肩こりは枕が原因?枕選びのポイントをチェックして肩こり解消!
寝ても寝ても改善されない辛い肩こりに悩んでいる人はいませんか。治ったと思っても、何度も繰り返す肩こりに悩んでいる人は約10人に1人だといわれています。
肩こりの原因はさまざまですが、その中の一つとして「枕」が関係しているのでは?と考えられています。枕と肩こりにはどのような関係が隠れているのでしょうか。
肩こりとは
肩こりは、首の周辺~肩甲骨周辺に感じる重みや鈍い痛みのことをいいます。周辺の張りも肩こりの一種として考えられています。
肩こりに直接関係している筋肉にはさまざまなものがありますが、僧帽筋(そうぼうきん)が主に関係しています。肩こりというのは正式な病名ではありません。
もともと日本人は西洋人と比較したときに頭が大きいという特徴があり、首や肩が華奢で筋肉量が少ないので、肩こりが起こりやすい骨格をしています。普段意識することは少ないと思いますが、人間の頭の重さは5~6キロもあり、お米の袋と同じ重さがあると考えるといかに負担がかかるのかがわかると思います。
肩こりの根本的な原因を解消する必要がある
肩こりの解消法は人によってもそれぞれだと思います。湿布を貼ったり痛み止めを飲んでしのいだり、指圧に通ったり、マッサージグッズを使う人もいるでしょう。一時的には肩こりが楽になりますが、その場しのぎの対策に過ぎない、ということも多いのではないでしょうか。肩こりを何度も繰り返さないためには、その根本的な原因をはっきりさせ、解消していく必要があります。
肩こりはその原因を改善すれば症状が出にくくなるものと、応急処置をしても痛みが軽減されない場合や、肩こり以外の症状に悩まされることもあります。例えばめまいやのぼせ、手足のしびれなどの症状が起こる場合は、肩こりとは違う原因が考えられます。これらの症状が長く続いているときは、肩こり以外のことも疑い、病院を受診するようにしてください。
肩こりと枕の関係とは
肩こりと枕には密接な関係があります。まず人間が寝ているときに肩甲骨が外側に開いた状態になります。頭部と頸部、布団に隙間ができてしまうことで肩こりが起こりやすいと考えられています。枕の高さや、形状、硬さなどが合わないまま使っていると、首周辺の筋肉に負荷をかけることになります。
例えば高すぎる枕を使っている場合や、柔らかすぎる枕、頭が固定される形状の枕なども原因の一つになります。寝ているときの姿勢が悪いと、長時間に渡って筋肉に負担をかけていることになり、炎症や痛みなどが起こりやすくなります。「寝ているときに肩こり!?」と驚く人もいるかもしれませんが、長時間同じ姿勢でいることを考えると納得できますね。
1. ストレートネック
今使っている枕が合わないと話す人のなかには、実はその原因が自分の首にあるケースも考えられます。特に現代人は「ストレートネック」の方が多く、首が真っ直ぐになってしまっています。
本来はS字に湾曲しているのが正しい首の位置になります。湾曲のないストレートネックの場合、地面からの衝撃をまともに受けてしまい首がゆがんだり変形する原因にもなります。
このような首になにか不調を抱えている方の場合、枕選びを慎重に行うのをおすすめします。寝ている間になんとなく息苦しさを感じて枕を外してしまうのは、そもそも枕選びが間違えている可能性があります。
2. 寝返り
肩こりを解消する為には寝返りが鍵ともいえます。本来寝返りには歪んだ骨格を強制したり、血流を改善するなどの効果も期待できます。日中緊張状態になり固まってしまった筋肉を自然にほぐす役割などがあります。
朝起きたときに身体が軽く楽になっているように感じるのは、寝返りによって筋肉がほぐされているからもあるのです。寝返りが正しくできていなければ、肩こりが解消されるはずがないのです。
枕があなたにあっているかどうかによって、毎日の睡眠の質が決まるといっても過言ではありません。精神面や体調面にさまざまな影響を与えてしまいます。
辛い肩こりの原因には他にはどんなものがあるの?
日常生活に支障をきたすような辛い肩こりですが、その原因はさまざまなものがあります。どんな原因で肩こりが引き起こされているのかその原因を見ていきましょう。
1. 眼精疲労
肩こりを実感している人の多くが、目がしょぼしょぼする、目の奥が痛いなどの目やその周辺の疲れを実感しています。細かい文字などを見続けた場合、目周辺の筋肉が緊張してしまい、肩や首にもコリが起こりやすくなります。
特にPCの場合、集中して作業をしているときなどまばたきの回数が少なくなり、ドライアイが起こり眼精疲労に繋がるとも考えられています。通常は1分間のうち15~20回程度のまばたきをするものですが、PC作業中などは1回~2回前後と極端に少なくなってしまうのです。
2. 運動不足
肩こりが気になっているときは、首や肩周辺の血流が悪くなっている状態です。そのため新しい酸素や栄養が伝わりにくくなってしまいます。運動は血流を改善する効果が期待できますし、筋肉量の減少を予防することにも繋がります。
また筋肉が張ってしまいこった状態から筋肉の柔軟性を引き出す効果もあります。筋肉には血液を身体に巡らせるポンプのような役割もありますし、肩周辺だけでなく全身の血流を促すことにも繋がります。
ハードな運動ではなく、自宅のなかで気軽にできるストレッチや、散歩、ウォーキングなどを日々の生活に取り入れる必要があります。
3. ストレス
現代はストレス社会ともいわれているように、仕事や家事などさまざまな環境でストレスがたまりやすくなっています。ストレスによって肩こりが起こる理由として“自律神経”の乱れが関係しています。
人間の身体の健康を維持するうえで重要な役割をしている自律神経ですが、活動的なときに優位になるのが「交感神経」で、寝ているときや安静にしているときに優位になるのが「副交感神経」です。
人間がなにかストレスを感じると、交感神経が優位になり血管の収縮が起こり血行の悪化に繋がります。肩周辺だけでなく全身の血行にも影響するなど、さまざまな問題を引き起こすことになります。
4. 長時間同じ姿勢でいる
長時間PC作業で座りっぱなしや立ちっぱなしなど、同じ姿勢のままでいると肩こりの原因になると考えられています。特にPCやスマホを使うときに、首が前に突き出し両方の肩を前にすぼめているような状態になってしまいます。PCの画面の位置が悪かったり、休憩も入れずに長時間作業していると、肩こりが起こりやすくなります。
肩こりを解消するための枕選びのポイント
肩こりを解消するためには、毎日の睡眠の質を決める枕選びは重要です。自分に合った枕と言われても、どう選べばいいのかイメージできない方もいるのではないでしょうか。
たくさんの枕がある中で選ぶときのポイントについて説明していきたいと思います。
1. 無理なく寝返りがうてる
枕を選ぶ上で重要なのが、無理なく寝返りが打てることです。人間は寝ているうちに20回~30回程度の寝返りを打っているといわれています。寝返りがしにくいと筋肉に余計な負荷をかけたり、血行不良が起こったりします。寝返りを打ちやすくするためには「頸部」をしっかりと支える枕を選ぶ必要があります。
また、寝たときと朝起きたときが全く同じ姿勢の人はまずいませんよね。そのため仰向けはもちろん、横向きになったときにも息苦しさを感じることのない枕を選ぶ必要があります。
あなたが寝ているときにどんな姿勢なのかによっても変わりますが、枕の両サイドが少し高めになっている枕だと、寝ているときの向きが変わっても使いにくさを感じることが少なくなるでしょう。
2. 高さにこだわる
人間の一番負担が少ない姿勢は、肩の力を抜いて立っているときだといわれています。仰向きで寝る時の姿勢は、この立っている時と同じ姿勢が理想と言われており、筋肉疲労などの負担がかかりにくい状態です。
人間の身体を横から見ると首から背骨にかけてS字状カーブを描いおり、寝ているときの枕の高さはこのS字状カーブが自然に描けるものにする必要があります。枕の高さについてはそれぞれの好みもあるかもしれませんが、実はこれが最も無理のない楽な姿勢だともいわれているのです。
そのときの顔の角度は5度前後になりますので、その角度にあった高さの枕を選ぶ必要があります。もちろんその人によってもこのカーブの部分が違うので、同じ枕を選んだらOKというわけではありません。自分にあった角度や高さの枕を選ぶようにしてくださいね。
3. さわり心地は?枕の素材にもこだわろう
枕は直接肌で触れるものだからこそ、機能性はもちろんさわり心地にもこだわりたいものですよね。もちろんその人によっても「この枕が一番気持ちがいい」と感じる基準は違いますよね。
高級枕であってもなかには合わないな…と感じる人もいるのです。触ったときの肌に触れた感覚や音、香りなどはそれぞれ違います。実際に手にとって枕に触れてみて「これがいい!」と思えるものを探してみてください。
枕のなかに入っている素材によっても感触は変わりますし、違和感を感じずに使えるものを選ぶのが一番です。また季節によって夏向きの枕もありますし、枕のカバーを変えるだけで改善できる場合もあるので、総合的に判断するようにしてくださいね。
4. 枕の硬さはどのぐらいがいいの?
柔らかすぎる枕は、肩こりの原因になっている可能性があります。素材が低反発ウレタンだったり、羽毛などを使っている枕は柔らかいものに分類されます。逆に硬めの枕はヒノキやそば殻などを使ったものです。
柔らかい枕ならではの気持ちよさもありますが、頭や首をしっかりと支えることができず、肩こりの原因になってしまいます。柔らかい枕は頭や首からかかる重力に対しての反発が弱いので潰れやすくなります。
首の筋肉に負荷がかかり緊張状態になると肩こりが起きているのです。肩こりで悩んでいる人の場合は、できれば適度に硬い枕を使用するのがおすすめです。逆に硬すぎる枕は、負荷がかかるので逆効果になってしまうこともあります。
5. 大きめの枕を選ぶ
私たちは寝ているときに何度も寝返りを打っています。寝返りは快適な睡眠を維持するのはもちろん、身体全体の血行を促進することによって筋肉疲労を軽減させる役割があります。
合わない小さな枕を使っていると、寝返りのたびに枕から落ちないように本能的に行動してしまいます。そのため寝返りができなくなってしまうのです。小さな枕になると寝ている間に枕がずれてしまいがちになります。
本来睡眠中は頚椎に負担をかけないほうがいいのですが、負担になり肩こりを起こす原因になってしまうのです。朝起きたときに枕の位置が変わっている人は、枕が小さすぎる可能性もあります。肩こりが気になる方は肩周辺までしっかりとサポートしてくれるような、大きめの枕がおすすめです。
6. 洗濯できるカバー、素材を選ぶ
枕を選ぶ上で洗濯のしやすさなどメンテナンスの方法も重要です。人間は寝ている間にコップ一杯分の汗をかくといわれています。枕にカバーをして洗濯していても本体に汗が染み込んでしまうこともあります。
枕は毎日使うものですし、できれば本体も洗濯できるものを選ぶのがおすすめです。顔など肌が直接触れるものでもあるので、枕を清潔に保てるようにしっかりとメンテナンスしておきましょう。
意外と長年枕を洗わずにいて不衛生な状態のまま使っている人もいます。肌荒れなどの原因にもなりますので注意してくださいね。
枕と同時にマットレスも見直して肩こり解消
肩こりで悩んでいる人は枕もそうですが、同時にマットレスを見直すことをおすすめします。寝ているときの不自然な姿勢は肩こりを悪化させてしまいます。
寝返りを打つことによって肩こりを防ぐので、ぐっと身体が沈み込んでしまうようなマットレスでは肩こりが起こりやすくなってしまいます。
マットレスの役割として身体を面で支える役割があります。その場合、腰に大きな負担がかかってしまい腰痛の原因になってしまうことも…。そんな原因から面ではなく点で身体を支えるマットレスが主流になってきました。
一点のみに体重がかからず、負荷になりにくいので身体のコリを防いでくれます。肩こりが気になっている人は、マットレスを選ぶときに「体圧分散」式のものを選ぶと寝返りがしやすく睡眠の質も高くなります。
とはいえ、マットレスの相性はその人によっても違うので、あなたに合ったマットレスを探すようにしてくださいね。
肩こりを起こりにくくする生活習慣のポイント
肩こりが起こりにくくするためにできるポイントについて紹介します。枕やマットレスなどの寝具を見直すのはもちろんですが、同時に生活習慣についても改善していきましょう。
1. 姿勢に気をつける
肩こりにならないためには、毎日の姿勢に気をつけることも大切です。例えばまっすぐ立てているかチェックしてみてください。立ったときに耳や肩はもちろん上から下まで見たときに一直線になっているのが理想的な姿勢といわれています。
日頃からまっすぐ立つことを意識すると、寝ているときでも背筋が真っ直ぐ伸びるようになりますよ。猫背の姿勢のままでは、血流の流れが悪くなり肩こりが起こる原因になります。立っているときや無意識になりやすい座っているときの姿勢も重要です。
2. 食生活に気をつける
血行不良が肩こりの原因になるからこそ、日々の食生活も意識するようにしましょう。血流の循環を促進するためのビタミンEやDHA・EPA、クエン酸などを積極的にとることで、筋肉疲労を蓄積させにくくなります。
筋肉は疲労を感じると乳酸を増殖させてしまいますが、防ぐことにも繋がります。日頃の食生活で良質なタンパク質をとったりビタミンやミネラルを多めにとった食生活を意識するだけでも、肩こりが解消されますよ。
3. 適度な運動をする
肩こりが気になっている人は、適度に身体を動かし運動することも大切です。無理な運動をしたり、いきなりハードな運動をしてしまうと、筋肉や筋を傷める原因になります。
無理なく身体が心地よいと感じる程度の運動を意識すること、ゆっくりと段階を踏んでならしていきましょう。適度な運動を行うだけで血流が改善されるので肩こりに悩まされることが少なくなりますよ。
まとめ
慢性的な肩こりに悩まされている人は、早めにその原因をはっきりとさせ改善していくことが重要です。
日々使っている枕やマットレスなどの寝具を見直すだけで、寝姿勢を正すことにも繋がりますし、寝返りが打ちやすくなり朝までぐっすり寝られるようになるはずです。
肩こりの原因がまさか寝具にあるんて思っていない人も多いと思います。柔らかすぎる枕や高すぎる枕は肩こりの原因になりますので、適度な硬さでサイズ感のあったものを選ぶようにしてくださいね。