睡眠時の腰痛はなぜ起こる?正しい寝姿勢と対策、おすすめマットレス3選
睡眠中の寝姿勢が不自然だと、体の1カ所に負担が集中してしまったり、体に合わないマットレスの使用や寝返りが不十分なとき腰痛の悪化につながったりする可能性があります。腰痛の改善方法は様々ですが、1度マットレスを見直してみるのもよいでしょう。
起きたときの腰痛の原因は?
朝起き上がると腰に違和感を覚えたことがあるという人は多いのではないでしょうか。旅先のホテルや旅館でいつもと違うベッドを使ったときや、ずっと同じベッドを使い続けるうちに徐々に腰痛がひどくなってきた、というケースもあります。
起きたときに感じる腰痛は、自分に合わないベッドを使い続けることで体に負担がかかっていることから生じている可能性も考えられます。マットレスが硬すぎても柔らかすぎても、腰を痛める原因になってしまう場合があるのです。
また睡眠中に十分な寝返りを打てていない場合も、体の1カ所に体重がかかり腰痛を引き起こす可能性があります。それぞれのケースについて詳しく解説します。
ベッドの反発が強い
寝ている間に腰痛を引き起こす原因の1つに、ベッドが硬く、反発力が強すぎることがあげられます。
マットレスが体の重みを吸収しないと、腰やお尻で体を支える状態になりやすく、睡眠中ずっと同じ場所に負荷がかかると、気が付かないうちに腰痛になっているケースがあります。
購入直後にはちょうどよい反発力であったとしても、長年使用しているとマットレスは硬く押しつぶされ、ヘタって弾力を失うこともあるので注意しましょう。
自分に合っていると思い込んでいるマットレスが、実はいつの間にか腰痛を悪化させるマットレスになっていた、ということもあります。
逆に沈みすぎる場合も
ベッドが柔らかすぎる場合にも腰痛を引き起こす可能性があります。横たわったときに深く沈み込むベッドは、腰が沈んで体が曲がった状態となるため、身動きがとりにくくなるのです。
体を動かしにくいと睡眠中長時間同じ姿勢を保たざるをえなくなります。結果、体の1カ所に負荷が集中してかかってしまうのです。
寝返りが少ない
睡眠中にスムーズに寝返りを打てているかどうかも、腰痛を悪化させないために大切な観点です。人は睡眠中無意識に寝返りをうつことで、何度も姿勢を変えて同じ場所にばかり体重がかかることを防止しています。
朝起きたときに腰痛を感じるようであれば、就寝中に十分な寝返りを打てていない可能性があるでしょう。
寝返りの重要性
睡眠中の寝返りは健康のために重要な役割を担っています。体に合わないマットレスや日中の姿勢の悪さがスムーズな寝返りを妨げ、体を痛める原因となるケースもあるのです。
ここでは寝返りがどのような役割を担ってるか、どうすれば寝返りしやすい状態をつくることができるかを解説します。
血行や体温調整などの役割がある
一般的に寝返りをうつことで体を動かし、重力のかかる場所を変え、血のめぐりを改善するといわれます。睡眠中に体の1カ所に負荷が集中することを防ぎ、体の下側に溜まりがちな体液を分散させるためです。
さらに、寝返りによってマットレスとの接触面が自然と変化することでこもった熱を放出し、体温調節も行われるとされています。
寝返りは仰向きで体を伸ばし、寝返りで体を反らすことで、日中に縮こまってしまった筋肉や丸まってしまった背骨を解放させることで、リラックスした状態に近づけてくれます。寝返りは体にかかっていたストレスをリセットし、よりよい睡眠に近づくための動作といえるでしょう。
寝返りが少なくなる原因
スムーズに寝返りが打てなくなる原因として、日中の姿勢からくる体のこわばりも考えられます。筋肉が硬直し、体の可動域が狭まると寝返りしにくくなる場合があるのです。
肩・腰の筋肉は特に寝返りをうつときに重要な部位であり、この筋肉が凝っている場合はうまく寝返りできていない可能性があります。
また、合わないマットレスやベッド周囲の人や物により物理的に寝返りを打てなくなっている可能性があげられます。マットレスが狭かったり、体が沈み込み過ぎたりすると寝返りしづらいことがあります。
大きなベッドでも、家族と一緒に同じマットレスで寝ている場合は、スペースが十分でない場合など、なにかと気遣って寝返りできていない可能性もあるでしょう。
寝返りのうてる体にしよう
日中に正しい姿勢をキープすることを心がければ、睡眠中もスムーズな寝返りをしやすくなります。
立っているときも座っているときも、腰が自然なカーブを描くように意識しましょう。座るときには背骨の左右の背筋を押しながら体を前に倒し、頭を後ろに引きます。押している筋肉が柔らかくなったときが正しい姿勢です。腰の角度を保ったまま顔を前に向けましょう。
座ったままできるストレッチも姿勢改善に効果的です。手のひらを上向きにして後ろで組み、鼻から息を吸い、口から出しながら肩甲骨を背中に寄せ、3秒数えましょう。
起きている間に姿勢を整え、筋肉をほぐすことが大切です。
腰痛対策としてのクッションの使い方
寝ている間に腰痛を悪化させないため、家にあるクッションを使って寝姿勢をサポートする方法があります。
クッション1つあればすぐに試せる対策のため、マットレスや日中の習慣などを今すぐなおせないという状況の人にもおすすめです。仰向き・横向きでそれぞれ使い方が異なるため注意しましょう。
仰向きの場合
仰向きの状態で姿勢を改善するには、膝の裏あたりにクッションがくるように配置し、膝をクッションの上に乗せるような姿勢をとりましょう。足をまっすぐ伸ばした状態とは違い、骨盤が無理に引っ張られることがなくなるため腰に負担がかかりにくくなります。
背骨が自然な位置をキープしたまま眠りやすいため、リラックスした状態で過ごしやすいでしょう。
横向きの場合
横向き寝の場合も軽く膝を曲げれば骨盤が引っ張られにくく、背骨にストレスを感じにくい状態を目指せます。
膝を丸めるような寝姿勢をとるだけでも効果的ですが、クッションを膝ではさんで固定するような寝方は姿勢をキープしやすくおすすめです。足だけで抱き枕をするようなイメージで行うとよいでしょう。
腰痛持ちのためのマットレス選びのポイント
腰痛の原因が明らかにマットレスにあると感じている人は、思い切って買い替えることで根本的な解決に繋がることもあります。
マットレスは素材や構造によって、寝心地は大きく異なるため自分に合ったマットレスを慎重に選ぶとよいでしょう。マットレスを選ぶときにどんな点を基準にすればよいのかを紹介します。
ベッドのタイプと寝心地
まずはベッドの構造の違いについて知っておきましょう。ベッドにはいろいろなタイプがありますが、大きく分けるとコイルやスプリングが入ったものと、ウレタンマットレスの2パターンがメインです。構造によって寝心地は全く違うため、自分の体型や骨格、好みに合わせてベッドのタイプを選びましょう。
ボンネルコイルはスプリングが面で繋がっているためフィット感が小さく、ポケットコイルはコイルが独立しているため、体の形と重さに沿って支えます。
高密度連続スプリングは面で体重を支える点はボンネルコイルと同じですが、硬く反発力が高い点が特徴です。ウレタンはコイルやスプリングではなく、素材そのもので体を支えます。素材によって弾力も大きく変わるでしょう。
耐久性や通気性
マットレスは家具の中でも比較的高額であるため、長く使い続けるため耐久性に着目することがおすすめです。
最も耐久性が高いのはポケットコイルであり、その分値段も張る傾向があります。続いてボンネルコイル、高密度連続スプリングの順に耐久性が高いマットレスが多いです。ウレタンマットレスは密度によって耐久力が変わり、低価格なものは3~5年、高価なものだと8年以上の耐久力を持っているものもあります。
おすすめのマットレス
マットレスの重要性や選ぶときに注目すべきポイントなどは分かったものの、いざ商品を選ぼうとすると迷って決め切れないという人も多いのではないでしょうか。
さまざまなメーカーから数えきれないほどのマットレスが出ているため、自分に合った商品を見つけ出すことは大変なものです。そこで、腰痛を軽減するという目的に合わせておすすめの商品を3つピックアップしました。自分好みのマットレスをぜひ見つけてみてください。
Magniflex 三つ折り マットレス DDウィング
体の重みを全体に分散させることで腰に負担をかけにくいマットレスで、立っているときの自然な姿勢を寝ながらにしてキープすることを目指せます。
表面と裏面で反発力と硬さが異なるため、購入後も自分の好みの硬さを選べる点も魅力です。
ベッドフレームの上に置くことはもちろんのこと、畳やフローリングなどに直においてそのまま使うこともできるため、気軽に購入できます。腰痛に悩んでいる人は、1度検討してみてはいかがでしょうか。
一番星 雲のやすらぎプレミアム敷布団
17cmという厚さでふんわりとした寝心地を楽しめます。底つき感がないため、ベッドに敷いてもフローリングに直接敷いても快適に使えるでしょう。
中には高反発スプリングマットが入っており、上下を凹凸アルファマットで挟み込んだ構造です。体重を分散して体の1カ所に負担が集中することを防止します。ただ単に両面使えるだけではなく、春夏仕様・秋冬仕様と季節に合わせて使い分けられる点も魅力です。
AiR SLEEPTECH [エアー01]マットレス
特殊立体波形凸凹構造のウレタンにより、横たえた体を面ではなく点で支えるマットレスです。体圧を分散させ、睡眠中の理想的な姿勢をキープしやすくなります。
圧迫感を和らげるため血行をよくするだけでなく、寝返りもしやすいつくりです。ウレタンフォームは通気孔があるため、睡眠中の寝汗でこもった湿気を逃がします。快適な寝心地を求める人にピッタリです。
まとめ
腰痛に悩んでいる人は、まず自分の睡眠中の寝姿勢を見直すことをおすすめします。自分では快適に寝ているつもりでも、マットレスが合わなかったり寝返りを十分に打てていなかったりして体に負担をかけている可能性があるのです。
マットレスを買い替えることで腰痛が大きく改善することもあります。悩んでいる人は1度自分好みのマットレスを探してみるとよいでしょう。