敷布団の寿命は何年?長持ちさせる習慣と手入れ、替え時もチェック
敷布団の寿命を知っていますか?寝心地がいまいちよくない、起きたとき体に痛みがある、などと感じる場合には、買い替え時かもしれません。また、敷布団の寿命は、日々の手入れによって変わります。適切な手入れ方法をチェックして、長持ちさせましょう。
敷布団の寿命は何年ぐらい?
毎日使う敷布団は、何年を目安に買い替えや手入れが必要なのでしょうか?敷布団の寿命とその理由を紹介します。
快適に利用できるのは約3年が目安
新品の敷布団は、ふかふかで清潔感があり、気持ちよく横になれます。この気持ちよい状態が続くのは『約3年』です。そのため、快適に使える期間を敷布団の寿命と考えるなら、約3年が寿命といえます。
コットン・ウール・ポリエステル・ウレタンなど、素材の違いはあっても、約3年という寿命の目安は変わりません。
そのため、どのような敷布団でも、使い始めておよそ3年が経過したら、状態をチェックした方がよいでしょう。気が付くと、思っていたよりもへたっていることがあります。
敷布団の寿命が長くない理由
敷布団の寿命が約3年と短めなのは、毎日使う寝具だからです。しかも、『全身の体重を眠っている間ずっと支え続けて』います。負担がかかり続けることで、へたってしまいやすいのです。
また、眠っているときにおよそコップ一杯の汗をかくといわれており、それが敷布団の寿命が短くなる一因でもあります。
かいた汗の約70%は敷布団が吸収しているといわれています。そして、吸収した汗の湿気は、カビの原因になったり、ダニの増殖につながったり、蒸れにより寝心地が悪化したりするのです。
その結果、比較的短い期間で寝心地が悪くなってしまうのです。
敷布団を長持ちさせる習慣
全身の体重を支え、汗を吸収することで、負担がかかりやすい敷布団ですが、手入れ次第では長持ちさせることも可能です。敷布団の正しい手入れ方法をチェックしましょう。
毎日上げ下げする
日々の手入れでまず実施するのは『毎日の上げ下げ』です。
寝ている間にたくさんの汗を吸収する敷布団は、敷きっぱなしにしておくと湿気がたまってしまいます。そして、たまったままの湿気により、敷布団が傷んでしまうのです。
そこで、起床後に敷布団を畳むことで、たまった湿気が逃げやすくなります。カビやダニの発生を抑えることにつながるのです。
ただし、起きてすぐに収納すると、敷布団にたまった湿気が収納場所でこもる可能性があります。まずは掛布団を畳み、しばらく湿気を逃がしてから収納しましょう。
収納場所の湿気にも注意が必要です。湿気の多い場所に収納すると、敷布団がいつまでも湿ったままになってしまいます。
シーツや敷きパッドを利用する
シーツや敷きパッドを使うことも、敷布団を長持ちさせるためのポイントです。眠るときに装着し、敷布団の傷みにつながる汗や汚れが、敷布団本体に染み込むのを防ぎましょう。
敷布団を丸洗いするのは大変ですが、シーツや敷きパッドは洗濯しやすいアイテムです。小まめに洗うことで、汗はもちろん皮脂汚れやダニなども落とせます。
清潔な状態をキープしやすくなるため、寝心地のよさが長く続くのです。
布団乾燥機を使う
『布団乾燥機』を使うのもよい方法です。温風を布団に送ることで、天日干しをしたように空気を含んでふんわりと乾燥することができます。
しかも、天日干しのように天気に左右されることがありません。いつでもからりと乾いた敷布団をキープできるのです。
また、布団乾燥機の中には、ダニ対策ができるタイプもあります。敷布団のアレルゲンが気になる人にとっても、布団乾燥機は役立つでしょう。
毎日の敷布団の手入れにプラスすることで、布団を快適に使い続けやすくなるアイテムです。
敷布団の寿命を伸ばすためには湿気対策が重要
できるだけ長く敷布団を使い続けたいと考えているなら、毎日の上げ下げや布団乾燥機などで湿気対策を心がけましょう。湿気対策が不十分だと、敷布団の寿命が短くなることにもつながります。
湿気はカビの発生や素材劣化の原因に
カビが繁殖しやすいのは湿度『約60%以上』のときといわれています。敷布団には、カビの栄養になるフケやホコリなどが付着しやすく、敷布団の湿気を放置していると、カビが生える原因になる可能性があります。
加えて、湿気により敷布団の素材が劣化しやすくなることも考えられます。そのため、湿気がこもったままの敷布団では、寿命が短くなりやすいのです。
毎日汗を吸収する敷布団は、放っておくと湿気を含んだまま乾くことができません。そのため、素材に合わせた干し方で、乾燥を心がけることが大切です。
睡眠の質へも悪影響
湿気がこもることにより蒸れた敷布団では、じめじめ感が気になり、気持ちよく眠れないと感じることがあるかもしれません。
また、カビが生えたりダニが繁殖したりしやすくなり、放っておくと臭いやかゆみなどで寝心地が悪く感じることもあるでしょう。湿気による影響で、睡眠の質が低下する可能性があるのです。
睡眠の質を保つためには、敷布団を十分乾燥させることに加えて、寝室の湿気を低く抑えることもポイントです。寝室の湿気が高いと、敷布団を乾燥させても再び湿ってしまいます。
換気をすることや、荷物を整理して湿気の通り道を作ること、収納場所の扉を開けて湿気を逃がすことなどが、寝心地の改善に役立ちます。
敷布団を清潔に保つ方法
質のよい睡眠のためには、清潔で気持ちよく眠れる敷布団であることが大切です。そのためにできる具体的な方法を紹介します。敷布団の手入れにプラスして、清潔をキープしましょう。
すのこなどを利用し湿気を逃がす
清潔な敷布団をキープするために大切なのは湿気をためないことです。フローリングに直接敷布団を敷いているのであれば、すのこなどを利用するのも一つの方法です。
湿気は逃げ道がないとカビや結露の原因になり、接している床も不衛生な状態につながります。そのため、すのこを使って通気性を確保すると、効果的に衛生管理ができるのです。
すのこの中には、二つ折りにして立てることで、起床後そのまま敷布団を干せるタイプもあります。上げ下げがよりラクにでき、寝ているときも起きているときも、簡単に湿気を逃がしやすく便利です。
掃除機をかける
一見汚れていないように見える敷布団でも、目に見えない細かな汚れがたくさん付いていることがあります。例えば、ホコリ・フケ・アカ・ダニのふんなどです。これらの汚れを取り除くには、掃除機が便利です。
掃除機をかけるときには、できるだけゆっくり動かすことがポイントといえます。ヘッドの向きを変え、小刻みに動かしながら、掃除機をかけましょう。
表と同じように裏も掃除機をかけると、敷布団全体の汚れを吸い取れます。また、布団専用のヘッドを使うとより清潔ですし、汚れを効果的に吸引しやすいでしょう。
毎日の手入れとして習慣にするのはもちろん、天日干しや布団乾燥機の後にも掃除機がけをすると効果的です。
敷布団の正しい干し方
敷布団の湿気を飛ばしてふんわり乾燥させるためには、天日干しがぴったりです。適切な方法で敷布団を干す習慣で、敷布団の寿命を延ばしましょう。
天気のいい日に数時間干す
天日干しはよく晴れた日に行います。ただし、晴れている日でも、前日に雨が降った日や、早朝や夕方などの湿気が多いタイミングは、干すのに向いていないので注意しましょう。
空気が乾燥している午前10時から午後3時の間に約2~3時間干すと、敷布団はふんわり気持ちよく乾燥します。ただし、素材によっては、天日干しに向かないことがあるため注意しましょう。
例えば、ウールは天日干しで変色の可能性がありますし、ウレタンは紫外線により劣化しやすい素材です。天日干しに向かない素材の敷布団は、風通しのよい室内や日陰で干しましょう。
布団をたたくのはNG
天日干しした敷布団は、『表面をなでる』ようにして仕上げると、付着したホコリやアレルゲンを払い落とせます。
「布団たたきで思い切りたたく方が、ホコリが落ちそう」と思うかもしれませんが、敷布団を長持ちさせるには向いていません。ダニが敷布団の内側に逃げる可能性や、敷布団の繊維を傷つけることがあるからです。
干すたびに敷布団をたたいていると、敷布団のクッション性や断熱性が低下することも考えられます。
裏表を入れ替えて干す
干すときには、敷布団の表だけでなく、忘れずにひっくり返して裏も干しましょう。
天気のよい日に干しても、ひっくり返さずにいると裏側はずっと日が当たりません。日陰の状態のため、湿気が完全に乾き切らないこともあるのです。
表を少し長めに干したら、入れ替えて裏側も干すと、敷布団全体がからりと乾燥しやすくなります。
敷布団の買い替え時を見極める方法
できるだけ長く使えるよう、湿気対策をし、清潔にしてきた敷布団でも、いつかは買い替えるタイミングがやってきます。敷布団の買い替え時はどのように見極めるとよいのでしょうか?
へたりやつぶれが出てきた
寝ているときに、へこんでいる部分や、ぼこぼこした部分があると感じるなら、敷布団が『へたって寿命を迎えた合図』かもしれません。
へたった敷布団を使い続けていると、寝ているときの姿勢が崩れやすくなることや、寝返りが打ちにくいことがあります。腰の痛みといった不調が表れることもあるため、早めに新しい敷布団に買い替えましょう。
カビが生えた
湿気がひどく『カビが生えた』ときも、買い替えのタイミングといえます。軽いカビで、重曹水や漂白剤で落とせる場合には、引き続き使うこともできるかもしれません。
しかし、自力で対処できないくらいたくさんカビが生えたときには、買い替えを検討しましょう。
高価な敷布団なら、クリーニングに出して使い続けるのもよいかもしれません。しかし、比較的安価な敷布団であるなら、新しいものを購入した方が、低コストで気持ちよく使える可能性があります。
敷布団の捨て方
寿命を迎えて使えなくなった敷布団は、処分しなければいけません。捨て方は、自治体に回収してもらう方法と、不用品回収業者に依頼する方法が代表的です。
自治体に回収してもらう場合には、ルールに従って回収を依頼しましょう。粗大ごみとして回収する自治体の場合には、事前に粗大ごみ用のシールを購入し、ごみ回収を申し込むケースが多いです。
指定された日にちに、購入したシールを貼って敷布団を出しておくと回収してもらえます。中には、敷布団を細かく切ることで、燃えるごみとして出せる自治体もあるため、確認しましょう。
すぐに処分したいなら、不用品回収業者に頼むと便利です。事前に見積もりをすると、安心して依頼できます。
素材によってはクリーニングや打ち直しも検討
へたりが気になる敷布団でも、素材によってはクリーニングや打ち直しをして使い続けられる可能性があります。どのくらいの費用がかかるかをチェックして、検討しましょう。
クリーニングはどうやってする?
専門の業者が行うクリーニングでは、業務用の大きな洗濯機で敷布団を『丸洗い』します。自宅で干したり気になる汚れを落としたりするのとは違い、奥に染み込んだ汗や皮脂の汚れを徹底的に落とせるのです。
乾燥するときには、専用の乾燥機を使用して熱風で乾かすため、ダニやカビの対策もできます。
自宅では大きすぎて洗うのが難しい、セミダブルやダブル以上のサイズの敷布団も、業務用洗濯機や乾燥機ならきれいに丸洗いが可能です。
クリーニングに出すと新品同様にふかふかの状態で敷布団が戻ってきます。1年間に季節ごと約2回を目安にクリーニングを利用すると、敷布団を長く使い続けられるでしょう。
クリーニングの相場
敷布団のクリーニングは『約4500~8000円』が目安です。サイズによって料金が違うため、大きなサイズは追加料金が必要なこともあります。また、素材の種類によって料金設定が変わることもあるのです。
防ダニ加工のようなオプションをプラスできる場合もあります。敷布団の使用状況に合わせてプラスすると、扱いやすくなるでしょう。
業者の中には、まとめて複数枚の敷布団を出すことで、割引価格を設定しているところもあります。業者ごとの価格設定の特徴を理解して申し込むと、お得にクリーニングを利用できるでしょう。
それぞれの業者ごとに、いくらでクリーニングができるか、見積もりを出してもらうと比較検討しやすくなります。
打ち直しとは?
へたって薄くなった敷布団は、打ち直しをすることで、ふかふかに生まれ変わる可能性があります。
薄くぺちゃんこになってしまった敷布団の中綿は、新品のときと比較して、繊維同士が絡まりぎゅっと固まった状態です。この綿をふかふかに復活させる加工を『打ち直し』といいます。
打ち直しでは、薄くなった綿を全て取り出し、機械を使って繊維を解きほぐしてから、再び敷布団に仕立て上げます。
打ち直し後の敷布団は、まるで新品のように柔らかさや厚みが出ます。繊維を解きほぐす作業により、敷布団の綿中にたっぷりの空気を含み、保温性や吸湿性まで高まります。
長年の使用で中に染み込んだ汚れや、入り込んだダニなども取り除くため、清潔さもよみがえる加工です。
打ち直しができるのはどんな素材?
打ち直しは、綿であればほとんどの素材でできます。例えば、ウール・ポリエステル混綿なども可能です。また、業者によっては、ウレタンの打ち直しに対応しているところもあります。
打ち直しができる素材は業者ごとに異なるため、今使用している敷布団の素材を確認した上で、その素材に対応している業者から選ぶとよいでしょう。
さまざまな素材に対応している打ち直しですが、年数や状態があまりにも悪い敷布団の場合は、打ち直しても快適な寝心地が復活しないこともあります。一旦はふんわりした状態になっても、すぐにへたることもあるそうです。
そのような、既に寿命を迎えた敷布団は、打ち直しよりは買い替えを検討した方がよいかもしれません。
打ち直しの費用
業者や敷布団のサイズによって打ち直しの料金は違います。相場は『新品の約2/3の料金』です。
シングルなら約7500~1万1000円、セミダブルなら9000~1万2000円、ダブルなら1万~1万5000円と考えておきましょう。
業者によって料金はさまざまに設定されています。クリーニングと同様、複数の業者で見積もりを取ると比較しやすいでしょう。
まとめ
敷布団の寿命は約3年といわれています。毎日約6~7時間も全身の体重を支え続けるため、へたりやすいのです。大量の汗を吸収し、湿気で傷みやすくなるのも寿命が短い理由といえます。
そこで、できるだけ長く敷布団を使い続けるためには、日々の湿気と汚れへの対策が欠かせません。
湿気対策には、起床後に畳んで収納することや、定期的な天日干し・すのこの利用などが有効です。汚れ対策には、シーツや敷きパッドを使用しましょう。
定期的なクリーニングで、染み込んだ汚れやダニを丸洗いすることも、敷布団の寿命を延ばすことにつながります。また、へたって薄くなった敷布団は、打ち直しを検討するのもよいでしょう。