安くて質のよいマットレスを選ぶコツは?耐久性、体圧分散などチェックポイントを紹介
高価なマットレスを購入しても、自分の体に合わなければ、使い心地はよくありません。価格を基準にするのではなく、寝心地のよさや、長く使い続けられるかを基準に選ぶのがポイントです。選び方のコツやおすすめアイテムを参考に、自分にぴったりのマットレスを見つけましょう。
安いマットレスが悪いわけではない
価格と寝心地は必ずしも一致するわけではありません。高くても体に合わないことがありますし、安くても負担がかかりにくく、ぐっすり眠りやすいものもあります。
そのため、安いマットレスだからという理由だけで、選択肢から外すのは、もったいないかもしれません。
価格と質のバランスが重要
マットレス選びでは、価格と質のバランスが取れているものを選びましょう。高級マットレスを選んだとしても、硬さが体に合わない場合、眠りにくくなったり、痛みを感じやすくなったりする場合もあります。
どんなによい素材を使っていて、触り心地がよかったとしても、自分に合わないものだった場合、使い続けられないのです。これでは、価格と質が釣り合いません。
安いマットレスの方がラクに眠りやすいと感じるなら、価格にこだわらず、安いものを選びましょう。体に合っているマットレスなら、『価格以上の価値を感じられる』はずです。
長持ちするかも大切
自分の体にぴったりのマットレスであれば、安いもので構いません。しかし『耐久性の高さ』はチェックしましょう。
安すぎるマットレスの中には、すぐに使えなくなってしまうくらい劣化しやすいものもあるからです。せっかく自分に合うマットレスを見つけられても、すぐに壊れてしまったのでは困ります。
長持ちしやすいものを選ぶには、耐久試験に合格しているものかどうかを確認しましょう。同時に、表示マークや素材の質をチェックすることが大切です。
自分に合ったマットレスを選ぶには
価格ではなく自分に合ったマットレス選びが大切ということが分かりました。では、どのように自分に合っているか確かめればよいのでしょうか?
実際に寝て確かめるのがベスト
自分に合っているマットレスを選ぶには、『店舗でフィッティングする』のが1番です。まずは実際に寝てみましょう。
寝心地を確かめるには、できるだけ寝るときに近い服装をすることが大切です。ジャケットやコート・靴などを脱いでから横になります。
店舗ではリラックスしてマットレスに寝転がるのが難しいかもしれませんが、できれば5分ほど仰向けの姿勢で休んで、寝心地をチェックしましょう。
仰向きだけでなく、横向きやうつぶせ・寝返りなども試します。さまざまな姿勢を取ることで、自分にぴったりのマットレスを選びやすくなるからです。
展示してある全てのマットレスがフィッティングできるとは限らないため、必ずスタッフに確認してから行いましょう。
身体が沈み込みすぎるのはNG
マットレスを試すときには、チェックしておくとよいポイントがあります。その1つが、『正しい寝姿勢をキープしやすいかどうか』です。
正しい寝姿勢というのは、仰向きに寝たときに、腰のS字カーブ部分とマットレスの間に2~3cm隙間があく姿勢のことと考えられています。
柔らかすぎるマットレスに寝ると、体重がかかりやすい腰の部分が深く沈み、隙間ができません。寝姿勢はW字になり、腰に負担がかかりやすい体勢です。このようなマットレスでは、眠りにくくなってしまいます。
あくまで目安ではありますが、フィッティング時の参考にするとよいでしょう。
特定の部位に圧力が集中しない
体圧分散が適切にしやすいマットレスかどうかも、大切なチェックポイントです。
柔らかく体が沈みすぎるマットレスはNGですが、硬すぎて腰のカーブ部分とマットレスの間に大きな隙間があるマットレスも眠りにくい可能性があります。
このような硬さのマットレスでは、体重が肩やおしりの部分に集中しやすくなってしまうからです。一晩中圧力がかかることで、寝起きに肩こりや痛みを感じることもあります。
そのため、体重がかかりやすい部位にだけ負担が集中するようなマットレスではなく『重さを体全体で支えられるようなタイプ』を選びましょう。
体圧がうまく分散されると、体がマットレスに当たっていても、圧力を感じにくくなるそうです。
安くて質のいいマットレス選びのポイント
安いマットレスをうまく選ぶためには、ポイントがあります。自分の体形に合っていることと合わせて、紹介するポイントをチェックしましょう。
コスパがいいのはノンコイルマットレス
マットレスには大きく分けると、コイルが入っているコイルマットレスと、入っていないノンコイルマットレスがあります。2種類のうち、ノンコイルマットレスの方がやや低価格な傾向です。
ノンコイルマットレスのコスパのよさは、必要な材料が少なく、製造工程が比較的シンプルであることが関係しています。コイルマットレスと比較して、製造・運送・保管にかかるコストが低いため、価格も安く抑えられているのです。
そのため、低価格帯で質のよいマットレスを選びたいと考えている人には、ノンコイルマットレスの中から選ぶと、ニーズに合ったものが見つかるかもしれません。
耐久性の高さも確認
安くても、すぐにへたってしまうような商品なら、買い直さなければいけません。無理に使い続けると、よい寝姿勢が保ちにくくなり、睡眠の質が低下したり、体を痛めたりする可能性があります。
そのため、使い始めてすぐにへたってしまうようなマットレスではなく、耐久性が高めのものを選びましょう。耐久性は、マットレスに使用されている素材の質で、ある程度判断できます。
店舗で購入する場合にはスタッフに質問してみるのもよい手段です。
セールを狙うのもアリ
お買い得になっているセールのタイミングで購入するというのも、安くて質のよいマットレス選びでは欠かせないポイントといえます。割引価格で購入できれば、その分リーズナブルだからです。
セールが行われやすいのは、新生活フェア後の5月と、決算前の2・8月といわれています。売れ残りの処分や、会社の業績アップのために、セールを開催するメーカーが多いはずです。
2・5・8月に近いタイミングなら、セールを待ってから購入するのも、1つの方法といえます。
価格が安めのマットレスの種類
マットレスは、中の構造によって種類が違います。リーズナブルなマットレスに多い種類を知っていると、マットレス選びの参考になるはずです。
ボンネルコイルマットレス
中にコイルが入っているコイルマットレスの中では『ボンネルコイルマットレス』が比較的安価です。
1つずつコイルを袋に入れて加工するポケットコイルと違い、シンプルな工程で作れることや、使用する硬鋼線が短いことから、手頃な価格で購入できる商品が豊富にあります。
中にコイルが入っていることにより、寝心地に安定感を感じやすい点や、通気性が高い点がメリットといえるマットレスです。
ウレタンマットレス
コイルの入っていないノンコイルマットレスは、コイルの製造に必要な技術力や複雑な工程が必要ありません。そのため、比較的価格を下げやすいと考えられています。
中でも『ウレタンマットレス』は、低価格と高品質を両立しやすく、比較的安価なマットレスを探している人にはぴったりの素材です。
ウレタンマットレスが低価格なのは、シンプルな構造・コンパクト設計が可能なこと・圧縮梱包による輸送や保管のコストダウンなどが理由と考えられています。
低反発タイプは激安品もある
柔らかさが特徴の「低反発タイプ」は驚くほど安い価格で購入できる可能性があります。柔らかい寝心地のマットレスのため、硬さが苦手という人に向いているかもしれません。
また、小柄な人や女性は体重が軽いため、柔らかい低反発タイプの方が体に合いやすい場合もあります。
安いマットレスを長持ちさせるコツ
正しいお手入れをすることで、マットレスは長持ちしやすくなります。日常的な使い方のコツや、定期的なお手入れについて知り、お気に入りのマットレスを長く使いましょう。
マットレスの寿命は長くて10年
一般的に、マットレスを使い続けられるのは『約10年』です。マットレスに使われている素材や、眠っている人の体形・日々のお手入れの仕方によって、寿命は変わることが分かっています。
そのため、必ず10年でへたったり壊れたりするとはいえません。逆に、10年経っていなくても、へたってしまうこともあります。
目安として頭に入れておきながら、マットレスの状態に合わせて買い替えを検討するのが妥当です。
カバーやベッドパッドを付ける
シンプルにマットレスを使いたいからと、じかに眠っている人もいるかもしれません。しかし、マットレスを長く使い続けたいなら、カバーやベッドパッドといったリネン類は欠かせないアイテムです。
眠っているときには、たくさんの汗をかきます。マットレスにカバーをかけていない場合、汗がマットレス内部に染み込んでしまいます。
湿気はマットレスの寿命を短くする可能性があります。吸湿性のあるカバーやベッドパッドで湿気対策をしましょう。
また、清潔を保つためにも、リネン類は役立ちます。眠っているときに、皮脂汚れやよだれがマットレスにつくのを防ぎやすくするからです。
ローテーションして使う
いつも同じ向きでマットレスに眠っていると、同じ場所にばかり負担がかかりやすくなってしまいます。その結果、マットレスがへたりやすくなるのです。
そこで、定期的に前後や表裏を入れ替える『ローテーション』を実施しましょう。季節ごとにマットレスを回転させると、特定の場所にだけ重さがかかるのを防ぎやすくなります。
ローテーションは、ホテルでも採用されているお手入れ方法です。長く使い続けていても、きちんとローテーションしているマットレスなら、寝心地のよさをキープしやすくなります。
予算1万円までのおすすめシングルマットレス
1万円しか予算がないとしても、マットレス選びを諦めることはありません。低価格のマットレスを探せば、自分に合うものがきっと見つかるはずです。
ニトリ シングルマットレス(デイ)
『225個のスプリングで構成されているボンネルコイル』が、体を面で支えるマットレスです。硬めで、安定感のある寝心地と体験できます。
リーズナブルな価格ながら15cmも厚みがあるため、床付き感がなく快適に眠りやすいでしょう。ボンネルコイルの通気性のよさにより、湿気がたまりにくいことも、寝心地のよさに役立ちます。
適度な硬さで沈み込みにくいため、うつぶせで寝る習慣がある人にもおすすめです。
また、圧縮された状態で届くため、搬入経路を気にすることなく設置できるという点もメリットです。
タンスのゲン ボンネルコイル マットレス ふんわりボリュームキルティング
寝心地を追求し、ボリュームのあるキルティングを表面に使用しているのがポイントです。ボンネルコイルによる安定感と同時に、ふかふかの優しい肌触りで、気持ちよく眠りやすいでしょう。
また、強度や耐久性を考え、コイルには耐久性・強度ともに高いスプリングが採用されています。また、『焼入れ加工や防さび加工』が施されている点も特徴です。
このように長持ちしやすいコイルを、高密度で連結させているため、硬めの寝心地でありながら体圧の分散もしやすい作りになっています。
GOKUMIN プレミアム高反発マットレス
密度34Dの超高密度ウレタンを使用している、高反発マットレスです。適度な硬さで腰や背中の沈み込みを抑え、体圧が特定の部位にだけかかるのを防ぎやすくします。
ウレタンは『竹炭が練り込まれた』オリジナル仕様です。竹炭は、湿度を調整する働きと消臭が期待できる素材のため、汗による湿気やにおい対策に役立つと考えられます。
ニットカバー付属のため、届いてすぐに使えるのもポイントです。シリコンの滑り止め加工により、眠っている間にずれる心配がありません。
洗濯機でのお手入れが可能なカバーのため、マットレス本体の汚れを防ぐのにもぴったりと考えられます。
予算3万円で購入できるダブルマットレス
ダブルマットレス は夫婦2人でも十分眠れる広々としたサイズです。
シングルサイズより面積が広くなるので価格も高めにはなりますが、予算が3万円あれば、ダブルマットレスも選べます。
アイリスオーヤマ 圧縮ロールポケットコイルマットレス
夫婦で眠るマットレスは、体に合うことはもちろん、お互いの眠りを妨げにくいこともポイントです。
こちらの製品は、ポケットコイルを採用しているため横揺れしにくい作りをしています。そのため、就寝時間が違ったり、片方がトイレに起きたりしても『振動が伝わりにくく』睡眠の邪魔になりにくいでしょう。
また、ぐっすり眠りやすい姿勢を保ちやすいのも、ポケットコイルを採用しているからこそのメリットといえます。体圧が全体に均一になるよう分散されやすいため、体に負担がかかりにくいのです。
腰かけることでへたりやすくなるマットレスの端には、線径が太めのコイルを配置しています。長持ちのための配慮もされている製品といえるのです。
IKEA ハマルヴィーク
IKEAで販売されているハマルヴィークというマットレスは、25年品質保証がついています。長期間の保証があるため、安心して使いやすい点がメリットです。
適度な弾力が特徴のボンネルコイルマットレスで、『かため』『ふつう』の2種類から好みのタイプを選べます。
長さが200cmと一般的なダブルサイズのベッドと比較して、やや長めになっているため、設置時には注意が必要です。
東京西川 フェスタⅡ高反発三つ折りマットレス
創業450年の東京西川が販売しているノンコイルマットレスです。寝具の老舗メーカーだけあり、抗菌・防臭加工や、持ち運びやすい軽さ、お手入れしやすいカバーなど、機能性に優れたマットレスといえます。
『高反発ウレタンマットレス』のため、体圧分散性に優れ、体に負担がかかりにくいのもポイントといえるでしょう。
三つ折りタイプのマットレスは、ベッドフレームに設置するだけでなく、敷布団としても使えます。ライフスタイルや家族の人数が変化しても、状況に合わせて使いやすいマットレスといえるのです。
まとめ
高いマットレスがよいマットレスとは限りません。自分にぴったり合うタイプを選んでいたら、安いマットレスでも寝心地がよかったということもあるでしょう。
自分の体形に合っていて、眠りやすいマットレスであれば、安くても快適に過ごせるはずです。
同時に、すぐにへたらない耐久性を兼ね備えていれば、申し分ありません。長持ちしやすいマットレスかどうか、購入時には素材もチェックしましょう。
低予算でも満足のいくマットレス選びは可能です。価格と質のバランスを考えながら、お気に入りのベッド探しをしましょう。