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敷布団の打ち直しとは?料金の目安やへたりを防ぐメンテナンス法も

時間が経つにつれて、敷布団の寝心地が変わってくることがあります。寝心地を改善するには、敷布団の打ち直しがおすすめです。打ち直しの料金の目安や、敷布団のへたりを防ぐためのメンテナンス方法を紹介します。

目次

敷布団の打ち直し

敷布団 打ち直し

敷布団の打ち直しと聞いても、どんなことをするのかいまいち分からないという人もいるでしょう。「クリーニングと何が違うの?」と、思う人もいるかもしれません。打ち直しの意味や、基本的な情報を紹介します。

なぜ打ち直しと呼ばれるの?

布団の材料に使用する綿花を採取した後、そのままの状態では布団の中材に使用できません。綿花の中心にある種を取り除き、綿をふんわりとさせることが必要です。

昔は弓のようにしなる棒で綿を打って、種を取り除くと同時に空気を含ませてボリュームを出していたことから打ち直しと呼ばれるようになったと考えられています。

現代では機械で作業をするため、昔のように棒で打つことはなくなりましたが、今でも昔の名残で打ち直しという言葉を使うことがあるのです。

業者によっては打ち直しではなく『リフォーム』と表現することもありますが、意味や作業の工程に大きな違いはありません。

クリーニングとの違い

打ち直しとクリーニングの大きな違いは、『再生加工』をするかどうかです。

敷布団の打ち直しは、へたった綿に新しい綿を追加し、寝心地を調整するために再生加工をします。一方、クリーニングは側生地や中材の洗浄を目的としているため、綿の量に変化が起きるわけではありません。

打ち直しをしても、敷布団の内部が完全に清潔になるとは言い難いため、敷布団を丸洗いしたい場合はクリーニングをおすすめします。

布団の状態に応じて打ち直しとクリーニングを使い分けると、清潔かつ寝心地のよい布団で寝られるでしょう。

打ち直しは自分でもできる?

敷布団を打ち直しする際は側生地を取り外して中身を出し、綿の量を計測して不足している分を足した後、また元通りに側生地を縫製する作業が必要です。

手作業で打ち直しをしている職人は、腰の部分にやや高さが出るように綿の量を調整し、快適な寝心地にこだわった敷布団を作っています。

古くなった綿をほぐしてゴミを取り除き、ムラにならないように綿を詰める作業は『熟練の技』が必要とされているため、素人が気軽に手を出さないほうがよいでしょう。

素材の特徴と寿命

敷布団 素材 特徴 寿命

敷布団の中材にはさまざまな素材が使われています。素材によって寝心地が変わるため、自分に合った素材の敷布団を使うことが大事です。

素材によって寿命が異なりますが、使い方によっても変化します。例えば、体重が重い人のほうが敷布団に負荷をかけるため、寿命が短くなりがちです。それぞれの素材の特徴と寿命を見ていきましょう。

木綿の敷布団

木綿はアオイ科ワタ属の植物の種子から採れる、『植物由来の繊維』のことです。種子の周りにできた綿を採取し、布団や座布団などに使用します。

吸湿性や弾力性が高く肌触りがよいことが特徴で、古くから布団の素材として使われてきました。

産地や製法によっても特性が異なる特徴があり、敷布団に使われることが多いインド産の『デシ綿』は繊維が太く弾力性があり丈夫です。繊維としての寿命は3~7年といわれますが、産地や製法によっても寿命が変わります。

ウールの敷布団

ウールは『保温性・吸湿性・放湿性』に優れていますが、クッション性に劣るため体の重みを支えるのには向いていません。

体重をかけると繊維が固くなりやすく、弾力性が失われていってしまうため、単体で敷布団の素材に使われることは珍しいです。どちらかというと、木綿や化学繊維などのほかの繊維と組み合わせて使われています。

ウールの寿命は3~7年とされています。どのくらい持つかは、手入れの頻度によっても変わってきます。ダニや害虫にはやや弱い性質を持っているため、頻繁に陰干しをして湿気を飛ばしたほうが長持ちするでしょう。

化学繊維の敷布団

敷布団に使われることが多い化学繊維の代表格といえば『ポリエステル綿』です。ポリエステル綿は化繊綿と呼ばれることもあります。

弾力性は高いですが吸湿性や放湿性に欠けるため、蒸れやすいことが特徴です。この弱点を補うために、木綿やウールなどと混合した素材を敷布団に使うことが少なくありません。

50%以上の化学繊維が含まれている物は低価格で販売されていることが多く、混綿布団と呼ばれます。

また、科学技術の発達とともに、抗菌・防臭・防ダニなどの機能性が高い化学繊維を使用した敷布団や、通気性に改良が加えられた製品が増えてきました。

寿命は化学繊維の配合率によっても変わりますが、3~5年といわれています。

キャメルの敷布団

ラクダの毛を使用したキャメルの敷布団は、『保温性・吸湿性・放湿性・弾力性』に優れていることが特徴です。

ウールよりも優れた吸湿性を持っているため敷布団の素材としては理想的ですが、高価であることに加え、取り扱っている店が少ない点がデメリットだといえます。

どちらかというと、薄手の敷パッドやトッパーマットとして販売されていることが多いです。大事に使えば10年程度の寿命があるといわれますが、動物性繊維なのでダニの被害を受けないように気を配らないと、寿命が短くなる可能性があります。

シルクの敷布団

シルクは蚕の繭から採れる繊維のことです。植物から採れる綿を木綿と呼ぶことに対し、シルクを真綿と呼ぶことがあります。

生産に手間がかかるため高価な繊維として知られ、シルクの織物は『繊維の宝石』と表現されることもあるほど、美しい光沢を持っていることが特徴です。

吸湿性が高く汗でべたつきにくいところが魅力ですが、弾力性は高くないため体を支える目的には向いていません。どちらかというと、敷布団よりも掛け布団やシーツなどに使われています。

寿命は手入れの頻度によっても変わってきますが。3~5年くらいとされています。

敷布団のへたりの原因

敷布団 へたり 原因

購入したばかりの頃は寝心地がよかったのに、時間が経つにつれて寝心地が変化したという経験を持つ人は多いでしょう。

敷布団がへたってしまう理由は、日頃の使い方や手入れの有無などが関係しています。敷布団がへたってしまう原因を見ていきましょう。

使用する人の重み

敷布団を使用する人の重みは、へたりやすさと無関係ではありません。体格がよく体重が重い人ほど、敷布団に大きな圧力がかかりやすいです。

敷布団に体重がかかっても元に戻ろうとする力が働きますが、負荷がかかりすぎると『復元力』が衰えて寝心地が変わってしまいます。

素材の復元力が劣化してしまうことが、敷布団のへたりにつながるのです。使われている素材によっても違いますが、体重が重い人ほど早く敷布団を買い替えたり、打ち直したりする必要があります。

また、敷布団は寝ている間ずっと体の重みを支え続けているため、敷布団を使用する頻度が高いほどへたれやすさが増すでしょう。

敷布団の素材や構造

弾力性が低い素材が使われている敷布団ほど、へたりやすい傾向にあります。例えば、木綿は化学繊維に比べると弾力性に劣るため、へたりやすいといえます。

敷布団の構造によってもへたりやすさが異なり、『凹凸のある構造』をしていて体圧分散性に優れているものはへたりにくいでしょう。

弾力性がなくなり、ぺたんこになってしまった敷布団は体圧を分散できないため、体の中でも重量がある腰部への負担がかかりやすくなる可能性があります。

汗などの湿気

就寝中にかいた汗が素材に吸収されると、布団が湿気をため込んで重い状態になります。水分を含んで重くなった素材は復元力が衰えるので、へたりやすくなると考えてよいでしょう。

敷布団に使われている素材の中には、汗や空気中の湿気に弱い性質を持っている物もあります。例えば、吸湿性や放湿性に劣る化学繊維を使った敷布団は、湿気をため込みやすいとされています。

放湿性に優れた天然素材は湿気に強いですが、手入れが完全に不要なわけではありません。ダニやカビを繁殖しづらくし、敷布団の清潔感をより長くキープするには、ときどき風通しのよい場所に干して湿気を飛ばすのがよいでしょう。

へたりを防ぐメンテナンス方法

敷布団 メンテナンス方法

どんな敷布団にも寿命は来ますが、メンテナンスの方法次第でへたりにくくできます。正しい使い方をすると、体の負担を減らすだけでなく、打ち直しの回数を減らせるはずです。

敷布団を長持ちさせるために実践したいメンテナンス方法を紹介します。

使い方でへたりを防ぐ

『1カ所に圧力が集中しない使い方』をこころがけると、敷布団がへたりにくいようです。

両面を使用できるタイプの敷布団は、交互に表裏を返して使うと均等に力を加えやすく、へたりの防止に役立つでしょう。上半身と下半身では重さが異なるため、布団の上下を返して使う方法もおすすめです。

ただし、腰部に厚みが出るように仕立てられた敷布団もあるため、自分が使っている敷布団のタイプを見極めて正しく使うのがよいでしょう。

また、へたりやすい腰の部分にパッドやタオルなどを敷いて、敷布団にかかる負担を和らげるのも効果的といわれます。重ねすぎると違和感が出て寝にくくなることがあるため、少しずつ重ねて様子を見ることをおすすめします。

干し方にもポイントが

へたりの原因になる湿気を飛ばすには、敷布団を敷きっぱなしにしないことが大事です。畳やフローリングの上に敷布団を敷いている場合、特に湿気がたまりやすくなります。

スノコを敷いて湿気対策をしている場合も、ときどき敷布団を干したほうが効果的に湿気を飛ばしやすいです。

できれば、よく晴れていて湿度が低い日を狙って、『風通しがよい場所』に干しましょう。15時以降になると空気が湿ってくるため、日が高いうちに取り込むことがおすすめです。

ウレタンのように天日干しすると劣化する素材が使われている場合は、直射日光が当たらない場所で陰干しするなど注意が必要とされています。

丸洗いや修理に出すのもアリ

敷布団のへたりを防ぐには、丸洗いや修理に出す方法もおすすめです。

長年同じ敷布団を使用していると、よく干しても湿気がとれにくくなる可能性があります。内部に汚れと湿気をため込んでいることが原因だと考えられるので、できれば丸洗いしましょう。

メーカーによって洗い方が異なるため、必ず『洗濯表示タグ』を確認して正しい洗い方をすることが大事です。このとき、洗濯機の取扱説明書も必ず確認しましょう。布団の洗濯がNGとなっている洗濯機も多いようなので注意が必要です。

自宅やコインランドリーで洗えないタイプの敷布団を使っている場合、布団のクリーニングを受け付けている業者を利用しましょう。汚れを落とし熱乾燥をすることで、ふっくらとした質感が復活します。

それでもへたりが大きい場合は修理に出し、中材の偏りをなくしてもらいましょう。

古い布団を使い続ける問題点とは?

古い布団 問題点

へたった敷布団をメンテナンスせずに使用し続けていると、重大な問題を招くことがあるようです。

例えば、10年近く同じ布団を使い続けている場合、知らないうちに体によくない影響を与えていることもあるようです。古い布団を使い続けると、どんな問題があるのでしょうか。

体への負担

長年、同じ敷布団を使用し続けていると、中材が押し固められて固くなり体圧を分散できない状態になってしまいます。

敷布団を購入してから10年以上経っている場合で、一度も打ち直しをしていないとなると、どんなに丁寧に手入れしていたとしても、敷布団の中材が寿命を迎えている可能性が否定できません。

体圧を分散できないと、横になったときに沈み込みやすい『肩や腰』などに負担がかかりやすくなるといわれています。

また、敷布団のへたりが原因で眠っているときの姿勢が悪くなると、体の疲れがとれにくくなり、日中に疲労を感じやすくなることもありえます。

ダニやカビの温床に

敷布団の素材にもよりますが、湿気がたまった古い布団はダニやカビが発生しやすい状態になっているといわれています。

繊維の奥でダニが繁殖するとダニの糞や死骸が増え、布団を『不衛生』な状態にしてしまうため、放置しないほうがよいでしょう。

また、カビが発生すると嫌なにおいの原因になり、心地よい眠りの妨げになる可能性があります。

よく干して湿気を飛ばし、ダニやカビが発生しづらい状況を作るほか、丸洗いや打ち直しなどのメンテナンスをしながら使うのがよいでしょう。

布団を打ち直しするサイン

敷布団 打ち直し

布団の打ち直しをする時期が来ても何も対策をしないと、体に負担がかかり健康上の問題に発展してしまうケースがあるようです。

敷布団の中材が偏ったり潰れたりして、寝心地が悪くなったと感じたときは、できるだけ早く対策することをおすすめします。

布団を打ち直しするメリットや、打ち直しに適した素材に対する理解を深めましょう。

打ち直しのメリット

打ち直しをすると、よい布団を長く使えることがメリットです。高品質な布団は高価ですが、打ち直しをして長持ちさせれば、頻繁に買い替えずに済むため、結局は費用が少なく済みます

また、中身を出して再加工するため『サイズの変更』にも対応しており、生活スタイルの変化に対応できる点もメリットです。

ほかにも、厚みを増やしたり、反対に減らしたりといった使用感の調整ができる点も魅力だといえます。

素材によって打ち直しに適さないものも

どんな素材でも打ち直しができるわけではなく、打ち直しをする業者によって対応可能な素材が違います。

『木綿・化学繊維・ウール』は、打ち直しできることが多いです。しかし、素材が著しく劣化している場合は打ち直せないことがあり、傷みの度合いによっては断られることがあるかもしれません。

また、中材に樹脂素材を使用しているものは打ち直しができません。樹脂素材は高い復元力を持っているため、へたりを感じることは少ないかもしれませんが、寝心地が大きく変化した場合は買い直すことをおすすめします。

打ち直しにかかる料金は?

打ち直し 料金

打ち直しにかかる料金は業者によって異なりますが、以下が大体の目安になっています。

  • シングル:7500~1万円程度
  • セミダブル:9000~1万2000円程度
  • ダブル:1万~1万5000円程度

新品の布団を購入する場合に比べ、2/3程度の料金に設定されていることが多いようです。買い替えと打ち直しのどちらがよいのか迷っている人や、よりお得にメンテナンスをしたい人におすすめな情報を紹介します。

こんなときは買い替えを検討しよう

打ち直しをしたくても、できない状態になってしまうことがあります。『中材の劣化が極端に激しい場合』は、買い替えを検討しましょう。繊維には寿命があるため、再利用できないほど劣化してしまうと打ち直しは不可能になるようです。

例えば、繊維の奥にまでカビが大量に発生してしまった場合は、中材の再利用が難しいため買い替えたほうがよいでしょう。

また、希少な素材を使用している敷布団で、同じ素材が手に入らない場合も打ち直しが難しいと考えられます。樹脂繊維などの打ち直せない素材を使用している敷布団も買い直しが必要でしょう。

打ち直しと買い替えどちらがお得?

打ち直しは古くなった中材に新しい中材を継ぎ足していくため、中材が激しく劣化してしまわない限りは何度でも打ち直せるようです。

長い目で見れば、古いものを廃棄し新品を購入するよりも打ち直したほうがお得ですが、どちらがお得かは、敷布団を購入したときの代金と、打ち直しにかかる料金を比較すると分かりやすいかもしれません。

『良質な素材』を使用した高価な敷布団ほど、買い直すよりも打ち直したほうがお得でしょう。化学繊維でできた安価な敷布団を購入した場合は、打ち直しをするよりも新品を購入したほうが安い可能性が高いです。

まとめ

打ち直しをすると敷布団のへたりを解消し、寝心地をアップできるところが魅力です。クリーニングとは違い中材を再生加工するため、新品のような寝心地に近付くでしょう。

素材によって特徴や寿命が違うため、打ち直しに適した時期を見極めることが大切です。敷布団にへたりができる原因は、体重による負荷や湿気などが関係しているようです。

1カ所に圧力がかからないように工夫して使い、湿気をため込まないようにメンテナンスすると、へたりにくくできる可能性が高まります。

また、安価な敷布団の場合は買い直したほうが安いですが、高品質な敷布団の場合は打ち直しをしたほうが寝具にかかる費用を抑えられるでしょう。

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