安いけど使い心地のよい枕を!選び方やおすすめ商品を紹介
毎日肌に触れる寝具は、よい物を使いたいものです。自分に合った枕を選べれば、高価な枕を買わなくても上質な睡眠につながるかもしれません。そこで、使い心地や機能性に優れていて安く買える枕の選び方や、おすすめ商品を紹介します。
安い価格の枕を買うのはあり?
安い価格の枕を探しているものの、安い枕では睡眠の質が悪くなるのではと考えている人もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、自分に合った枕を選べば安くても質のよい睡眠を手に入れられる可能性が高まるでしょう。
品質や使い心地を確認することも大事
枕を買うときには、値段以外にもチェックしたいポイントがいくつかあります。品質や使い心地の確認も、枕選びにおいて大事といえます。
枕の品質は、高ければいいわけではありません。高額な枕のほうが長持ちしそうなイメージはありますが、手入れを怠るとすぐにへたってしまいます。メンテナンスに自信がなければ、頻繁に買い替える前提で安い枕を購入するのも選択肢の一つです。
枕そのものの値段や品質よりも、使い心地が枕選びでは重要といえるでしょう。自分に合っていない枕で寝ると、首や肩に過度の負担がかかり、肩こりや頭痛などの原因になりえます。後述するポイントを押さえ、使い心地のよい枕を選びましょう。
自分に合う枕を選ぶポイント
人間の体重に占める頭の重さは、成人で約10%といわれています。重い頭を支えるには、自分に合う枕選びが重要です。そこで、自分に合う枕を選ぶポイントを三つ紹介しましょう。
サイズや形をチェック
まずは、サイズや形をチェックしましょう。枕のサイズは多岐にわたりますが、一般的には次の3サイズが展開されています。
- 幅35cm × 長さ50cm
- 幅43cm × 長さ63cm
- 幅50cm × 長さ70cm
3サイズの中でも一般的な日本人に適しているのが、長さ63cmの枕です。小柄な人には一回り小さい長さ50cmの枕、大柄な人には一回り大きい長さ70cmの枕がいいでしょう。ただし、小柄でも寝返りを大きく打つ人や子どもなら、枕から頭が落ちないよう大きめの枕を選ぶのもおすすめです。
サイズだけでなく形状も異なります。一般的な長方形の枕だけでなく、首のカーブに沿って下半分が高くなっているタイプなどもあります。体の悩みや目的に合わせて適切な形を選びましょう。
高さは体形に合わせて
枕選びにおいて、枕の高さは重要なポイントといえるでしょう。首への負担を減らし、睡眠中にスムーズに呼吸できる姿勢を保てるのが、最適な枕の高さといわれています。
体格や年齢、性別などによって最適な枕の高さは変わります。高さのある枕なら、運動習慣のある人やしっかりした体格の人、男性にフィットしやすいといえます。細身の人や子ども、女性なら低めの枕がいいでしょう。
寝姿勢によっても最適な枕の高さは異なります。仰向きで寝る人には、横から見たときに首の骨がゆるやかなS字カーブを描くような高さがおすすめです。横向きで寝る人には、首の骨が床と並行になるよう、肩幅に合わせて枕の高さを選ぶといいでしょう。
素材も重要
詳しくは後述しますが、枕を選ぶうえでは素材も重要です。手入れのしやすさや素材ごとの機能、硬さなどを確認するといいでしょう。
枕は毎日使うものなので、汗や皮脂などがたまりやすくなっています。自宅で手軽に洗える素材かどうかも、確認するといいでしょう。素材ごとの機能とは、頭圧分散性やフィット感、通気性などを指します。悩みや好みに合わせ、快眠につながりやすい素材を選びましょう。
枕の硬さは好みに合わせて選べばよいでしょう。同じ素材でも硬さの感じ方は人によって違うので、できれば店頭で実物を触って硬さを確かめましょう。実物の確認が厳しければ、商品情報や口コミなどを参考にして自分に合うか判断しましょう。
枕の素材別の特徴
前述の通り、自分に合う枕を選ぶには素材選びが重要です。睡眠時の悩みや体形、硬さの好みは人それぞれなので、枕の素材選びには決まった正解がありません。そこで、一般的な枕の素材を五つ取りあげ、それぞれの特徴を紹介します。
低反発・高反発ウレタン
ウレタンは、枕のオーソドックスな素材の一つです。低反発と高反発の2種類があるので、自分に合うほうを選びましょう。
低反発ウレタンは、頭や首を包み込むタイプの素材です。やわらかい低反発ウレタンは、頭や首にフィット感を得られるでしょう。水に弱く水洗いできないので、汚れや汗から枕を守る枕プロテクターとの併用がおすすめです。
高反発ウレタンは、頭や首を支えるタイプの素材です。硬さのある高反発ウレタンは、寝返りが打ちやすいとされています。高反発ウレタンの場合、ものによって水洗いできるかどうかが変わります。枕は毎日使う物なので、水洗いできる物がいいかもしれません。
パイプ
パイプは、ポリエチレン製の素材です。ストローを短くカットしたような素材で、硬めの枕を探している人に向いています。通気性にも優れているので、夏場の使用にもおすすめといえるでしょう。水で丸洗いできるうえに劣化しづらいので、長期利用を前提にした枕を探している人にもパイプはよいでしょう。
パイプの特徴として、寝返りなどのわずかな動きでも素材の音がしやすいことがあげられます。就寝時に周囲の音が気にならない人にパイプはおすすめです。比較的リーズナブルな枕が多いのも、パイプのメリットといえるでしょう。
フェザーやダウン
フェザーやダウンは、やわらかい枕を探している人におすすめです。フェザーやダウンを用いた枕は、両者の比率によって呼び方が変わります。フェザーが51%以上を占める枕は『羽毛枕』、半々またはダウンが51%以上を占める枕は『羽根枕』と呼ばれます。フェザーとダウンの違いは以下の通りです。
- フェザー:鳥の胸元あたりから採れる毛。タンポポの綿毛に似て軸がない
- ダウン:鳥の翼から採る羽根。赤い羽根共同募金でもらえる羽根のように軸がある
通気性や保温性に優れていて、通年で使いやすいのがフェザーやダウンのメリットです。冬は暖かく、夏は湿気を逃してくれます。化学素材にない独特のふんわりした触感も特徴といえるでしょう。繊細な天然素材ゆえに水洗いはできません。普段は日陰干しし、たまにクリーニングに出してメンテナンスするのがおすすめです。
そば殻
そばの実を乾燥させたそば殻は、古くから日本で枕に使われている素材です。通気性や放湿性に優れていて、蒸し暑い夏場でも涼しく眠れるでしょう。硬い枕を探している人や睡眠中の蒸れが気になる人におすすめです。動きに合わせて実のぶつかる音がするので、音が気にならない人にも適しています。
枕を使ううちにそば殻がつぶれると、枕からそばの粉が出ることがあります。そばの粉はアレルギー症状を引き起こす可能性があるので、枕からそばの粉が出たら買い替えたほうがいいでしょう。
そば殻は水洗いできないので、頻繁に天日干しするなど枕の手入れが必要になります。そば殻が割れてしまうので、天日干しの際は枕を叩かないようにしましょう。
ビーズ
フィット感に優れたビーズは、クッションやソファーでも人気の素材です。ビーズは細かい粒子状になっているので、独特の触り心地を楽しめるでしょう。ビーズの素材は発泡スチロールのため、体を動かしてもビーズ同士のぶつかる音が気になりづらいです。
ビーズの枕の注意点は、寝返りが打ちづらいことです。頭や首にビーズが密着するので動きづらく、首周りの血流が悪化する恐れがあります。ぴったりフィットするので、熱がこもりやすいのもビーズの特徴です。ビーズの枕の多くは水洗いできないので、陰干しして湿気を逃しましょう。
安いのに機能的なおすすめ枕
安価ながら使い心地のよい枕は多くあります。安さと機能性を両立させた、5000円以下の枕を三つ紹介しましょう。メンテナンスのしやすさなど、機能面を重視する人は枕選びの参考にしてください。
高さ調整が可能「トゥーベスト メッシュ パイプ枕」
『トゥーベスト メッシュ パイプ枕』は、高さ調整が可能な枕です。サイドのファスナーを開ければパイプを出し入れできます。パイプの量を調整すれば、自分好みの高さに枕をカスタマイズ可能です。枕の中央がくぼんでいて、後頭部をやさしく包みます。サイドが高くなっており、スムーズに寝返りを打てるとされています。
手入れのしやすさもこの枕のメリットです。詰め物にはパイプ、カバーには3Dメッシュを採用しているので、洗濯機で枕本体ごと洗えます(自宅の洗濯機の取扱説明書の確認は必要です)。3Dメッシュは通気性・吸水性に優れているので蒸れにくく、年間を通じて快適な睡眠環境を整えてくれるでしょう。
通気性に優れた「AYO 高反発枕」
『AYO 高反発枕』は、通気性に優れた枕です。表地には肌触りのよい綿を採用しています。表面は格子柄になっているので一点に負荷がかかりすぎず、バランスよく頭圧を分散してくれるでしょう。洗濯ネットを使えば洗濯機で丸洗いできるのも、この枕のメリットです(自宅の洗濯機の取扱説明書も確認しましょう)。
枕のサイズは一般的な幅43cm × 長さ63cmですが、この枕の高さは約17cmです。ファスナーを開ければ自由に詰め物の量を調整できるので、低めの枕が好きな人でも使用できます。この枕は羽毛のようなやわらかさと弾力性を兼ね備えているので、適度に頭が沈み、自然な状態に首や頭をキープしてくれるでしょう。
暑い季節も快適「ニトリ ジェル付き低反発まくら(ジェルタッチ3)」
湿気や蒸れなどに悩まされる時期におすすめなのが『ニトリ ジェル付き低反発まくら(ジェルタッチ3)』です。新感覚の涼感素材が採用されているので、暑い季節を快適に過ごしやすくしてくれるでしょう。洗濯ネットを使えばカバーは洗濯機で洗えるので、枕を衛生的にキープしやすくなっています。
素材には低反発ウレタンを使用しているので、フィット感に優れています。フィット感のある枕は蒸れやすかったり熱がこもりやすくなったりしますが、接触冷感カバーがこれらの悩みを解消してくれるでしょう。下半分に厚みを持たせているので、仰向きで寝る人におすすめです。
商品名:ニトリジェル付き低反発まくら(ジェルタッチ3)
楽天:商品ページ
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寝心地抜群のお得な枕
安いけれど使い心地のよい枕は、機能性に優れているものだけではありません。安い枕には、寝心地にこだわっている枕もあります。ここからは、5000円以下で買える寝心地抜群の枕を三つ紹介しましょう。
頭や首をしっかりサポート「イケア ミョルククロッカ」
『イケア ミョルククロッカ』は、スウェーデンの家具量販店・イケアの枕です。断面が台形になっていて、面を変えることで横向きと仰向き両方に合った睡眠のサポートを受けられます。
横向きで寝る人は、面積の大きい面を上にしましょう。枕の隙間に肩が収まるので負担が軽くなり、頭や首をしっかりサポートしてくれます。仰向きで寝る人は、面積の小さい面を上にしましょう。首を傾斜面が支えるので、首周りをリラックスさせた状態での睡眠を期待できるでしょう。
ポリウレタンの形状記憶フォームに空いている小さな穴が空気の循環を促すので、湿気を逃がしてくれます。通気性に優れたカバーは洗濯機で洗えるので、枕を衛生的にキープできるでしょう。
ホテルのような心地よさ「アイリスプラザ ふわふわマイクロファイバー枕 」
『アイリスプラザ ふわふわマイクロファイバー枕』は、ホテルのような心地よさを家庭で味わえるとされている枕です。中材には、羽毛のような触り心地が特徴のマイクロファイバーを採用しています。通気性や吸水性などに優れているので、快適な睡眠環境を整えてくれるでしょう。
カバーの表面には、桃の薄皮に似た質感のピーチスキン生地を採用しています。極細の糸で織られた少し起毛のあるカバーは透湿防水・撥水性に長け、なめらかな肌触りと高い機能性を両立しています。
この枕はカバーも本体も丸洗い可能です(洗濯機の取扱説明書を事前に確認しましょう)。中材のマイクロファイバーは速乾性に優れているので、頻繁な手入れにも適しています。
柔らかな質感「無印良品 頭を支える沈み込み過ぎないふっくら枕・低め」
『無印良品 頭を支える沈み込み過ぎないふっくら枕・低め』は、やわらかな質感が特徴的な枕です。商品名の通り、沈み込みすぎずちょうどいい高さで頭を支えてくれるでしょう。高さは普通と低めの2種類から選択可能です。今回紹介する低めタイプでは、頭を乗せた状態で高さ約3.5cmのキープを目指しています。普通タイプの高さは約5cmです。
枕をふっくらさせるため、綿で包んだ中芯を一つ一つ手作業で詰めているのも、この枕の特徴です。手間をかけ、包み込まれるようなやわらかい感触を生み出しています。この枕は水洗いできないので、メンテナンスするときは日陰干しで枕内の湿気を逃しましょう。
商品名:無印良品 頭を支える沈み込み過ぎないふっくら枕・低め
無印良品:商品ページ
正しい枕の使い方
枕は物心がついたときから当然のように使っているものなので、正しい使い方を意識したことがない人もいるのではないでしょうか。正しい方法で枕を使えば、睡眠中に首や頭にかかる負担の軽減につながるでしょう。
首の下に隙間を作らない
首の下に隙間を作らないように枕を当てましょう。頭だけを枕に乗せて首が宙に浮いている状態で寝ている人も多いかもしれませんが、この状態では首が不安定です。首を安定させないと首に負担がかかり、肩こりや頭痛の原因となる可能性があります。
正しい枕の使い方は、首を枕に乗せて肩を枕の下端にくっつけます。首のS字カーブとマットレスの隙間を枕で埋めるイメージです。枕と接する部分全体で頭の重さを支えるので、正しく枕を使えば首の負担の軽減につながるでしょう。
正しい寝姿勢を意識して
正しい寝姿勢は、理想の立ち姿勢をそのまま横に寝かせた姿勢といわれています。理想の立ち姿勢は、自然で楽な状態で立ち、S字カーブを背骨が描いている状態とされます。正しい寝姿勢を保つには、横になった状態でも自然な立ち姿勢をキープできるよう、頭や首を枕でサポートする必要があります。
正しい寝姿勢をキープする枕の使い方のポイントは、肩から頭にかけて10~15度の傾斜をつけることです。肩や首の負担が減り、リラックスして眠れる可能性が高まります。また、顔面も真上を向くのではなく、少しうつむくくらいがおすすめです。呼吸がしやすくなるので、軽く顎を引いた姿勢を意識するといいといわれています。
枕を清潔に保てる手入れ方法
枕は毎日使う物です。どんなにいい枕を使っても、手入れを怠るとすぐへたってしまいます。逆に、安い枕でもしっかりメンテナンスすれば長持ちさせることが可能です。メンテナンスは枕を長持ちさせるだけでなく、衛生的にキープすることにもつながります。枕を清潔に保つ手入れ方法を紹介しましょう。
カバーは定期的に洗濯を
枕の前に、カバーの手入れ方法を紹介します。カバーは定期的に洗濯をしましょう。枕本体は洗えなくてもカバーは洗える場合が多いので、カバーの洗濯が就寝環境を清潔にキープすることにつながります。
カバーの洗濯頻度の目安は、夏なら2~3日に1回、冬でも1週間に1回です。就寝環境によって変わるので、冬場でも暖房を入れた部屋でいっぱい汗をかくなら週2回ほど洗濯したほうがいいでしょう。漂白剤を使える素材なら、おしゃれ着用の酸素系漂白剤を使うと黄ばみを落とせます。梅雨時などに備えて洗い替えのカバーを用意しておくと安心です。
洗える枕の手入れ方法
枕を洗濯機で洗える場合は、大きめの洗濯ネットに枕を入れ、枕にかからないように中性洗剤を入れてください。枕に直接かけると、すすぎ残しの原因になります。
洗濯はやさしく洗えるコースを選びましょう。洗濯後は枕の中材をならし、洗濯表示の記載通りの方法で乾かしてください。ただし、自宅の洗濯機が枕の洗濯に対応しているのかどうか、事前に取扱説明書を確認しましょう。
枕を手洗いする場合は、手が荒れるのを防ぐためにゴム手袋をしましょう。洗面台や浴槽に40度ほどのお湯を張り、中性洗剤を入れて泡立てます。強く揉まずにやさしく押し洗いしてください。汚れが気になる場合はつけ置きしましょう。5~6回水を替えながらすすぎ、やさしく押すように水気を切ります。洗濯表示の記載通りの方法で乾かしてください。
洗えない枕の手入れ方法
洗えない枕を日常的に手入れするには、干すのがおすすめです。どんなに通気性に優れた素材の枕でも湿気はたまるので、干すことで湿気を逃しましょう。天日干しできるかどうかは洗濯表示で確認してください。両面をまんべんなく干すためにも、枕用のハンガーなどを使うと便利です。
半年~1年に1回程度は、枕もクリーニングに出すといいでしょう。素材によってはクリーニング店でも断られる場合がありますが、フェザーやダウンは比較的クリーニングしてもらえる傾向にあります。ほかにも枕プロテクターをつけたり、布団クリーナーを使ったりするのもおすすめです。
まとめ
安くても機能性や寝心地にこだわった枕は多くあります。素材や形のバリエーションは豊富なので、手入れのしやすさや体形などのポイントを押さえたうえで、自分に合った枕を選択するとよいでしょう。機能性や寝心地を比較し、自分に合った枕をリーズナブルに購入しましょう。