしまい寝姿勢が崩れて負担がかかってしまうといわれています。
反対に体重が軽めの人が硬いマットレスを使用すると、体圧分散の効率が悪くなり特定の部位に負担がかかることが予想できるそうです。
ぐっすり眠れる可能性を高めるためにも、自分の体重に合わせたマットレス選びが重要といえるでしょう。
体重が軽い人はポケットコイル向き
体重が軽い人はフィット感がある『ポケットコイルマットレス』向きです。
コイル(バネ)が1つひとつ袋(ポケット)に包まれた状態で配列されて土台を作っており、コイルが個々に動くことで身体とマットレスがぴったり合うような柔らかめの寝心地といわれています。
体重がかかりやすい部分を独立したコイル1つひとつが支えてくれることで、体圧分散にも優れているものが多いです。
ただし、コイルが袋に包まれていることで通気性や耐久性はあまり高いとはいえない一面もあります。通気口があるものを選ぶ・使用する面を定期的に入れ替えるなど工夫して使うとよいでしょう。
体重が重い人はボンネルコイル向き
体重が重い人は耐久性が高い『ボンネルコイルマットレス』向きです。
らせん状のコイルが連なるようにして土台を作っており、敷布団のような硬めの寝心地で安定感があります。ポケットコイルマットレスと比べると頑丈な作りで、身体が沈み込むのを防いでくれるでしょう。
反発力が強めで寝返りを打ちやすいこともポイントです。ただし、硬すぎるものは身体に負担がかかるため、自分に合う硬さかどうか確かめておくとよいでしょう。
オーダーマットレスという選択肢もある
「自分に合うマットレスを選ぶのは難しい」「市販されているものでは合わない」という人はオーダーメイドでマットレスを作るのも手です。
オーダーメイドマットレスの魅力とはどんなものがあるのでしょうか?
体型は一人ひとり異なる
背骨や腰のカーブが強い人がいれば、フラットな人やお尻のカーブが強い人がいるなど、体型は人によって異なるものです。
量産品は「身体が大きな男性向け」「身体の負担を軽減したい人に向いている」などざっくりとした対象をとっているものが一般的で、必ずしも自分の体型に合うものが見つかるとは限りません。
一方、オーダーメイドであれば自分の体型に合わせて適切な硬さ・配列でマットレスを作成することができます。腰痛対策や手入れのしやすさなど「こんなものが欲しい」というこだわりを希望することもできるでしょう。
身体の各部位を測定しオーダー可能
オーダーメイドマットレスの作成はカウンセリングと測定から始まります。普段使用している寝具や身体の不調などを相談した上で、測定したデータと合わせたマットレスを作成してくれるのです。
身体の各部位を細かく測定してくれるため、自分に最適なマットレスが手に入ることはオーダーメイドならではの魅力といえるでしょう。
作成したマットレスはその場でフィッティングします。必要に応じてその場で微調整してくれることに加えて、店舗によっては寝心地に満足できなかった場合の補償がついているところもあるそうです。
オーダーメイドマットレスは量販店で販売されているものよりも高価なため、アフターサービスまでチェックしておきましょう。
高反発マットレスのおすすめ4選
高反発マットレスは反発力の高さを活かして、しっかり安定感のある寝心地を叶えてくれるでしょう。
ここでは腰痛に悩む人におすすめの高反発マットレスを紹介します。
GOKUMIN プレミアム高反発マットレス シングル
高密度ウレタンを使用した高反発マットレスです。
厚さ5cmと薄型のマットレスですが、体圧分散に優れ適切な寝姿勢をサポートしてくれるといわれています。三つ折りで収納できる専用カバーを活用すれば持ち運びや収納も便利です。
マットレスには『竹炭』が配合されています。消臭・調湿・抗菌効果が期待できるため、快適な就寝環境を整えてくれるでしょう。
エムリリー 優反発シリーズ 11cm シングル
『優反発』はマシュマロのような柔らかさと体をしっかり支えてくれる反発力を合わせ持つエムリリーの独自素材です。
柔らかい寝心地を叶えつつも、スムーズな寝返りをサポートしてくれるといわれています。どんな体型でも理想的な寝姿勢を得ることができることも魅力です。
独自の二層構造の採用と空気穴を設けていることで、一般的な高反発マットレスよりも通気性が向上しているといわれています。蒸れを感じにくく快適な眠りへ導いてくれるでしょう。
タンスのゲン 「純」高反発マットレス シングル 3つ折り
純度の高い素材を使用することでウレタン特有の臭いを軽減している高反発マットレスです。厚み10cmとボリュームがあるため、1枚使いでも体が床につくような底付き感がないといわれています。
適度な反発力で体圧を均一にしつつ寝返りをサポートしてくれるため、腰の痛みに悩む人でも快適に使えるそうです。
カバーは風通しのよいメッシュ生地と肌触りのよいパイル生地があります。洗濯ネットに入れれば洗濯OKなためお手入れもかんたんです。
SLEEPMADE マットレス 高反発 シングル 敷布団
希少価値の高い『高弾性ウレタン』を採用しており、高い弾性を持つマットレスが体を優しく支えてくれるため、まるで無重力に浮かぶような寝心地が魅力といわれています。
へたりにくく耐久性が高いこともポイントです。長期にわたり安定した寝心地をキープしてくれるため、長く使えるマットレスを探している人に向いています。
厚さ4cmと薄い作りではありますが、高弾性ウレタンの特性によりホテルライクな眠りを叶えてくれるでしょう。
ポケットコイルマットレスのおすすめ4選
ポケットコイルマットレスは柔らかめの寝心地が好みの人におすすめです。腰の痛みに悩む人でも使いやすいポケットコイルマットレスをチェックしましょう。
日本ベッド シルキーポケット ウール入り レギュラー シングル
一般的なポケットコイルマットレスはコイルを400〜650個程度のところ、こちらのマットレスは1200個ものコイルを使用しています。優れた体圧分散と包まれるような心地よい柔らかさを実現しているマットレスです。
通気性・吸湿性の高い素材を使用することに加えて、マットレスに通気穴(ベンチレーター)を取り付けることで蒸れを抑えて気持ちよい使い心地になるように考えられています。
また、コイルを独自の熱処理していることで、ポケットコイルマットレスの弱点である耐久性を向上していることも注目ポイントです。
無印良品 超高密度ポケットコイルマットレス・シングル
日本の職人が1本ずつ手作業で製作したというコイルが超高密度で配置されています。体の動きに合わせてフィットしてくれるため、まるでオーダーメイドしたかのような心地よい寝心地を満喫できるでしょう。
無印良品の商品ならではのシンプルなデザインも魅力の1つです。どのような部屋やインテリアでもマッチしてくれるでしょう。
なお、こちらのマットレスはコイルの強度を均一にすることを目的に表面がキルティング加工されていません。マットレスを守るためにもカバーやベッドパッドを使用しましょう。
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フランスベッド ラ・ドゥーゼム ポケットコイルマットレス シングル
フランスベッドは日本人の好みに合わせた商品作りにこだわる国産ベッド・マットレスメーカーです。
こちらのマットレスは体の動きにきめ細かく対応するポケットコイル仕様で、使う人を選ばないベーシックな使い心地といわれています。
腰痛に悩む人の中にはマットレスから起き上がるのも一苦労という人もいるでしょう。こちらのマットレスは『エッジサポート』加工されており、マットレスのサイドが頑丈な作りになっています。毎日の寝起きの度に腰掛けてもへたりにくいため安心です。
ニトニトリ Nスリープ ハード H1-02CR シングルマットレス
二層構造のポケットコイルマットレスです。上段は体の形にフィット、下段は体圧を支える仕様です。どちらも硬めのポケットコイルを使用していることで、適切な寝姿勢を保持するサポート力があるといわれています。
詰め物にはウレタンを使用していることで、クッションのようなふかっとした感触も併せ持っています。硬すぎず柔らかすぎない理想の寝心地を叶えてくれるでしょう。
表面のニット生地は防臭・防ダニ・抗菌加工でマットレスの衛生を守っています。
まとめ
腰痛の原因はさまさまです。必ずしもマットレスが原因とは断定できませんが、「腰や背中の違和感が気になるようになった」「寝起きがスッキリしない」ようになるなど不調を感じるようであれば、マットレスを見直してみるとよいかもしれません。また、自力で解決できない場合は専門家や医師の診断を受けることをおすすめします。