敷布団にカビが生えてしまったら?取り方や対策を紹介
敷布団にカビが生えたら、どのように対応すればよいのでしょうか?そのまま使用していると、不衛生なだけでなく、健康にも影響が出る可能性があります。生えてしまったカビの対策や、湿気対策によるカビの予防方法を知ることで、快適な敷布団をキープすることが可能です。
敷布団にカビが生える理由
カビは水分を含んでじめじめした場所に発生しやすい傾向にあります。敷布団はぬれていないように見えますが、カビが生えやすい寝具です。敷布団にカビが生えやすい理由を知ることで、対策に役立てましょう。
毎日汗を吸い込んでいる
眠っている間にかく『汗の量はコップ1杯分』といわれています。しかもそのうち約70%を、敷布団が吸収しているのです。この大量の汗は、敷布団にカビが生える理由の一つといえます。
毎日たくさんの汗が染み込んでいる敷布団は、乾いているように見えても、実際には、水分をたっぷり含んでいる状態なのです。
そのため、じめじめと湿気の多い場所を好むカビが生えやすくなります。
湿気がこもっている
湿気がこもりっ放しになることも、カビが生える理由です。敷布団を起床後すぐに押入れにしまうことで、寝汗による湿気を逃がすことができず、カビが生える可能性があります。
カビが生えるのは使用している布団だけではありません。お客様用といった普段使わない敷布団も、湿気がこもりやすい押入れに収納し続けることで、気付くとカビが生えていることがあります。
部屋に布団を重ねている場合には、押入れと比較して湿気がこもりにくいかもしれません。
しかし、部屋の湿度が高い場合や、部屋の中でも空気が動きにくく湿気がたまりやすい場所に敷布団を置いている場合は、湿気がこもりやすくカビが生えやすいでしょう。
皮脂や髪の毛、ほこりが付いている
敷布団で眠っていると、髪の毛・フケ・アカ・皮脂などの汚れが自然と落ちてしまいます。また、日常的に使うアイテムのため、ほこりも付きやすいでしょう。
これらの小さな汚れは目立たないため、ついそのままにしてしまいがちです。しかし、小さな汚れを放置していると『カビの栄養分』になり、繁殖しやすくなる可能性があります。
カビ対策をするためには、シーツやパッドを使用して汚れが敷布団本体に付きにくくすることや、汚れが付いたシーツやパッドを小まめに洗濯することがポイントです。
カビが生えた敷布団は捨てるべき?
清潔な敷布団で眠りたいなら、カビが生えた布団はすぐに処分して、新しく購入するのがよいのでしょうか?カビが生えた敷布団をどうするべきか、判断する基準を紹介します。
カビはさまざまなトラブルの原因に
カビの生えた敷布団をそのまま使い続けるということは、眠っている間中カビを吸い込み続けるということと同じ意味です。それだけ長時間カビを吸い込んでいると、健康に影響を及ぼすことがあります。
例えば、せき・たん・くしゃみなどがあった場合、カビの影響でよりつらくなったと感じる可能性もあります。また、カビが肌に付くことで、肌荒れを引き起こすこともあるといわれています。
また、カビの臭いによって、気持ちが落ち着かず、眠りにくく可能性もあるかもしれません。カビによって『さまざまなトラブルに発展する可能性』があるため、しっかりと対策することが大切です。
捨てるかはカビの程度によって異なる
すでにカビが生えた敷布団は、カビを取り除いて使用し続けるか、捨てて新しいものに買い替えることになります。どちらを選ぶかは『カビがどのくらい生えているか』で決めましょう。
カビの生えている場所が限定的で取り除けそうな場合には、自分で洗濯をすると効率的です。洗濯をしても取り除けそうにないくらいカビがたくさん生えているなら、買い替えた方がよいかもしれません。
ただし、高価な布団の場合には、お手入れして使い続けたいというケースもあるでしょう。その場合には、布団クリーニングの業者に依頼するという方法もあります。
敷布団のカビを自力で取る方法
軽いカビであれば、自宅で取り除き、敷布団を使い続けられます。カビ取りに必要なアイテムと方法を知ることで、効果的に敷布団のカビ対策をしましょう。
最初に掃除機で表面のカビを吸い取る
敷布団のカビ取りで最初に行うのは、表面のカビを取り除くことです。掃除機を使うと、簡単でスピーディーに作業できます。
うまく取り除くポイントは敷布団から『掃除機を少し浮かせる』ことです。そうすることで、表面のカビを吸い込みやすくなります。
重曹水を利用する
表面のカビを取り除いたら、『重曹水』で敷布団のカビを拭い取りましょう。重曹水は、水300mlに重曹大さじ2杯を混ぜるだけで完成です。スプレーボトルに入れると使いやすくなります。
重曹水をカビの生えている箇所に吹きかけたら、約3~5分置きましょう。時間が経過したら、キッチンペーパーを使用して、つまむようにしながら拭き取ればOKです。
きれいに拭き取れた後は、滅菌も忘れず実施します。カビを拭き取った部分に消毒用エタノールをかけて、約5分置いてから、たたくように拭き取りましょう。最後は、水で拭き上げて完了です。
漂白剤や専用の薬剤を使う
重曹水で落とし切れないカビには、『漂白剤や専用の薬剤』を使う方法が効果的です。
漂白剤を使う場合には、乾いたタオルに漂白剤を染み込ませて、敷布団のカビが生えている部分をたたくように拭いていきます。ゆっくり少しずつ落としていくのがポイントです。
最後はタオルで水拭きしてから、天日干しをして乾燥させます。水分が残っていると、再びカビが繁殖する可能性があるため、しっかり乾かすことが大切です。
漂白剤を使っても落ちないカビには、専用の薬剤が役立つかもしれません。なかなか取れない頑固なカビに試してみましょう。
臭いが気になったら消臭スプレーを
汚れた部分が落とせたとしても、カビ臭さが残ることがあります。臭いが気になるときには、消臭スプレーを使用するとすっきりするでしょう。寝具用の消臭スプレーなら、臭いに対して即効性があり、すぐに実践できる方法なのでおすすめです。
また、消臭スプレーの中には、除菌効果が期待できるタイプもあります。除菌できる消臭スプレーなら、カビ臭さと同時にカビの繁殖予防にも役立てられるかもしれません。
敷布団内部にカビが広がっている場合もある
表面にカビが生えている敷布団は、内側にもカビが広がっている可能性があります。カビ対策をする場合には、見えない部分のカビを意識することで、効果的な対策が可能です。
初期段階のカビや内部のカビは見えない
カビは必ずしも見えるわけではありません。そのため、見えていなくても、初期段階のカビが生えていたり、敷布団の内部にカビが生えたりしていることがあるのです。
敷布団の表面にカビが見えている場合には、その周辺に目に見えないカビが無数に存在し、内側はカビの巣のようになっているともいわれています。
表面に見えているカビの黒い斑点がきれいになっただけでは、カビを根っこまできれいに退治できたのかどうか分からないのです。
しっかりカビを除去するならクリーニング
内側にはびこるカビや見えない初期段階のカビまで、きれいに一掃したいなら、『クリーニング』の利用がぴったりです。プロの道具や技術によって、敷布団の中綿まできれいにカビ対策をしてもらえます。
自宅で洗う場合でも、表面のカビであれば比較的きれいに除去が可能です。しかし、中綿まで漂白剤や薬剤を染み込ませて洗うのは、自力では難しい作業でしょう。
プロのクリーニングであれば、カビと同時に、たまった汚れもすっきりきれいな状態にしてくれます。新品のような気持ちよい寝心地の敷布団に仕上げてもらえるのです。
敷布団をカビから守る方法
洗濯やクリーニングで敷布団のカビがきれいになったら、再びカビが生えないよう、対策をすると清潔に使い続けられます。有効なカビ対策を知り、日々のお手入れで実施しましょう。
カビが好む温度・湿度・栄養を対策
カビは、最適な『温度・湿度・栄養がそろったときに活発に繁殖』し始めます。
カビ対策をするなら、カビの活動が抑えられるような環境作りを意識しましょう。カビにとっての適温は、人にとっても心地よい約20~30℃のため、温度による対策は基本的にできません。
そこで、湿度・栄養によって対策するのです。湿度約60%以上になると繁殖しやすくなるため、換気や天日干しをして湿気をためないようにします。
また、髪の毛やほこりなどの汚れもカビにとって栄養となるため、小まめな掃除もカビ対策に役立つ方法です。
毎日上げ下げし、敷きっぱなしにしない
起床後に布団を上げ就寝時に下げる、という習慣を身につけることも、敷布団のカビ対策として有効な方法です。
敷きっ放しの万年床では、眠っているときにかいた汗の水分が、徐々に床との接地面にたまってしまいます。すると、敷布団の裏側や床にカビが広がってしまいやすいのです。
敷布団は『上げ下げして使うのが基本』と考え、毎日の習慣を見直すことで、カビの予防ができます。
すのこなどを利用し床直置きを避ける
床にじか置きで敷布団を使っている場合、敷布団と床の間は湿気がたまりやすい状態です。特に、湿気を吸収しにくいフローリングに敷布団を敷いていると、湿気がたまりやすい傾向があります。
そのようなときには、すのこの上に敷布団を敷くことで、湿気が逃げやすい状態を作りましょう。すのこによって、敷布団と床の間に隙間ができるため、通気性が向上するのです。
コルクマットを敷布団の下に敷く方法もあります。汗による水分を吸収すると同時に、適度な柔らかさや脱臭の効果が期待できる点もポイントです。
手軽な湿気対策なら、バスタオルを敷布団の上に敷いて寝るとよいでしょう。バスタオルが汗を吸収し、敷布団への染み込みを抑えます。
晴れている日は干す
からりと晴れた日には、できるだけ敷布団を『天日干し』するというのも、有効なカビ対策です。可能であれば、毎日干すとよいでしょう。
天日干しをすることで、夜間にたまった湿気をしっかり逃がせます。余計な湿気が発散されることで、ふかふかの敷布団になるのです。
外に敷布団を干すときには、10:00~15:00頃に干しましょう。コットンの敷布団なら約2~4時間を週に1〜2回、羽毛の敷布団なら約1時間を月に1〜2回が干し時間と頻度の目安です。
雨やくもりで敷布団を外に干せないときには、寝室と別の部屋で干すだけでも湿気を逃がしやすくなります。
サーキュレーターや扇風機の風を当てながら干すことで、敷布団周囲の湿った空気を飛ばし、さらに湿気を逃がしやすくできるのです。
布団乾燥機を日常的に使おう
温風を送りこむ布団乾燥機を使用すると、天日干しができないときでも敷布団の湿気をからりと乾かせます。毎日のお手入れに布団乾燥機を活用すると、敷布団のメンテナンスの手間が抑えられ便利です。
カビ予防に日頃のメンテナンスが重要
布団乾燥機で敷布団を乾燥させると、湿気が飛び、『天日干ししたようにふかふかの状態』になります。日常的なメンテナンスとして実施することで、カビが生えにくい状態をキープできるのです。
天日干しは天気に左右されてできない日もありますが、布団乾燥機であればどのような気候のときでも使えます。雨が続き敷布団に湿気がこもりやすい梅雨の時期にも、からりと乾かせるのです。
季節や天候を問わず、いつでも気持ちよく眠りやすい敷布団に整えるために、役立つアイテムといえます。
敷布団用布団乾燥機の種類
天候に左右されずに使える布団乾燥機には、主に『マット式』『ホース式』『マット・ホース不要式』の3種類のタイプがあります。現在主流になっているのは、ホース式です。布団の中にホースを差し入れてスイッチを入れるだけで、布団に温風を送れます。
ぱかっと本体を開くだけで使えるマット・ホース不要式のタイプも、ワンタッチで手軽に使用可能です。しかし、この2種類のタイプの機種には、温風が布団全体に広がりにくいものもあります。
このデメリットを解消できるのがマット式です。温風を送りこむマットを敷布団と掛布団の間に敷くことで、全体を素早く乾燥させられます。ただし、マットの設置や収納が手間に感じるかもしれません。
ライフスタイルに合わせて使いやすいタイプを選びましょう。
効果的な使い方
毎日のお手入れで効果的に布団乾燥機を使うには、ポイントがあります。『布団のシワを伸ばして』から使用するのです。
シワが寄っていると、布団乾燥機から送られる温風がまんべんなく届きにくくなります。すると、熱の伝わり方が違うため、乾燥の仕方にムラが出てしまいやすいのです。
布団乾燥機をセットする前の一手間で、カビ対策がより効果的になります。
また、敷布団だけでなく、毛布や枕といった寝具も一緒に乾燥させると、寝具一式がからりと乾燥して気持ちよく眠りやすいでしょう。
毛布は掛布団の上に乗せて、枕は敷布団と掛布団の間に入れて、布団乾燥機をかければOKです。
敷布団はしっかり湿気対策しよう
寝汗や押入れ内の湿気を吸収しやすい敷布団は、日常的なお手入れで湿気対策をすることが大切です。しっかり湿気対策ができれば、敷布団はカビにくく気持ちよい状態をキープできます。
カビの原因を断つ
湿気対策は、カビが生える原因を取り除くことにつながります。カビは、温度・湿度・栄養の三つの条件がそろうと、繁殖しやすい性質があり、自宅で行う対策として実践しやすいものは湿度管理です。
湿気対策をして乾燥した状態を保てると、カビにとって居心地の悪い環境になるため、カビが生えにくくなります。
具体的には、湿度が約60%以下の状態を保てるよう、部屋の換気をしたりエアコンのドライ機能を利用したりすると、敷布団の湿気も逃げやすくなるのです。
敷布団自体も、天日干しや布団乾燥機で毎日乾燥させる習慣をつけると、湿気が逃げてカビにくくなります。
快眠にも効果あり
敷布団の湿気対策は、心地よい眠りにも役立つといわれています。湿気がこもったままの敷布団はじめじめした質感で冷たく感じるため、寝心地が悪く感じるでしょう。
一方、天日干しや布団乾燥機で乾かした敷布団は、ふんわり温かく快適に眠りやすい質感です。気持ちよい布団に包まれることで、快眠につながりやすくなるでしょう。
また、湿気対策をすることでカビが生えにくくなると、カビによるトラブルの防止につながります。せきやくしゃみ・鼻水といった不調が出にくくなることも、快適な眠りに役立つでしょう。
まとめ
毎晩たくさんの汗を吸収する敷布団は、カビが繁殖しやすい条件がそろっています。そのため、起床後の敷きっ放しや、湿気が逃げる前に収納することで、常に湿った状態になり、カビが生えやすくなるのです。
カビが生えた敷布団は、状態に合わせて洗濯やクリーニングをしましょう。軽いカビなら重曹水や消毒用アルコールで拭き取り、それで落ちない場合には、漂白剤や専用の薬剤を使用します。
見えない部分にもカビが広がっている場合には、プロに依頼すると安心です。きれいになった敷布団は、毎日の上げ下げ・天日干し・布団乾燥機の使用などで、快適な状態をキープできます。