ポケットコイルマットレスの機能・魅力・相場は?おすすめ商品・選び方も紹介
ポケットコイルマットレスは正しい姿勢で眠りにつきやすく、満足のゆく睡眠が得られると人気です。繊細なつくりゆえに高価格帯の商品が多い傾向ですが、高品質で長く愛用できるものもあります。幅広い価格帯のおすすめ商品を紹介します。
ポケットコイルマットレスとは
マットレスは大きく6種類に分類されます。中でも人気の高いポケットコイルマットレスはぎっしりとコイルがつまった構造であり、重みもあります。手間をかけてつくられるために高価格なものが多くみられますが、どのような特徴があるかみていきましょう。
独立したコイルが配列されたマットレス
ポケットコイルマットレスは、マットレスの中のコイルが連結していない点が特徴です。個々に独立して体重を支える構造になっており、横になると適度に沈み込んでゆきます。
振動がマットレスに広がりにくいため、人と一緒に寝ていても寝返りが気にならない点がメリットです。
コイルは一つずつ袋詰されている
ポケットコイルマットレスのコイルは、個別にして筒状の袋にいれられています。マットレスの中に立てて隙間なくぎゅっと敷きつめることで、しっかりとした弾力が生まれるのです。
一般的なポケットコイルマットレスは、一つのマットレスの中に約500個以上のコイルを使用しています。
ボンネルコイルマットレスとの違い
ポケットコイルマットレスとよく比較されるものとしては、ボンネルコイルマットレスが挙げられます。構造が異なるため弾力性に差があり、寝心地も大きく異なるため混同したり、間違えて購入しないよう注意が必要です。
ポケットコイルマットレスとボンネルコイルマットレスの違いについて解説します。
ボンネルコイルはコイルが連結
ボンネルコイルマットレスは、使用されているバネがすべて連結しているところが特徴です。繋がったコイルスプリングが全面で人の体を支えるため、マットレスの寝心地も固めに感じられるものが多いでしょう。
体を点で支えるポケットコイルの方が快適
ボンネルコイルマットレスもポケットコイルマットレスを比較すると、体をコイル一点一転で支えるポケットコイルの方が快適な寝心地を得られる傾向があります。
ボンネルコイルマットレスは部分的な沈み込みが小さく、体にフィットしにくいと感じる人もいます。
一方、コイルが独立しているポケットコイルマットレスは、負荷がかけられた箇所が細かく沈み込むため、体を包み込むようにフィットします。仰向き姿勢で寝たときの背骨や、寝返りを打ったときの肩など、体の凹凸もしっかりサポートするのです。
価格はポケットコイルの方が高め
価格帯で比較すると、ポケットコイルマットレスの方がボンネルコイルマットレスよりも高額になる傾向があります。シングルで、ポケットコイルマットレスの価格帯が約2~4万円、ボンネルコイルマットレスの価格帯は約1~3万円程度です。
こちらはおおよその目安であり、スプリングコイル以外に使用されているウレタンや綿、ラテックスなどの素材によって価格は変動します。
ポケットコイルマットレスが評価される理由
同じコイルを使っている場合でも、ポケットコイルマットレスの方が高く評価される傾向にあります。体を横たえたときのフィット感や静かさなど、寝心地のよさが人気を集めているのです。
ここではポケットコイルマットレスのメリットについて解説します。
体にフィットし、寝心地がいい
ポケットコイルマットレスは、体にフィットするように自然に沈み込むため、寝心地よく感じるところが特徴です。
人の寝姿勢の理想はまっすぐ立ったときの姿勢であるため、仰向きになったときに背骨が自然なS字カーブを描き、横向きになったときには首から腰にかけて一直線になっているとよいとされます。
ポケットコイルマットレスは人の体重と凹凸に合わせ柔軟に形を変えゆくため、正しい寝姿勢で横たわることが可能です。体がリラックスすることで、快適な睡眠を実現しやすい状態となります。
きしみが少なく、振動が伝わりにくい
ポケットコイルマットレスはスプリングコイルが独立しているため、振動や衝撃がマット全体に広がりにくいところがメリットです。誰かと一緒に寝ていても、お互いの寝返りが気になりません。
また、スプリングコイルが袋に詰められていることでコイル同士が接触することがなく、嫌なきしみ音が発生しにくい所も特徴です。金属特有の嫌な音が気になるという人も安心して使えます。
ポケットコイルマットレス選びのポイント
ポケットコイルマットレスにも、数多くの商品があります。同じポケットコイルマットレスでも使われている素材やコイルのタイプ・数によっても寝心地が変わるということはよくあります。
自分好みのマットレスを選ぶために着目しておきたい三つのポイントを紹介します。
自分に合った寝姿勢が取れるか
まず確認したい点は、自分に合った寝姿勢が取れるかどうかです。腰や背中、首が自然なカーブを保てるか、不自然に力が入らないかを確認しましょう。
仰向き状態では姿勢よくまっすぐ立った状態をキープしたまま寝ている状態、横向きの場合は背骨が一直線になっている状態であれば理想的な寝姿勢だといえます。
寝返りが楽にうてるかどうかも大切です。体の凹凸に沿ってマットレスが形を変えれば、不自然に肩を丸めたり腰が浮いたりせず、スムーズに体勢を変えられるでしょう。
コイル数が多いか
ポケットコイルマットレスに使われているコイル数が増えれば増えるほど、体重を支える点が増えます。体の凹凸に対し、よりきめ細やかにマットレスが沈み込むようになるため、柔らかく寝心地のよいマットレスになるのです。
もちろん好みの寝心地には個人差がありますが、体へのフィット感は高まります。ただし、コイル数が増えるほどコストも増えるため、高額になる傾向がある点には注意です。
線径の太さがどのくらいか
ポケットコイルマットレスの寝心地は、線径の太さによっても変わります。スプリングコイルの素材はピアノ線の元にもなっている鋼線であり、鋼線の口径によってスプリングコイルの弾力が変わってくるのです。
線径が太いと負荷を跳ね返す力が強くなるため固い質感になり、細いとしなやかで柔らかい質感になります。
自分の好みの寝心地に合った線径を選ぶとよいでしょう。
ポケットコイルマットレスの相場は?
ポケットコイルマットレスの魅力を知ったことで、購入を検討したいという人もいるのではないでしょうか。寝心地よく体への負担も少ないポケットコイルマットレスは、繊細につくられている分、価格が高くなってしまう傾向があります。
低価格のものは高価格のものと比較すると気軽に試しやすい利点があるものの、デメリットも存在します。ポケットコイルマットレスの相場と低価格商品のデメリットについて確認しておきましょう。
シングルで1万円程度から10万円以上と幅広い
ポケットコイルマットレスは大量のスプリングコイルを使用しており、構造も複雑であるため高額になりがちです。
シングルサイズの低価格帯では1万円前後から販売されていますが、人気のあるものは最低でも4万円程度、高級品になると12万円程度にまで跳ね上がります。
平均的な材質・機能を備えたベーシックなものでも8万円前後かかり、マットレスの中でも比較的高額なのです。
他のマットレスより価格は高め
シングルサイズのマットレスを比較してみると、ポケットコイルマットレスの価格は高額であることが多いです。
ポピュラーな素材である高反発ウレタンでできたマットレスは、シンプルなつくりであるため安価です。安いもので2万円程度、高いものでも8万円程度におさまります。一般的には4万円前後で手に入る商品が多いでしょう。
天然素材のラテックスを使用したマットレスは原価が高く、どの商品も10万円前後の価格帯になってしまいます。それでも、高級なポケットコイルマットレスの価格帯には届きません。
品質が低いものだとデメリットも
ポケットコイルマットレスは高額になりがちなため、つい価格を優先して品質を妥協してしまいたくなるかもしれません。しかし、低品質なポケットコイルマットレスは寝心地が悪かったり、使い続けていると体のトラブルを招くケースもあるため注意しましょう。
個々に独立した数多のスプリングコイルを使っている特性上、質の良い素材を使用していなければ短期間でスプリングが劣化し、マットレスの反発力が失われてゆくため、高価格帯のものに比べ長持ちしにくい傾向にあります。
ポケットコイルマットレスを長持ちさせるコツ
ポケットコイルマットレスを購入したあとは、なるべく大切に使って長持ちさせたいものです。ポケットコイルマットレスの特性を頭に入れておけば、どのような管理が適しているかわかります。
ポケットコイルマットレスを長持ちさせるためのコツを理由と合わせて紹介します。
一部分に負荷をかけない
ポケットコイルマットレスはスプリングコイルが独立しているため、1カ所に集中して負荷がかかればスプリングコイルが早く劣化してしまいます。いつも同じ体勢で寝ているのであれば、同じ場所に体重がかかってマットレスが凹み、歪みやすくなります。
マットレスの1点に負担をかけすぎないよう、定期的に寝る位置をローテーションすればマットレスのへたるスピードを緩やかにすることが可能です。3カ月もしくは6カ月に一度はマットレスの向きを変えてみましょう。
また、頭側と足側、表面と裏面をひっくり返して交互に使用するなど工夫することで、マットレスが長持ちします。
湿気対策をおこなう
マットレスの湿気を放置してしまうとカビやダニが発生したり、繊維が傷んだりスプリングの錆びつきが起きたりしてマットレスの寿命が短くなります。
ポケットコイルマットレスはスプリングコイルが個々に袋詰めされており、通気性が低くなりがちです。そのため、商品内にはマットレスに湿気を逃がすためのベンチレーターが取り付けられており、風通しを良くしています。
それでも、マットレスは風通しの悪い壁際に配置されることが多いため、人の寝汗や梅雨の湿気がこもりやすい状態です。除湿シートを敷いたり、頻繁に寝室を換気するなど湿気対策を行いましょう。
低価格帯のポケットコイルマットレスおすすめ3選
品質のよいポケットコイルマットレスが欲しいものの、金額面でなかなか手が出せず迷っているという人も多いのではないでしょうか。
低価格帯設定のポケットコイルマットレスの中にも、十分な品質をもった商品はたくさんあります。高級品に備わっている品質に及ばずとも、ポケットコイルマットレスの魅力を十分に体感できるでしょう。
お手頃価格のポケットコイルマットレスの中でもおすすめの商品を三つ紹介します。
無印良品 高密度ポケットコイルマットレス
シンプルで使い勝手のよい家具が揃う無印良品では、比較的リーズナブルなポケットコイルマットレスが手に入ります。シングルサイズのマットレスに数多くのスプリングコイルを敷き詰め、正しい寝姿勢をキープすることが可能です。
寝返りをうったときにも体の負荷に合わせてコイルが沈むため、楽に姿勢を変えられます。
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※スモールはこちら
GOKUMIN プレミアムスプリングマットレス
シングルサイズのマットレスには496個もの大量のスプリングコイルが使われており、体重を分散させ体を安定して支えます。
通気性が低くなりがちなポケットコイルマットレスの特徴をカバーするためコイルを並行配列し、さらに3Dメッシュ生地を採用して風通しのよさを確保しました。
高密度のウレタン素材を使用しており、底つき感も感じさせません。しっとりとした柔らかな寝心地を求める人におすすめします。ポケットコイルマットレスの中では驚くほどの低価格設定も魅力的です。
VENUS BED 国産ポケットコイルマットレス
敷き詰められているコイルスプリングは高品質なピアノ線材を素材に作られており、マットレスの弾力性と耐久性を高く保っています。体を優しく支えるため、体に余分な力が入らずリラックスして眠れるでしょう。
体重によってかかる負荷を分散させるため、床ずれしにくい点も特徴です。採用されている綿には防臭・抗菌加工が施されているため、衛生的に使うことができます。
10万円以上の高級ポケットコイルマットレス3選
10万円以上の高級なポケットコイルマットレスを三つ紹介します。品質が高く、各メーカーで独自の機能を備えたものばかりです。
多少値が張っても睡眠にとことんこだわりたいという人は、検討してみてはいかがでしょうか。
日本ベッド シルキーポケット
スプリング線径をそれぞれ調節することで、マットレスの固さを変えた商品がこちらです。固いマットレスが好きな人はハードタイプ、横向きで寝ることが多い人には沈み込みが深いソフトタイプ、普通の固さを求める人にはレギュラータイプが用意されています。
シングルサイズでも15万円以上の価格ですが、しっとりとした肌触りで心地よい睡眠が確保できるでしょう。自分好みの寝心地にとことんこだわりたい人におすすめです。
シモンズ ビューティレストプレミアム ゴールデンバリュー
ブランド寝具メーカーであるシモンズのオーソドックスなマットレスであり、同社のベストセラー商品です。
詰め物による弾力ではなく、純粋なスプリングコイルの強さでマットレスの弾力を生み出しています。心地よい反発力があるマットレスであり、ある程度の固さを求める人におすすめです。表面には特殊ポリエステル綿を使い、柔らかな触り心地を実現しています。
シングルサイズ約18万円、セミダブルサイズ約19万円です。1人で使用する予定でも、予算内に収まるようであれば一回り大きなセミダブルを選んでみてはいかがでしょうか。のびのびと使用できて睡眠の満足度がより高まります。
サータ スーペリアデイ ロイヤル
マットレスの部位によって、線径の異なるスプリングコイルを使用しています。負荷が強くかかる部分は強い反発力を持たせることで、加重をバランスよく分散させると同時に耐久性を高めました。
コイルスプリングの高さは7.7インチに設定されており、スプリングにしなやかさを持たせています。体を横たえたときにも体を繊細に支え、寝姿勢をサポートするのです。
高触感ウレタンとジェルメモリーフォームを詰め物に採用したことでマットレスがヘタりにくくなると同時に、熱やムレのこもりにくい仕様になっています。
まとめ
ポケットコイルマットレスは高品質のものは値段が張るものの、寝心地よく質のよいマットレスです。快適な睡眠を求めるのであれば、ポケットコイルマットレスにこだわって購入を検討してみてはいかがでしょうか。
お手頃価格から高級品まで幅があるため、品質とコストのバランスを取りながら納得のいく商品を見つけましょう。